伊豆半島そして千葉県館山へ
都心から近い海にも
ワールドクラスな世界が！

前回の奄美大島の取材に引き続き、今回も海の生きものの魅力をたくさん知ることができました。海の生きもののスケールの大きさを実感できましたし、図鑑で読んだ情報を更新する体験もありました。生きものの魅力を知るには、生息域へ行くって重要ですね。以前、金魚を飼っていたことがあるのですが、触れ合うことができないのが少し物足りなくて…。これまで私の関心が陸上の生きものに傾きがちだった理由のひとつかもしれません。でも自分が水中に行けばいいと発見！（笑）。

東京湾は、独特の地形や海流などの影響で、大小さまざまな生きものが生息しています。私がダイビングをした千葉県の館山は、多種多様な海の生きものが見られる一番コスパのいい海と言われているそうです（笑）。取材をして本当に豊かな海だと思いました。沖には深海があり、浅瀬にはサンゴの海。単に魚の種類が多いだけではなく、生息域の違う魚がいる楽しく素敵な海だと思います。

また館山では、憧れていたさかなクンにもお会いできてとても嬉しかったです！嬉しさのあまり緊張してしまったのですが、お会いして改めて魚への大きな愛をお持ちだと感じました。そしてある分野を心から愛している方から聞くお話ほど魅力的なものはないと思いました。シュノーケリングもご一緒させて頂いたのですが、素潜りのスキルの高さに敬服致しました！私は陸上でこれくらい息が続くだろうと想定した時間は全く持たず、すぐに苦しくなって浮上を繰り返していたのですが、さかなクンはエラがあるかのように悠々と水中を探索されていて（笑）。まだまだ私は鍛錬が必要ですね。

北海道・東北では無人島探索
そして絶滅危惧種に会える場所へ

釧路と下北半島の取材では、心にじんわり染みるような絶景を見ることができました。北の海沿いは、ダイナミックでワイルドな景観なのですが、その場に立ってみると穏やかな印象。関東地方では見られない植生も興味深かったです。

そして釧路の霧多布（きりたっぷ）岬では、ある生きものの赤ちゃんが見られて、感動しました！まだ生まれて3、4日ということで、本当にラッキーでしたね。その生きもの、水族館の人気者というイメージなのですが、実は日本の水族館で現在数頭しか飼育されていません。高齢の個体が多く、繁殖も期待薄で…。少し前に1頭が死亡して関東以北の水族館では見られなくなってしまいました。野生でも非常に減少していて、絶滅危惧種に指定されています。愛らしい生きものですから、霧多布岬には観光客がけっこういました。そして面白いことに人の存在に慣れた個体は人をよく見ているのです。私もカメラ越しに何度も目が合いました（笑）。ただ切り立った崖から見下ろすので肉眼だと豆粒のようでよくわかりません。見に行かれる方は、双眼鏡を持っていくことをおススメ致します！

駿河湾名物！世界最大のカニ
タカアシガニは美味しさも満足度もBIG！

タカアシガニというと、水族館でじっと動かない巨大なカニというイメージを持つ方が多いと思います。私もそうでした。ですから今回沼津市戸田（へだ）の取材で、地元の名物だと知り驚きましたし、また実際に頂いてその美味しさにも驚きました。そして味が美味しいのに加え、とても食べやすいのにも感動しました。殻からするっと身が取れるのです。世界最大のカニですから身もたっぷりで、一気に心もお腹も満たされる満足度の高いカニでした。実は以前図鑑でタカアシガニについて「身が水っぽく美味しくない」と読んだことがあったのですが、この情報は更新ですね（笑）。ただ鮮度が重要で、美味しく食べるための特殊な処理をするので、水揚げをする地元でないとあまり食べられないようです。沼津市戸田へ行く機会があったら、おススメです！

いかつい容姿ながら
人懐っこいコブダイ
その観察力にも感動！

館山の海のダイビングでは、ジンベイザメやコブダイと一緒に泳ぐことができて嬉しかったです。海の生きものの風格や神々しさを感じました。特にコブダイはとても興味深い魚でした。取材をしたさかなクンギャラリーには、さかなクンが飼っていたカンちゃんというコブダイが展示されているのですが、私が水槽に近づくと寄ってきてくれたのです。それは私が白衣を着ていたからだそう。さかなクンもいつも白衣を着ていますからね。館山の海では、案内をしてくださった荒川さんにコブダイの頼子さんがとても懐いていました。人それぞれの特徴をちゃんと見分けているその観察力、認知能力に驚きました。さすが大海原で何十年も生き延びる魚ですね。