イレーネさんが訪ねたポンペイ遺跡は
古代ローマのタイムカプセル？

古代ローマの遺跡は、中世期にその壁を活用して上に家が作られたり、長い年月の間に崩れたりしています。ですがポンペイ遺跡は、噴火による大量の火山灰などで都市が丸ごと埋もれ、土の中に残されたもの。だから2000年前の遺跡にも関わらず、当時のままの姿や、少し前までそこに人が住んでいた感覚があります。もちろん壊れてはいるけれど、普通の遺跡に比べて色合いも鮮やか。道もよく残っていて、「こういう生活をしていたんだな」というのがすごく想像しやすい場所ですね。

今回のポンペイ取材で
イレーネさんが一番印象に残ったものは？

やはり特別に見せて頂いた新発見の部分です。研究者がまさに今発掘し、調査・研究を進める段階の遺物で、まだ灰や石がついている状態でした。普通の観光では見られないところですし、そこから、古代ローマのロールス・ロイスともいわれる全体像の様子が浮かび上がってくるんです！また発掘調査では、今の時代の新しい技術だからこそ分かって、謎が明かされていく様子も面白いところだと思います。

ポンペイレポートの見どころは？

近年発掘されたテルモポリウムも見どころのひとつです。食べ物のお店ですが、そこに描かれたフレスコ画も注目ポイントだと思います。カモの絵があって、現代の私たちからすると「なぜその状態のカモを描くのか!?」という不思議な絵なんです。その理由を考古学者の方が教えてくれました。また2000年前の人たちは、テレビや携帯などで常に画像を目にする私たちと違って、絵を見るだけでも、私たちが3D画像を見たようなインパクトや、VRを体験する感覚に近いものがあるのだとか。

そんな背景を考えると、当時その絵を見た人たちはきっと「わー！このお店はきっと美味しいよね！」というリアクションに…。それも面白い部分ですし、現代の私たちは2000年前のフレスコ画の色鮮やかさに驚かされます。ポンペイの人たちが当時驚きながら見ていた感覚で、その絵をご覧になっても楽しいかな。

ミステリーハンターを務めた感想は？

日本にいた時に番組を見ていたので、友達に「出たよ！」と知らせるのが待ち遠しくて。ロケでは、良いレポートにするためにもまず自分自身が楽しもうと心がけました。ただ根がまじめだから、ディレクターさんに「もう少し笑顔で」と言われたことも何度か（笑）。
ミステリーハンターとしては、考古学者の方と遺跡を見てまわるなど特別な経験をさせて頂いたので、日本のみなさんに内容がよりよく伝わるように努めました。そこには私の考えも入っているので、ポンペイをより深く知って頂き、コロナが収まったら行きたいなと思ってもらえたら本当に嬉しいです！

杉野さんは日本で、ポンペイと同じように
火山に埋もれたタイムカプセルがある場所へ！

今も活動が続く火山が、かつて大噴火した当時を物語る場所です。大噴火の際、世界的にも珍しい現象が起きて国の特別天然記念物に指定された場所、そしてポンペイのように大噴火で埋もれた村についてレポートします。

大噴火というと、災害に対してどんな行動をとるかという点に、まず着目すると思います。でも取材をしていく中で、噴火が起きた後に人同士がどんな思いで行動したのかが見えてきました。また噴火に遭った村の人々が、その後どう歩んでいったのかも…。噴火が起きたことが悪い出来事としてだけではなく、人と人との繋がりについてのお話を聞けたことが印象に残っています。

ミステリーハンター・イレーネさんは
あの人気料理についても発見！？

ポンペイ遺跡の近くにあるお店のピザがすごく美味しかったです！やはりナポリへ行くと絶対にピザが食べたくなりますね（笑）。取材でお世話になった考古学者のイヴァンさんは、日本に度々行かれていて、その時もよくピザを食べるそうですが、ナポリの次にピザが美味しいところは「東京」なのだとか。そこにはイタリアに修行に来る日本人のまじめさや、ナポリ風ピザの認証を受けて日本でお店を開く方が多い背景もあるようです。日本のピザについて「本当に美味しい」と、誇り高いナポリ人であるイヴァンさんが話されていたのは印象的でした。

嬬恋郷土資料館

1783年の浅間山大噴火で埋没した群馬県嬬恋村・鎌原地区の出土品を展示。また火山噴火による被災地という共通の歴史をもつ、イタリアのポンペイ遺跡から発掘された「噴火犠牲者の人型」レプリカが展示されている。
観覧料 高校生・一般300円、小中学生150円
開館時間 9:00〜16:30（入館は16:00）、休館は水曜日（祝日の場合は木曜日）、12/27〜1/4他。※7月〜8月は無休
住所 群馬県吾妻郡嬬恋村大字鎌原494

※情報は2022年1月現在
新型コロナウイルスによる営業状況等、最新情報は事前にご確認下さい