入江杏(いりえ・あん)さんは、2000年の年末、隣に住む妹一家を何者かに殺害され失った。犯人はいまだ捕まっていない。いわゆる「世田谷一家殺害事件」である。
あれから18年。入江さんは、グリーフケア(悲しみ、嘆きへのケア)についての学びを深めながら、さまざまな人たちとつながってきた。しかし、その道のりは、簡単なものではなかった。身近な人から強いられた「沈黙」があったからだ。
自分や他人の「かなしみ」に沈黙するのではなく、「かなしみ」でつながっていく世の中を思い描く入江さんを折に触れて撮影してきた、その記録である。
取材:(TBSテレビ報道局)