一年前のいまを思い返してみる。
全ての映画館、劇場は閉鎖、
花見も卒業式も自粛、行動の自由を奪われ、国は閉ざされた。
世界中の人々が時を同じくして互いに距離を取り合い、
通常生活が一時停止する体験をし、同じ不安や恐怖を感じ、ネットで情報をたどった。
しかしあの頃は、こんな状況がいつまでも続くわけはないと根拠のない楽観もあった。
一年経ったいま、非日常な習慣に慣れ、マスクもテレワークもオンラインも当たり前、
どうやら世界規模なパンデミックはまだ終わりそうにない、絶望にも慣れてきた。
この荒涼とした世界で感情が死なないよう、
音楽を、映画を、文学を、芸術を、文化を必要としている人たちがいる。
そして自らの感情を枯らさぬよう、創り続ける人たちがいる。
今年も感情揺さぶられる作品がアジア各地から集まることを確信している。

DigiCon6 ASIA は国や地域を越えて、
映像に関わる様々なアジアの人たちを引き寄せ、溶け合う場でありたい。
いつの日かパンデミックは終息し、人々は再びドアを開け、外に出て行く。
手をとり、つながりを取り戻す日が必ず来る。

皆さんに笑顔で逢える日を夢見て、2021年23rd DigiCon6 ASIA の開催を宣言します。

DigiCon6 ASIA フェスティバルディレクター
山田亜樹