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2021年5月15日 よる9時から放送
第1595回
鬼退治で紐解く日本
ミステリーハンター
村雨 辰剛
1988年7月25日、スウェーデン生まれ。日本に興味を持ち日本語を勉強。来日して語学教師などを経た後、日本の伝統的な仕事を求め造園業の道へ。日本国籍を取得し現在は庭師とタレント業をこなす。趣味は筋トレ、盆栽。ミステリーハンターは今回で4回目。
近年、アニメや漫画等で改めて注目されている“鬼”。今回はミステリーハンター・村雨辰剛さんが、鬼が生まれた物語から、知られざる日本の歴史を紐解きます!
今回のテーマは鬼!
鬼についてこれまでどんな印象が?
それこそ紙芝居とか昔ばなしのイメージです。生まれ育った国にも鬼に近いものは古くからありますが、やはりイメージのレベルですね。ただ日本ではことわざなどにもよく鬼が出てきて、それは人間を超越したものという意味がありますよね。言葉の意味でも、その存在自体も、日本は鬼と関わりが深い感じがしていました。
47都道府県全てに残された鬼の伝承
今回、鬼にまつわる場所を巡った感想は?
訪れる場所によって鬼を探っていく視点が変わるのですが、奈良県吉野郡にある村では、鬼の子孫という方とお会いしました。その時は「鬼って別に悪いものではなくて、人間を助けるし、すぐ近くにいるのかもしれないな」とリアルな感じが…。
また京都の福知山市で鬼にまつわる博物館へ行った時は、鬼を分析・研究した上でのお話が聞けるなど、その先々で、鬼について色んな見方ができました。今回はそうやって広い視点から、鬼とはどういうものか、その存在に近づけたかなと思います。ビジュアルも地方ごとに様々な姿があって、「この地域ではこの鬼なんだな」と知るのがすごく面白かったですね。
鬼退治に欠かせない刀にも注目?
鬼を切ったと伝わる刀の取材や、刀鍛冶体験で短刀を作らせて頂きました。刀は日本で大事なものとされてきましたが、刀作りの現場を見ると、また別の意味で深く感じるところがありますね。刀作りにはどのくらい労力が必要で、そして刀工さんがどれほど魂込めて作られているのかが伝わってくるんです。焼き入れという作業は特に緊張感のある儀式的な空気に満ちていました。
美しい日本刀を生み出す原材料の玉鋼には
実は、鬼と深い繋がりが…!
鬼について探る中で出会ったのは
超人的な力を身につける山伏の体験?
修験道の方々が修行を積んできた山で、僕も山伏体験をさせて頂きました。とても貴重なものだと思いましたし、山伏はただ山を登るわけではないんですね。厳しい登山は修行になりますが、長い間山に入るとなれば食料の確保や、植物など自然についての知識が必要だから本当にサバイバル。そのための知恵が何百年も蓄積された修験道は、単に山登りや宗教だけではなく、実用的なものが詰まっていて、その発見はすごく印象に残りました。
一番印象に残ったこと、また見どころは?
鬼の中でも、最強といわれる鬼についてです。お話の中では鬼は悪党扱いですが、鬼の側から見れば、話はそんな単純じゃないんだなって分かってくるんです。どちらか一方ではなく、色んな角度から物事を見る大事さを教えられた気持ちになるし、また面白いところだと思います。
2019年に日本遺産に登録された石見神楽
鬼って漠然としているので、正解の答えはないと思っていましたが、この旅を経てイメージが大分変りました。色々知りながら、とても奥の深いところが見えてくると思います!
こぼれ話
ロケのこぼれ話や取材で訪れたスポットをご紹介!
宝満宮竈門神社のある宝満山での山伏体験
難所で苦戦した村雨さんのその後
山頂の上宮を目指しながら修行する山伏について、体験レポートをしたミステリーハンターの村雨辰剛さん。途中にある難所は、100段の階段を数えながら上がり、最後が100にならないと、また一から上り始めるという場所。意外にも苦戦すると、顔を出したのは村雨さんの負けず嫌いの一面! 繰り返し階段を上がり続け…。
ロケを終えてから挑んだ4度目だったそう
ロケで一番の緊張とビックリ!?
それは鬼との関わりが深い刀についてのレポートで、抜刀(ばっとう)するシーンの撮影を行った時のこと。使用した刀はなんと…!
また、鬼の家系のご夫婦を訪ねた時は、意外な発見も!?
未経験の僕は緊張しました!」(村雨さん)
鬼のようにお酒が強いご先祖だったのかなと(笑)」(村雨さん)
取材で訪れたスポット
「日本の鬼の交流博物館」
番組でも取り上げた日本の鬼の代表格・酒呑童子をはじめ、日本から世界まで様々な鬼にまつわる展示が行われ、「鬼とは何者なのか」について考えることができる。
住所 京都府福知山市大江町仏性寺909
「絲原記念館」
たたら製鉄最盛期の繁栄を今に伝える、優美な庭園や大正時代の風情をそのままに残す邸宅が見られる。たたら製鉄の歴史が学べる資料館や、落ち着きのあるカフェも併設。
住所 島根県仁多郡奥出雲町大谷856-18
「将大鍛刀場」
日本刀の原料「玉鋼」を使用した小刀や短刀が実際に自分で打てる刀鍛冶体験を行なっている。
問い合わせは「森の京都DMO(一般社団法人 森の京都地域振興社)」まで
住所 京都府亀岡市本梅町西加舎石敷32-1
※情報は2021年5月現在
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