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2019年2月23日 よる9時から放送
第1505回
新・世界遺産 長崎からバチカンへ
信じる心がつないだ奇跡
ミステリーハンター
宮地 眞理子
1978年2月27日生まれ。神奈川県出身。女優として映画、TVドラマ、舞台などに多数出演するほか、CM、雑誌等でも幅広く活躍。趣味はボディボードと映画鑑賞。「映画は本当に大好きですね」との言葉通り、映画雑誌に連載を持っていたこともあり、自身でも「RAILWAYS」('10年)、「誘拐ラプソディー」('10年)に出演。ドラマではTBS「温泉へGO!」('08)にレギュラー出演する。特技は、新日本舞踊、合気道。ミステリーハンターは今回で69回目(スペシャルの回は含まず)。
昨年世界文化遺産に登録された「長崎と天草の潜伏キリシタン関連遺産」。キリスト教が禁教だったおよそ250年間、密かに信仰を守り受け継いできた潜伏キリシタンへの関心が高まっています。日本のキリシタンとバチカンの知られざる繋がりを探ったミステリーハンターの宮地眞理子さんにお話を伺いました。
静かな村で連綿と受け継がれてきた信仰
そして現在のかくれキリシタンとは?
潜伏キリシタンについては、教科書で学んだ程度の知識しかなかったのですが、今回の取材で、さまざまな方にお話を伺い、改めて歴史的なことだったと実感しました。信仰が明るみになれば死罪になるかもしれないという状況で、宣教師もいない、教会もない中で、250年もの間信仰が絶えなかったというのは、本当に凄いことですよね。それを知ったローマ法王が奇跡だと感激したというのも納得です。
世界遺産に登録された集落では、潜伏キリシタンの方たちが、見つかることがないように工夫を凝らして作った信仰の道具を見せて頂き、祈り方などを教えて頂きました。美術展などで見るキリスト教の祈りの道具は豪華絢爛なものが多いですが…、今回見せて頂いたものは素朴なものばかり。ですが大名でもなく豪商でもない人たちが、信仰のためにできる限りを尽くしてきたことを感じていただけると思います。
また、平戸市生月島ではキリスト教が禁じられていた時代の信仰の形を今も受け継いでいる、かくれキリシタンの方たちを取材しました。特に印象的だったのは、代々口伝えでかくれキリシタンの方たち唱えてきた「オラショ」です。オラショは、謎多きお唱えだったのですが、近年そのルーツが判明するなど、注目を集めています。そしてそんなオラショを世界に紹介しているのが、世界的指揮者、西本智実さんです。西本さんのご先祖は生月島ご出身で、オラショのルーツを知って非常に感銘を受け、それを世界に広めていきたいと思ったそうです。今回番組では、平戸で行われた西本さんのコンサートにも行ってきました。オラショのルーツがよくわかる構成になっていて、見所のひとつです!
密かに交流があったバチカンと日本のキリシタン
そしてバチカンの大聖堂で甦った聖歌とは?
禁教時代に信仰を代々守ってきた潜伏キリシタンの方たちの存在が明らかになったのは、約200年前。それはバチカンにとって衝撃的な事実で、信徒発見と言われました。ですが、実は禁教時代の1620年頃にも密かにバチカンとキリシタンには交流があったのです。その事実の証である驚くべき文書がバチカンの図書館に保存されていて、今回特別に公開して頂きました。
そしてバチカンのサン・ピエトロ大聖堂で行われたミサに特別に参列させて頂きました。ミサでは、西本さんの指揮で聖歌が演奏されました。詳しくは番組でお楽しみ頂きたいと思いますが、演奏されたのはオラショによって甦った聖歌なのです。とても素晴らしい演奏でしたし、歴史ある荘厳な寺院で聞く聖歌は、また特別ですね。音楽に包み込まれていくような安らぎを感じました。
また、現在のフランシスコ法王が世界中の人たちから敬愛されている様子もご紹介しています。バチカンのお土産屋さんにはとてもチャーミングな法王グッズがたくさんありました。私もお土産に法王のフィギュアを買いました。今年フランシスコ法王は来日し、長崎にいらっしゃるそうです。世界遺産に登録されたことで長崎は盛り上がっていますが、益々日本のキリシタン文化への注目が高まりそうですね!
こぼれ話
ミステリーハンターの宮地眞理子さんの意外な初体験。そして長崎市外海(そとめ)地区の発展に尽力し、今も地元の方々に敬愛されている宣教師ド・ロ神父にまつわる施設とレストランをご紹介いたします。
ミステリーハンターが今回で69回目の
宮地眞理子さんが初めて訪れた場所とは!?
これまで「世界ふしぎ発見!」では、様々な場所を取材させて頂きました。個人の旅では行けないような場所へもたくさん行かせて頂きましたが、実はローマは今回が初めてだったのです!見たことのない絶景を目にするのも感動ですが、映像では何度も見ていた場所へ来た!というのもまた感動ですね(笑)。今回の取材のメインはバチカンだったので、それほど多くの場所へ行ったわけではありませんが、嬉しかったです。そしてローマ発祥のカルボナーラが、とっても美味しかったです。濃厚なイメージのカルボナーラですが、意外にさっぱりしていたのが印象的でした。黒コショウが効いていて、これが本場の味かと感激しました。初めてのローマ、思い出の味ですね。(宮地さん)
ド・ロ神父の功績を知ることができる施設と
神父ゆかりのメニューを提供するレストラン
番組でパスタが名物としてご紹介した世界遺産の地、長崎市外海(そとめ)地区。そのパスタの作り方を伝えたフランス人宣教師、マルク・マリー・ド・ロ神父の足跡を辿ることができる場所があります。それが旧出津(しつ)救助院。優しいシスターや信者さんが親切に案内してくれます。そして救助院の隣にある「Tabedokoro ヴォスロール」というレストランでは、ド・ロ神父を偲ぶ料理も味わうことができます。(担当ディレクター)
●旧出津救助院
住所:長崎市西出津町2696-1
運営時間:火〜土曜 9時〜17時(入館は16時30分まで)
日曜 11時〜17時
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)
●Tabedokoro ヴォスロール
住所:長崎市西出津町2696-2
営業時間:11時〜16時30分
定休日:月曜 ※予約があればオープン
※この情報は2019年2月のものです
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