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2023年1月21日 よる9時から放送

第1660回

蘇る伝説! アンコール王朝不滅の遺産

ミステリーハンター

神田 朝香(こうだ あさか)

1996年11月15日生まれ、熊本県出身。俳優として映画、舞台、ドラマで活躍。趣味は、サッカー観戦、映画鑑賞、スキー。特技は、書道、新体操、ダンス。
ミステリーハンターは、今回が初めて。

9世紀から14世紀にかけて繁栄したカンボジアのアンコール王朝。壮大な王国はどのような“力強さ”があり築かれていったのでしょうか?アンコール王朝栄華の象徴ともいえる世界遺産・アンコール遺跡を取材したミステリーハンター・初挑戦の神田朝香さんにお話を伺いました。

アンコール・ワットは神宿る劇場寺院!?
時を超えて人びとを魅了する
アンコール遺跡の秘密を探れ!

アンコール遺跡は、誰もが知る人気の世界遺産ですから、私も取材前からわりとしっかりイメージはあったんです。東南アジア最大級の寺院、というのも聞いていたのですが…、実際に現地に着いた時には、想像を遥かに超えるスケールに驚いてしまいました。遺跡の広さ、建物の大きさどれも圧倒されるほどなんです。しかも緻密で精巧で繊細。私が大きいものを造るとしたら、ただひたすら大きくすることだけを考えていたと思うのですが(笑)、ざっくりした所が全くない。これぞまさしく世界の遺産だと思いました。

ユネスコの無形文化遺産にも登録された
伝統武術ボッカタオを披露してくださったみなさん

アンコール遺跡は、建物やレリーフの美しさで知られていますが、その美しさをより強く印象付ける仕掛けがたくさんあるのも驚きでした。また造った王様のカラーが建物に現れているのも面白かったです。アンコール・ワットには、この寺院を建てたスリーヤヴァルマン2世の偉業がたくさん彫刻されていて、王様が心強いヒーローだったことがよくわかりました。一方、アンコール・トムには、人びとの暮らしを描いたレリーフがけっこうあるんです。なかにはクスリと笑みがこぼれてしまうような場面もあって、これを建てたジャヤヴァルマン7世はとても包容力のある王国民のお父さんのような存在だったんじゃないかな、と想像していました。アンコール遺跡には、歴史やドラマが数えきれないほど詰まっています。それを掘り下げていくのが楽しすぎて、カメラの回っていない所でもずっとガイドさんに質問していました(笑)。

アンコール・ワット修復プロジェクトのリーダー
三輪悟先生

またアンコール・ワットの修復に25年以上携わる三輪先生に伺ったお話にも興味が尽きませんでした。修復と聞いて、単純に壊れた部分をきれいに直していると思っていた自分はどれだけ浅かったことか(笑)!先生たちがなさっていることは、千年前の人が造った建物、そして想いを、千年後にも繋げていけるようにすること。単なる修復ではないのです。遺跡並にスケールの大きいことですよね。感動しました。

特に感銘を受けたのは、日本の修復プロジェクトは人材育成に重きをおいてきたということ。アンコール・ワットはこれまで多くの国の支援で修復されてきましたが、日本のプロジェクトはカンボジアの遺跡をカンボジアの人たちの手で守っていくことを目標に掲げています。日本人としてとても誇らしく感じました。そしてこのプロジェクトが始まってから25年が経ち、カンボジアの若い世代の専門家も現れてきました。そんな頼もしい姿を素敵な笑顔で見守っていらっしゃったのが印象的でした。建築としての遺産、さらに未来を担っていく“人”も重要な遺産だということを教えて頂きました。

アンコール王朝時代に生まれた
宮廷舞踊アプサラダンス

アンコール遺跡以外でも貴重な体験がたくさんありました。さまざまな方にお話しを聞かせて頂く機会があり、その度に新しい扉が次々と開かれていくような感覚でした。これこそミステリーハンターの特権ですね。取材中は自分の想像を超えることの連続で、面白い!好き!なぜ?が増えていくんです。それを夢中になってノートに書き留めていました。そして身体を使ったチャレンジも全力、さらに頭もフル回転して、取材を終えた時に、自分もミステリーハンターになれた!という実感が沸いてきました。

今回はアンコール王朝の“力強さ”を探る取材でしたが、その強大さや包容力、内戦を乗り越えて復活を遂げていく芯の強さ、それらすべてが今のカンボジアに生きていると感じています。見所を絞るのは難しいですが、さまざまな角度から探ったアンコールの素晴らしさはもちろん、歴史や伝統だけでなく想いや情熱を過去から受け継ぎ、未来へ繋げていく人たちにも注目して頂けたら嬉しいです!

こぼれ話

神田朝香さんのカンボジア取材こぼれ話と担当ディレクターのおススメ情報をご紹介します。

まだまだある!
想像を超えた体験inカンボジア

今回の取材では、貴重な経験をたくさんさせて頂き、驚きと感動の連続だったのですが、自分が得意とすることで苦戦したこともけっこうあったんです…。なかでも印象的だったのは、アプサラダンスです。私は子どもの頃から新体操をやっていて、ジャズダンスやバレエなども習っていました。そんなことからアプサラダンスは以前から知っていて、今回体験させて頂くのを楽しみにしていたんです。ですが、伝統舞踊は甘くはありませんでした!独特な手の反りがアプサラダンスの魅力のひとつなのですが、左右で違う動きをするので、すぐに右左がわからなくなるパターンに陥ってしまって(笑)。しかもすべての動きに意味があるので、その意味をちゃんと考えながら表現しなくちゃいけない…。四苦八苦でした。実はミステリーハンターをするにあたっての面接で、ダンスのことをお話した時に「振り覚えは早いです。すぐに覚えます!」とアピールしたんです(笑)。本番は何とか乗り切れましたが、自信満々だった自分に冷や汗でした!

滋味あふれる
カンボジア料理、お試しあれ

カンボジア料理、あまりイメージがないという方がほとんどだと思いますので、代表的なものをご紹介します。伝統料理のアモックは淡水魚をスパイスとココナッツ香るスープで煮込んだもので、ご飯にかけてカレーのようにして食べます。スープは魚の出汁が効いていて、スパイスが良い仕事をしているので淡水魚独特の臭みも全くないですし、魚の身はプリっと弾力がありながら口の中でほぐれていく感じが非常に美味です。

カンボジアの伝統料理アモック

そして、カンボジアは米どころでもあるので、お米も美味しいです。番組でもご紹介しましたが、米(精米した状態)をクメール語で「アンコール」と言うそうです。米粉で作られる麺料理のノンバンチョックは純白のなめらかな麺が特徴で、こちらもココナッツとスパイスのスープに、お好みでハーブをトッピングして頂きます。カンボジアは暑い国ですが、ツルツルと食べやすく、栄養満点なノンバンチョックは朝ごはんの定番とのことです。ロケでお邪魔した時には3杯おかわりしました(笑)。そしてカンボジア料理はどれも手間暇かけて作られており、やさしい味がします。カンボジアの両隣の国、タイやベトナムの料理ほど今はまだポピュラーではないので、日本で見かけることは少ないかもしれませんが、食べてみるとその親しみやすさに驚くと思います。(担当ディレクター)

神田さんも麺作りをお手伝い
挽いた米粉を捏ねます

代表的な麺料理ノンバンチョック

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