CSR

活動報告
国際貢献

2022年1月12日

11/20 丸ビルホールにて 23rd(2021年度)
DigiCon6 ASIA Awards が開催されました。

MC:出水麻衣(TBSアナウンサー)サヘル・ローザ  喜入友浩(TBSアナウンサー)

季節は巡りコロナ禍3度目の冬、今年もまたアジアの皆さんと東京で集うことは叶わなかったけれど、私たちは歩みを止めることなくコンペティションを行いました。国内はこれまでで最多の453作品、アジアトータルでは1430作品の応募がありました。アジアの頂点を決める受賞結果と授賞式の様子を報告させていただきます。まずはこちらをご覧ください。

アジア14地域のDigiConファミリーのクリエイターたちが作った、1本の線で始まり1本の線で終わる7秒映像をつなげてひとつの作品を紡ぐピースプロジェクト 今年で3回目、いまはまだ逢えないけど、またきっと逢える日がくる、そのときはたくさん語ろうね、騒ごうね、楽しもうね、そんな思いを込めたテーマは・・ ”Let’s Party!“

アワードセレモニーのテーマも”Let’s Party! “ 本来ならば同じ空間、祝祭の場にいるはずの受賞者の皆さんはオンラインで参加。丸ビルホールにはポップでカラフルなセットが組まれ、<around and around…>音楽担当のHei Tanaka (元SAKEROCK田中馨を中心に実力派メンバーが集まった話題のバンド)がライブ出演、オープニングからファンファーレ、すべて生音で演奏、さらに女性だけのユニークなダンスカンパニー、プロジェクト大山も加わり、華やかに授賞式を盛り上げてくれました。

DigiCon6 ASIAを統括する玄馬チェアの力強い開会挨拶で開幕。

「TBSは今年5月に、10年後こうありたいという姿をTBSグループVISION2030という形で公表しました。なりたい姿とは<メディアグループからコンテンツグループへ>そして<コンテンツを通じて幸福で持続可能な世界を作る>と言うものです。Digicon6 ASIAを通じて、アジアのコンテンツ・クリエイターの皆さまと、今まで以上に何をどのように取り組んで行けばよいのか、まだ私自身、答えを出せていません。しかし受賞されたコンテンツを拝見していると、共に進む、その想いが、ますます強くなったのは紛れもない事実です。そんな素敵なコンテンツの数々に心の底から敬意を表します。」

審査員賞 「高野交差点」 伊藤瑞希/日本

メインの賞、作品、作品へのコメントをご紹介します。まずはこちら。
審査員たちの心に残り、どうしても賞をあげたいという強い思いから生まれた賞。

中野量太監督(「湯を沸かすほどの熱い愛」「長いお別れ」「浅田家!」)のコメント
「最初作品を見た時、僕が実写で撮りたい、実写向きのシナリオだと思いました。でも、よくよく考えると、あの柔らかな絵のタッチや、光の陰影、イノセントな世界観は、アニメーションだからこその武器であり、実写では出せない味なのだと気づきました」

That‘s Entertainment! 「BATTERY DADDY」 JEON Seungbae /韓国

共感、笑い、世界の人々の心を動かすことができるエンターテインメント作品に贈られる賞

松本紀子(株ドワーフ・プロデューサー「どーもくん」「リラックマとかおるさん」)のコメント
「映像を見ることは楽しいものだということを存分に表してくれた1本でした。ショートフィルムは、個人的な思いを込め、社会問題さえも反映して、シリアスで重いものが多い中、この作品はむしろ異彩を放つ“飛び切り楽しい”作品でした。作る喜びにあふれた、この可愛らしいコマ撮り作品が力強く評価されたことをとても嬉しく思います」

ASIA Next Generation 「Story of a beginning」 BALALAM J /インド

今後の映像界に影響を与えるひとりとなることを期待して若い作り手に贈られる賞

伊藤有壱さん (東京藝大教授・アニメーション監督「ニャッキ!」「ハーバーテイル」)のコメント
「水彩画のような美術表現がとても気持ちよく美しい。だから、観客である私は作品のテーマである「水」を絶えず感じながら子供達と共に、川の始まりを探す小さな旅に出かけることができました。生命と水、人間との関わりについて大切なことを気づかせてくれる作品です」

ASIA Silver/優秀技術賞 「Out of Darkness」 Zhou Yangjian/中国

表現とマッチした手法で、チャレンジングな技法に贈られる賞

塩田周三さん(株ポリゴンピクチュアズ代表取締役CEO)のコメント
「まず素晴らしいストーリーに共鳴しました。昨今の中国、特にテクノロジー面での躍進は失敗を恐れないグラディエーター精神である、元Google Chinaの言葉を思い出し、この作品は単なるフィクションではなく現代の中国の世相を巧く描いているのではと感じました」

ASIA Silver/アジアからの視点 「Tangle」 Malihem Gholamzadesh/イラン

キャレン・セヴァンズさん(映画ジャーナリスト、教育者)のコメント
「息をのむような美しい作品でした。 記憶を糸で表現、戦争で故郷を奪われた難民たちの絶望と喪失と祈りを7分間で描き切りました。国境にたどり着いたとき、彼女にからまった糸が切れるシーンでは、胸が張り裂ける思いでした。世界中のひとに、いま見てほしい映画です」

ASIA Gold 「Girl and Cloud」 Shokir Kholikov/ウズベキスタン

安藤紘平さん(映像作家・早稲田大学名誉教授)のコメント
「まるでゴッホの絵が動き出したような、独特な強さのある世界で繰り広げられる、何とも繊細で愛おしくも哀しい愛の物語、本当に心打つ作品でした。

ASIA Grand Prize 「骨嚙み」矢野ほなみ/日本

杉野希妃さん(女優・映画監督・プロデューサー)のコメント
「心に響き、涙しました。ストレートで真摯な表現に心奪われました。矢野さん自身の過去のパーソナルな体験を、大仰に語るのではなく、その時の想いをその当時のまま伝えようとすることで、観客自身の体験と自然に結びついてユニバーサルな表現になっているという点に、驚かされました。点描という非常に労力を要する表現で人物を大胆に動かしながら、感動を狙うのではなく、淡々と綴られていて、非常に成熟した語り口だと思いました」

ラストは審査員を代表して、塩田周三さんのコメントで締めくくられました。

「すべてオンライン、クリックひとつで国境を越え、人々が集う。会議室に移動する必要もない。楽だ。でもこれで良いのかな、という気もする。わざわざ電車や飛行機に乗って、重い荷物を抱えて何処かに行く。そこまでの道のり、間、会いたい人やイベントの周辺にある環境、空気が実は面白い。利便性やスピードに傾倒しがちな世界に対して、真逆なこと、不合理なこと、不便なこと、理不尽なこと、一見無価値のようで人間らしいこと。そういうことを大事に、物語として紡いで世界に訴えかけて欲しいと思います。来年はきっと、この会場で逢いましょう」

2年続いたオンラインのアワードセレモニー、新しいことにチャレンジしている喜び、発見もたくさんありましたが・・どうか来年はリアルに、受賞者たちと笑顔で逢えますように。
「おかえり」「ただいま」そう言いあえるような映画祭でありたいと思います。

◎授賞式映像はこちらから見ることができます。

◎23rd DigiCon6 Japan/ASIA受賞作品はこちらの特設サイトから見ることができます。

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