TBS 日曜劇場「JIN -仁-」｜インタビュー

インタビュー

VOL.7 桐谷健太さん（佐分利祐輔役）

この作品に参加されてみての感想をお聞かせ下さい。

初の時代劇なのですが、自分の知らない江戸時代のことを想像するだけでも楽しいですし、すごく新鮮ですね。この歳（現在２９歳）にして高校生役を演じることが多かったせいか、これまで年下の役者さんと共演させていただく機会が多かったのですが、今回は素敵な大人の方たちとお芝居で絡むことができて、また違った楽しさを噛み締めています。

photo-07-01

ご自身と演じる佐分利の共通しているところは？

「好奇心が強いところ」や「リアクションのでかいところ」ですね。僕も集中できるものを見つけたら、それに向かってガンガン猪突猛進してしまうタイプなんで、そのあたりは似ていると思います。あとは、やっぱりキュートなところですかね（笑）。

佐分利を演じる上で気をつけていらっしゃる点は、どんなところですか？

一番大切にしているのは、彼の内面をどのように表現していくかということです。現代医療を身につけた仁にとってはあたりまえのことでも、それを初めて目にする佐分利にとってはすべてが新しく、ひとつひとつが奇跡のように映っていると思うんです。だから、先生の話を聞いている時は前のめりにもなるし、それぞれのシーンごとに“当時の医者たちがとるであろうリアクション”を想像しながら、その驚きや感動を「仕草」や「表情」でみせていけたらいいなと思っています。
逆に、所作や立ち居振る舞いに関しては、あまり難しく考えていません。きっと江戸時代にもいろんな人がいたと思うんですよ。「こんな人はいなかった」とか「江戸時代はみんなこうだ」と決め付けて、そこにばかり意識をとられてしまうとどうしても“芝居の生っぽさ”みたいなものが失われてしまうような気がするので、基本は押えつつも、わりと自由にやらせていただいています。

photo-07-02

物語の中盤で、佐分利にも心境の変化があったかと思うのですが、そのあたりはどのように受け止めて演じていらっしゃいますか？

最初の頃は“チャーミングで可愛らしい、好奇心旺盛な感じ”を全面に出していたんですが、隠れて腑分けを行ったことが公になり、そのせいで緒方先生や仁先生にも迷惑をかけてしまってからは、それまでと意識的にテンションを変えていますね。あのとき佐分利は自分のやってしまったことの大きさに気付いて、すごくショックを受けたと思うんです。そんなことがあってもなお、これまでと同じようなテンションでいたら…それはちょっと違うなぁと思うし、あの事件をきっかけに彼も少しずつ成長しているのではないでしょうか。ここからは佐分利も成長の一途を辿っていくと思うので、回を重ねるごとにだんだんと自立していく様をお見せできたらいいなと思っています。

佐分利って、一度見たら忘れられないような濃いキャラクターですよね。

テレビを見てくださった方からも「佐分利って印象に残る役だよね」とよく言っていただくのですが、自分としてはまだまだ出番も少なくて、プロデューサーに「もっと出せ、もっと出してくれ」としつこく言うてるぐらいです（笑）。
でも、『ＪＩＮ－仁－』という作品においては、変に「狙ったろ」「目立ったろ」という意識はまったくないんですよ。以前『ＲＯＯＫＩＥＳ』という作品に参加させていただいていたときは、歳の近いメンバーたちに囲まれて「負けたくない、オレが一番や！」っていう気持ちがどこかにあったと思うんですけれど、あの作品ではみんながそういう気持ちになればなるほど、相乗効果でよくなっていったと思うんです。でも今回は、みんながみんなそれぞれ別の役割を担っているので、目立つも目立たへんも関係ないというか…。“いかに登場人物たちがこの作品の世界観に溶け込めるか”というのが重要なことだと思うので、僕もこの空気感や流れに最後までしっかりのっていきたいです。

