アメリカ・アリゾナ州ユマで、画家として生きた正子・ロビンズ・サマーズさん(1928年生まれ)。ふるさとは沖縄。戦後、沖縄に駐留していた米軍人と結婚し渡米した、いわゆる「戦争花嫁」だ。「国際結婚第一号」として新聞にも取り上げられた歴史のひとである。
2005年、正子さんは自らの人生を振り返った手記を書き上げた。およそ4歳で遊郭に身売りされ、「ジュリ」(遊女)として育てられたことを綴っている。
凄惨な沖縄戦にも巻き込まれ、九死に一生を得る経験もした。激動の近代沖縄で、様々な社会的犠牲を身に受けながらも、正子さんは強くしなやかに生き抜いていく。
渡米し、新たに生き直していく原動力となったのは、絵筆との出会いだった。「絵に身を助けられた」と語った。どんなにつらい状況でもあきらめず、Hopeを忘れない… それは正子さんの人生を貫く信念である。
画家、正子さんの数奇な人生をたどり、絶望の中で彼女が見出していった希望の光を見つめる。
ディレクター:原義和
制作:RBC琉球放送