2019年08月13日放送
#2558「『見えざる人々』に目を向ける」
解説 :「報道特集」金平茂紀キャスター
キャスター:壽老麻衣
【テーマ】
一時期に比べ報道の量が少なくなったかにも見える中東をめぐる様々な問題。今盛んに報じられるイランとトランプ政権の対立をめぐる報道の真下で、少し前までは盛んに報道されていた難民・移民・貧困などの問題はまだ何も解決していません。そんな中、中東をめぐる問題を描いた映画「存在のない子供たち」と演劇「朝のライラック」が注目を集めています。いずれも「社会から置き去りにされた人々」「見えざる人々(Invisible People)」を捉えた作品です。これらの作品を手がかりに「『見えざる人々』に目向ける」ことについて考えます。
【放送後記】
映画「存在のない子供たち」は、弱者の視点から移民や難民、貧困などの社会問題にスポットを当て、いま中東が抱えている現状を伝えています。観ていると、胸がぐっと締め付けられるような、苦しい気持ちになりました。実際にシリア難民だったゼインくんが主人公を演じることによって、よりリアリティを持って、観る人に現状を訴えてくるのです。難民、移民、人身売買や強制結婚など、日本に住んでいるとどうしても、それらの問題は遠い国の出来事のように感じてしまいますが、そうではないという意識を持っていきたいと、新たな気づきとなりました。
(壽老麻衣)