2017年10月19日放送
問いかけられた「差別社会」~相模原障害者殺傷事件の1年~
地上波2017年8月18日OA
ディレクター:西村匡史,菅原佐和子(TBSテレビ報道局)
【内容】
「『差別社会』が事件の一つの要因だと思う」
あの事件から丸1年となる7月26日、尾野剛志さんは、現場となったやまゆり園の前できっぱりと言った。障害がある一矢さんを、妻のチキ子さんとともに手塩にかけて育ててきた。だが「障害者なんていなくなればいい」と言った男の犯行で、一矢さんは、一時、意識不明の重体となった。
現場が障害者施設であることなどを理由に、警察が被害者の名前を発表しなかったこの事件。19人の犠牲者について、ほとんど語られることはなかったが、1年が経過し、1人の遺族の男性が、亡くなった娘の7枚の写真を公開してくれた。
「コミュニケーションは取れていたのに・・・」。男性は無念の思いを静かに語った。
殺人罪などで起訴された植松聖被告。記者との4通の手紙のやりとりを通じて、なぜ、差別的な思考をもつに至ったかなどを詳細に記した。
問いかけられた、「差別社会」とどう向き合うのか。
「被害者家族」と「加害者」の1年を取材した。
2017年10月26日放送
おしえてよ亀次郎
地上波2017年8月25日OA
ディレクター:佐古忠彦(TBSテレビ報道局)
【内容】
昨年8月、前身番組「報道の魂」のスペシャルとして放送した「米軍が最も恐れた男~あなたはカメジローを知っていますか」。
いまも沖縄の人々が愛し、求めている人物。それが瀬長亀次郎だ。
沖縄戦後の米軍占領下で、その圧政に立ち向かい、民衆の先頭に立ち祖国復帰を叫び続けた。人権も顧みられず、基地建設のために土地を奪われた暗黒時代に、亀次郎は民衆の希望だった。それから60年の時を超え、基地問題に苦しむ地続きの歴史の中で、亀次郎のような存在は、なお求められている。
そんな思いから生まれたのが、ネーネーズの楽曲「おしえてよ亀次郎」だ。その誕生秘話を沖縄民謡界の大御所・知名定男が明かす。
どんな弾圧にも屈せず、「不屈」といわれたのが亀次郎だが、家庭では洗濯を金盥で毎日行う意外な一面を持ち、半世紀以上前に「女性が輝く社会」の実現を訴えていた。そんな亀次郎を支えた妻・フミとのエピソードから、「おしえてよ」と現代の人間が教えを乞う、不屈の男のもうひとつの顔を浮き彫りにする。