日立 世界ふしぎ発見!

毎週土曜日 よる9時〜

バックナンバー

2023年4月22日 よる9時から放送

第1668回

神様の気まぐれ旅
台湾・媽祖祭
予測不能な400km

ミステリーハンター

アンナ・ リー(あんな・りー)

台湾・台北市出身。大学時代に母校の姉妹校である宇都宮大学で、交換留学生として一年間学ぶ。恩師の言葉をきっかけに日本で芸能活動を開始。現在は歌やダンス、テレビ番組の司会もする台湾在住のマルチタレント。日台共同制作ドラマ「路〜台湾エクスプレス〜」にも出演。ミステリーハンターは今回で4回目。

ミステリーハンター

朝井 大智(あさい だいち)

1985年12月30日生まれ。京都府出身。俳優として日本・台湾で活躍。ミステリーハンターは今回が2回目。

神輿に担がれた神像が、9日間かけおよそ400キロもの大移動をする媽祖(まそ)祭。台湾二大巡礼の一つで、媽祖の神輿を追い参加者11万人もが移動します。日本のテレビ初取材となる歓喜と熱狂に包まれる9日間をアンナ・リーさんがレポート。そして朝井大智さんは、日本の媽祖さまを探ります。一体どんな発見があったのでしょうか。お二人にお話を伺いました。

アンナさんも感激の媽祖祭
熱狂の9日間は
愛に溢れている!

サプライズ登場の朝井さんに
びっくり&大喜びのアンナさん

朝井さんの先祖が航海の守り神として
持ってきた媽祖像を見せて頂くため林家へ

媽祖巡礼は、台湾で最も盛大なお祭りのひとつですので、私も始めはとても興奮していたんです。媽祖さまの通る道は人だけでなく、トラックに設置されたさまざまなキャラクターの灯篭などがあって、もの凄く賑やか。その華やかさと熱気に私のテンションも上がっていきました。そしてその興奮はすぐに驚きに変わっていきました。

媽祖さまが自宅の前を通ったおばあさんが、泣きながら「ありがとうございます!」と手を合わせて叫んでいる姿を見て、えっそこまで!?私が運よく近くで撮れた媽祖さまの写真を見て、「その写真を撮らせてくだい」と言ってきた女性には、えっ?自分で見てないのに意味ある?媽祖さまのテーマソングを聞いて「あっ、これ新曲ですね!」と盛り上がる人たちに、えっ?私には同じに聞こえるけど?みなさんの熱狂ぶりに圧倒されっぱなしだったんです(笑)。まるでアイドルのコンサートみたいでしたね。

道中無償で配られる媽祖さまグッズ

巡礼の道には、自分で作った料理やグッズを無償で配る人がたくさんいます。私に「これ配って」とグッズが入った箱を渡してきた方がいたので、配っているとあっという間に人だかりができてすぐになくなってしまいました。私が作ったものじゃないんですが、みなさんに「ありがとう」と言われて私の気持ちがさらに変化していったんです。このお祭りは熱狂だけじゃない、愛を分かち合いたいシェアしたいという人たちで溢れている!夜中の2時ごろ、お神輿が通った後に道に散乱した爆竹や紙吹雪をきれいに掃除をしていたおじいちゃん、おばあちゃんたちを見た時には心から感動しました。「こんな夜中に疲れませんか?」と聞くと「媽祖さまの神力を頂いたから元気いっぱいだよ」とおっしゃっていました。そこには誰もが自然に笑顔になれる温かな雰囲気が満ちていました。

アンナさんも神輿を担がせて頂くことに!

お祭りに来られなかった家族や友人にもご加護があるようにと、その人たちの服や持ち物を持って来て媽祖さまに掲げる人、街で会ったら目を合わせないようにしたくなるような強面のお兄さんが目を潤ませながら手を合わせている姿…9日間の巡礼で出会った人、見た光景を思い返すと、世間で言うほど人間ってダメなものじゃないと思います(笑)。巡礼が終わる頃には、名残り惜しくて私も涙が出てしまいました。

アンナさんも大ファンという
台湾伝統人形劇の進化版!もレポート!

茨城県水戸に祀られている媽祖さま
朝井さんの敬愛する偉人と
深いかかわりが!?

僕は日本で生まれ育っていますので、媽祖について知ったのは台湾を拠点に仕事をしていた時なんです。僕の先祖、林家の映画に出演した際に、媽祖像を持って台湾に渡るというシーンがあったので調べたのが最初だったと思います。今回はちょっとだけ台湾でアンナさんとご一緒しましたが、その時に林家の媽祖を初めて見ました。映画のシーンにあった、ひいひいひいおじいさんが中国大陸から持ってきたものです。中国大陸から台湾に渡った人たちは、福建省出身が多いのですが、福建省と台湾の間にある台湾海峡は荒れる海で知られ、海難事故もよく起こっていました。ですからさまざまな神のなかでも航海守護の女神、媽祖だったのでしょうね。しかも数百年も前となれば、航海は命がけ、無事を願う想いは切実です。そして無事に目的地へ辿り着けば感謝もひとしおで、廟を建てて祀ったというのもうなずけます。

水戸の祇園寺に祀られた媽祖さまも、中国から来た禅僧が日本へ渡る際に持ってきた像でした。この像が日本に来たのは、徳川光圀公の時代。詳しくは番組でお楽しみ頂きたいと思いますが、台湾に媽祖信仰が広がるずっと前から、水戸の方たちによって大切に守られていたことに感銘を受けました。また光圀公の好奇心旺盛で、偏見なくさまざまなことを受け入れる懐の広さ、先見の明にも感服しました。黄門さまの物語ができるのも納得のお人柄だったのですね。

光圀公が媽祖を祀った天妃(てんぴ)神社
迫害に合うも地元の方たちが守り抜いた

今回、日本の媽祖さまを取材して、日本と台湾の国民性がよく出ていたのが面白かったです。静かに、だけど地元の方たちの篤い想いでお守りしてきた日本。派手に祀り、やがて熱狂的なお祭りが生まれた台湾。そしてアンナさんのレポートした媽祖祭は、僕も楽しみにしています。ニュース映像でしか見たことがないのですが、台湾のいい意味でのクレイジーさ(笑)、情熱的な一面が見られると思います!

湯の街、箱根にも媽祖さまが!

こぼれ話

アンナ・リーさんの媽祖祭こぼれ話をお楽しみください。

感動!そしてこれまでにない
ふしぎな体験
媽祖さまの神輿担ぎ

媽祖祭では、さまざまな感動を味わうことができましたが、媽祖さまのお神輿を担がせて頂いたことは、特別な体験でした。お神輿を担ぐのは初めてで、どんな感じなんだろう?とワクワクしながら臨んだのですが、お神輿を担いだ瞬間に頭がからっぽになってしまったんです!今何をする?動く?歩く?と何も考えられず、呆然としてしまいました。すると今度は、行くぞ!という感覚になって歩くと、全身にパワーが満ちているように感じたのです。お神輿が重いとも感じませんでした。その時の自分の写真を見ると、まるで別人(笑)。貴重な、そしてふしぎな体験でした。取材前は、媽祖さまについても媽祖祭についても殆ど知らず、海外の観光客の方と同じような感覚で巡礼に参加した私ですが(笑)、お神輿の体験では媽祖さまのご加護を感じることができました。今回の取材で出会った方たちのように、媽祖さまから頂いた愛、ちゃんと行動でお返ししなくちゃですね!

オフショット

見逃し配信

TBS FREE

TVer

このページのトップへ