photo-07-03

主演の大沢さんからは、どんな刺激を受けていらっしゃるのでしょうか？

もちろん芝居の面でも刺激されることが多いのですが、現場でのあり方なども学ばせていただいています。大沢さんってとにかく空気のいい方なんですよ。疲れたらイライラもするでしょうし、このハードなスケジュールの中で常に一定の精神状態を保つというのはすごく難しいことだと思うのですが、現場ではいつも同じ状態でいてはるんですよ。だから、共演させていただいている僕らもすごくリラックスして撮影に臨めるというか･･･。
僕、普段からよく“この人と同い年やったらどんな感じなんだろうな”って想像してみたりするんですけれど、自分が大沢さんの歳になったときにも“あんなふうに年下やスタッフと接することができるような役者になっていたいな”って思いますね。

佐分利の師・緒方洪庵を演じていらした武田鉄矢さんはいかがでしたか？

武田さんとも初めて共演させていただいたのですが、喋り出したらとまらないホンマに面白い人で、大好きになってしまいました。番宣で出演させていただいた『王様のブランチ』では、「俺、最初こいつのこと嫌いだったんだ」と急に打ち明けられてビックリしたんですが、「いつか主役を張れるようになる」とも背中を押してくださって、「なんてイイこと言う人なんだ」と（笑）。話せば話すほどオチャメで人間味のある方で、現場でお会いするのが楽しみだったので、本当はもっともっと一緒にお芝居をさせていただきたかったです。

photo-07-04

撮影現場でムードメーカーとなっているのは誰ですか？

特に誰ということではなくて、みんながムードメーカーやと思います。めっちゃ雰囲気いいですよ。待ち時間が「ヒマやな」と思ったことなんて一度もないですし。休憩中は、出演者のみなさんやスタッフさんたちと、他愛ない話で盛り上がったりしています。現場で集中し続けることも大事ですけれど、やっぱりずっとは無理ですからね。そうやって待ち時間にリラックスしてこそ本場で集中できるものだと思うので、この現場はすごく居心地がいいです。
キャストのみなさんも本当に個性がバラバラなんですが、自分をしっかりと持っている人たちばかりなので触発されますね。毎回撮影に行くのが楽しみですし、『ＪＩＮ－仁－』の撮影現場はまさに“学び屋”やと言えると思います。

もし桐谷さんがタイムスリップしてしまったとして、仁先生の立場だったとするのなら、歴史を変えてしまうことをわかっていても突き進めますか？

歴史の針を進めてしまうことに罪悪感を抱いたり、いろいろと苦しむことになるとは思うのですが、“よりよい未来”になる可能性が少しでも残されているのなら…人間って突き進むのではないでしょうか。悪い方向にいくとも限らないということであれば、それはむしろ大きな希望となるでしょうし、葛藤しながらもそこで必死にもがくでしょうね。
仮にホンマに好きな女性がおったとしたら、「その人を守るためならたとえ世界中を敵に回しても…」とか思うじゃないですか（笑）。それが正義なのか悪なのかはわかりませんが、その環境に置かれてしまったのなら僕も、仁のようにがむしゃらに突き進んでいくと思います。

photo-07-05

最後に、この作品の見どころを教えてください。

見どころというのは、視聴者の方が毎回見終わって“心に残っているシーン”のことだと思うんです。だから、人によっても回によっても違うと思うので、「今日はどんなことが起こるんだろう」とワクワクしながら最後まで見ていただけたら嬉しいですね。
『ＪＩＮ』という作品は、「時代劇は苦手」という方でも“仁先生と一緒に旅ができる”ようなつくりになっていますし、登場人物たちに気持ちを置き換えて共感したり、「自分だったらどうするんやろう」と想像力を働かせたりしながら、最終回まで物語の世界感を楽しんでもらいたいです。

戻る

TBS 日曜劇場「JIN -仁-」

2009年10月11日スタート 日曜よる9時

インタビュー

VOL.7 桐谷健太さん（佐分利祐輔 役）

2009年10月11日スタート日曜よる9時

VOL.7 桐谷健太さん（佐分利祐輔役）