ニュースの視点

ニュースの視点 午後3:00〜4:00 再放送 同日午後9:00〜10:00

事件・事故や政局、環境や教育問題、経済の動向から国際政治まで・・・。限られた時間では、伝えきれない事実や真実、捉え方があります。「ニュースの視点」では、時事問題の中から毎日一つのテーマを絞り、時にはゲストや専門家を招いたり、現場から生中継を繋いだり、TBS NEWSのキャスターが、政治部、経済部、社会部、海外特派員などの現役記者や解説委員と共に、ニュースの本質に迫ります。

2021年02月放送

2021年02月24日放送

#2576「死刑を免れた受刑者たち」

解説:「報道特集」巡田忠彦 記者
キャスター:黒田菜月

【テーマ】
2004年の法改正後、有期刑の最高が30年に引き上げられたため、無期懲役囚は、仮釈放までに最低でも30年の服役が必要になりました。獄死するケースも多い中、仮釈放された受刑者はどう生きていくのでしょうか。また、初めて女子刑務所の無期懲役囚を取材、その実態について聞きました。

【放送後記】
「生きて出たい」「いくつになっても生きててよかった」。人の命を奪った人間の口から、このような言葉が出てきたことが衝撃的でした。87歳の無期懲役囚も、刑務所の中で体を鍛えています。生きるために、人はどこまでも貪欲になるものだと実感させられました。また、無期懲役囚たちは記者の質問に対して、淡々と答えます。「無期です」「強殺です」自らの名前や年齢を答えるかのように、スラスラと出てきます。犯行に至った理由も「自分の心が弱くてやってしまいました」と。?彼らは反省しているのだろうか?それが私にとって大きな疑問として残りました。それを巡田記者に尋ねると、長い刑務所生活の中で受刑者たちの気持ちが変わっていくのではないかとのことでした。
最初は反省、次は後悔、仮釈放が見えてくると生きたいと願う気持ち。更生保護施設・古松園の岩戸園長と受刑者の面談の様子を見ても、たしかにその心情の変化を感じ取れる発言もありました。私はそれを聞いて、納得する一方で、「反省」や「償い」とはなんだろうかという新たな疑問も生まれました。結局私の中では、様々な疑問が沸き、それに対してすぐに答えは出ませんでしたが、ただ同じ空の下で生きる人間として考えなければならないことがたくさんあると感じました。(黒田菜月)

  • この記事の写真
  • この記事の写真

2021年02月18日放送

#2575「映画館に行こう」

ゲスト:アナウンサー 宮内鎮雄さん
解説:「報道特集」金平茂紀キャスター
キャスター:釜井美由紀

【テーマ】
新型コロナウイルスの感染拡大をうけて2回目の緊急事態宣言が発表されてから1か月余り。映画館や劇場も、営業時間短縮や座席の間引きなど、さまざまな対応を余儀なくされています。こんな時期ですから“ぜひ行ってください!”と、大声では言いにくいのですが・・・今回はそっと応援させていただきたいと思います。

【放送後記】
新型コロナの影響が続く2021年、映画業界も依然として厳しい状況が続いていて、緊急事態宣言は2回目の今のほうが1回目の時以上に苦しいという声も、映画関係者からは聞かれています。今回、西川美和監督のインタビューも交えて紹介した映画「すばらしき世界」。元殺人犯で13年ぶりに出所した、役所広司さん演じる主人公・三上の再出発の物語です。三上はなんとか真っ当に生きようと奮闘するも、思うようにいかず・・一度過ちを犯した人間の生きづらさが描かれる一方で、それに手をさしのべてくれる人たちの温かさも描かれています。すぐカッとなるが、困っている人を放っておけない心優しい三上の二面性を、役所広司さんが表情豊かに演じていて、その圧倒的な演技力に脱帽しました。収録日は2月でしたが、金平キャスターも、今年の邦画ナンバーワンだろう!と太鼓番を押していた作品で、ぜひ劇場で観ていただきたいです。他にも宮内さんおすすめの「あのこは貴族」、金平さんおすすめの「私は確信する」など、早速観たい作品が沢山ありました。“映画館で”映画を観られるありがたみを感じる今だからこそ、私もしっかり感染対策をして、劇場に足を運びたいと思います。(釜井美由紀)

  • この記事の写真
  • この記事の写真

2021年02月06日放送

#2574「アジアの映像制作最前線〜22th DigiCon6 ASIAによせて〜」

ゲスト:ポリゴン・ピクチュアズ代表 塩田周三さん
キャスター:釜井美由紀

【テーマ】
アジアの16の国と地域から優れたコンテンツクリエイターを発掘することを目的としてTBSが主催する短編映像コンテスト「DigiCon6ASIA」。そのアジアのナンバーワンを決めるアワードが去年11月に東京・丸の内で開催されました。今回はどんな作品が選ばれたのか、また、アジアにおける映像制作の最前線について聞きます。

【放送後記】
22回目を迎えるショートムービーのコンテスト「DigiCon6ASIA」。今回は16の国と地域から約1200点の応募があり、昨年11月に授賞式の取材に行ってきました。 例年は各国の候補者が一堂に会して行われていましたが、今回は新型コロナの影響で、初のオンライン授賞式。各国の候補者はビデオ通話で参加し、CGによるトロフィー授与の演出があるなど、臨場感を感じられるような工夫が凝らされていました。今回グランプリを受賞したのは、香港の作品 「Dragon’s Delusion: Preface」。サイボーグやアンドロイドが人間と共存する世界を描いています。スタジオで解説してくださった塩田さんは “グランプリに選ばれる作品は、作品そのものの力強さ・熱量を感じる”とおっしゃっていましたが、まさにこの作品はそう感じさせる独特な世界観があり、何度も見たくなる不思議な魅力のある作品でした。他にも、手の込んだ撮影方法の作品、斬新なアニメーションテクニックを駆使した作品など見応えがあり、アジアの映像制作のレベルの高さを感じました。参加国が年々増えていくなかで、次回もどんな作品が見られるか とても楽しみです。(釜井美由紀)

  • この記事の写真
  • この記事の写真

これまでの放送一覧