A：先ほどお話したように、今回は橋の撮影に関して普通では見られないような所から…という事で、非常に色々な場所で撮影しました。でも実は僕、極度の高所恐怖症なんです。なので、さすがに足場のない場所はカメラマンにだけ登ってもらいましたが、ゴンドラの上にある観光用の道のすぐ下のメンテナンス用の道は、僕もチャレンジして一緒に立ってみました…。が、その時何を撮っていたのやら正直覚えていません。後で聞いたところによると、どうやら撮影中逆切れしてたみたいですよ、「いつまで撮ってんだよ！」って。でも、他のスタッフは知っているので「大丈夫、大丈夫。監督は黙ってそこに座ってればいいから。」なんてなだめていたそうです。

もうひとつ、今回の撮影中子供が１人ずっと僕達にくっついてきていました。ビスカヤ橋の社長の息子さんで小学校4〜5年生なんですけど、学校が終わると僕達のところに寄って来て、ニコニコしながら見ているんです。荷物を持ちたがったり、時には僕達がモニターを見ていると、「顔、近いよっ（笑）」ってくらい一緒に顔を近づけてモニターチェックしてたりとか。余裕のある時にコーディネーターにその子の話を訳してもらったら、「日本の侍は世界で一番強いって言うけど、それはホント？」とか言っていたみたい。それでよくよく話を聞いてみたら、撮影よりも僕に興味があって付いてきていたらしく「ヤスジはマンガのヒーローに似ている。」って。何のマンガかはよく分からなかったんですけど、相当似ていたようで「明日、一緒にクレヨンしんちゃん見ようよ」とか誘われたりもして（笑）。で、なんだかとても好かれてしまったので、最終日にその子を本編に出す事にしたんですよ。それで事前に「キミのこと、テレビに出してあげるよ」って言ったら、すんごい喜んじゃって。当日、午前中は雨だったんですけど学校で「今日、僕がいよいよテレビに出る事になっているんだけど、雨が降っているから撮影中止かな？」とか何とか学校で喋り捲りだったらしいです。なんだか面白い子でした。映像は、今回のラストカット。ベンチに座ってビスカヤ橋の絵を描いている男の子です。ぜひ、見てあげてください。