2019年11月26日放送
#2561「ダウン症」と「形質細胞性白血病」2つの病に立ち向かうことから学ぶ
ゲスト:玉井真理子さん(信州大学医学部保健学科准教授)
解説:小嶋修一解説委員
キャスター:米澤かおり
【テーマ】
「何が何でも、生き延びて」
そう願う母親は、「ダウン症と難病の血液がん」という2つの病を抱えた息子から片時も目を離すことができない。
このような特殊でまれなケースに身をおく患者やその家族はどう向き合うのか、また行政などに何が求められるのか。
母でありながら臨床心理士で医学部で生命倫理などを教える医学に携わるプロでもある玉井真理子さんとともに「医療のスキマ」を考える。
【放送後記】
ダウン症と発症が非常に珍しく治療法が確立されていないという難病「形質細胞性白血病」を患った玉井拓野さん。
看病の合間を縫って母親の真理子さんにスタジオにお越しいただいたのは、真理子さんの「息子が?ここにいる?ことを知ってほしい」という強い願いからでした。
知的障害があって症状をうまく言葉で伝えられなかったり衛生を保てなかったりと、ダウン症であるがゆえの大変さを話していただきました。
一方で救われることもあるといいます。たとえば拓野さん本人が病気を自覚していないこと。
これまでと変わることなく持ち前の明るさを発揮し、周囲への愛情表現も欠かさない様子から、真理子さんは拓野さんを「元気な重病人」と表現していました。
その明るさは真理子さんはじめご家族や病院のスタッフなど、拓野さんとともに病と闘っている多くの人にとっても?生きる希望?になっているのではないかと感じました。