
古代エジプトでは、太陽の沈む西の砂漠は、あの世へつづく死の世界とされていた。そこに代々の王が築いたピラミッドは、確認されているだけでも60あまり。砂漠の中のピラミッド群に、古代エジプト王朝の栄華の時間が凝縮している。 |
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およそ4500年前、ジェセル王によって築かれた「階段ピラミッド」は、この地域にあったベンチ状の墓「マスタバ」を何段も積み重ねた形をしている。この巨大な建造物は、大規模な工事を可狽ノした中央集権的な国家の誕生も暗示している。 |
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スネフェル王によって築かれたこのピラミッドは、斜面の傾斜角が途中で変わっていることから「屈折ピラミッド」と呼ばれる。同時に築いていたメイドゥムのピラミッドが崩れたため、急遽、上部の傾斜角を変えたのだと言う。 |
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ピラミッドは、スネフェル王の子クフの時代に、頂点を迎える。王の墓は、巨大で堅固な永遠の家でなければならない。しかし、ピラミッドが墓だとすれば、なぜ、未だにピラミッドの中からミイラや遺品が発見されないのか。謎は深まるばかりだ。 |
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