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国際貢献

2020年12月23日

アジア16の地域から、ヴァラエティ豊かで
エッジの利いた作品が揃いました。
〜DigiCon6ASIA結果報告④最終回はASIA Silver各賞〜

いよいよ最終回の今回は、Gold以上にカッティングエッジな作品が揃うと評判の各国Silver諸作。その中からASIA各賞に輝いた作品を紹介します。例年以上にヴァラエティに富んだラインナップになりました。



まず、昨年に続き2年連続ASIA Grand-Prize作品を輩出した香港からはSilver Asia-Perspective(アジアの視点)に

『山海歴険Mountains And Seas - Village of Muds』Nic Ho

が入賞。旅人マイクと相棒の石(!)が往く先々で騒動に巻き込まれる冒険譚。かわいらしいルックに騙されてはいけない!毒ある風刺がブラックな笑いを呼ぶナンセンス・コメディ。



一方、こちらも上位常連の韓国。
ASIA GoldのほかSilver Innnovateive Art(芸術賞)に

『The End of the Universe』 HAN Byung-a

が入選。余命宣告された主婦が身の回りの社会を見つめなおす…という繊細なテーマを、ファンシーな動物キャラで、という一見ミスマッチな手法で描きました。高いハードルを軽々と越えていくその卓越したセンスには審査員一同舌を巻きました。

*予告編のみ



毎年エッジの利いた作品を送り込んでくるインドネシアから今年は、ドキュメンタリー・アニメ

『AMBULANCE』Febryo Valentino & Ashariah Shofura Wijaya (Dynamotion)

がNext Generationに選ばれました。ドキュメント←→アニメと聞くと一瞬、言語矛盾をおこしているように感じますが、これは昨今ときどき見られる注目の手法。緊迫感溢れる救急車の現実音に合わせアニメーションでイメージを膨らませています。



一昨年のGrand-Prix作品を輩出したインドも

『Meow Or Never(ミャオ・オア・ネヴァー)』 Neeraja Raj

がSilver Best Technique(技術賞)に。生きる意味を求めて宇宙を旅するネコの大冒険を描いたミュージカル…と、文字の説明ではちんぷんかんぷん?かとは思いますが、ストップモーションアニメの優れた伝統があるイギリスの大学で学んだことが窺える見事なエンタメ作品。笑いのセンスもどことなくモンティ・パイソン風?

*予告編のみ



一方、気になるわれらが日本勢ですが、
第1回の記事ですでに紹介済みのスラップスティック・コメディ
『私にティッシュをください。』田邊 馨
がThat’s Entertainmentに。



これぞ超実写?映像専門学校の雄HALの学生チームによる驚異のフルCG作品
『OASIS』WASABIMELON
がSpecial Mension(審査員特別賞)に。



自作自演の楽曲に自らアニメーションで映像をつけた…三刀流? シンガー・ソングライティング・アニメーター?
『知らないなんてもったいない』やまちさ
がMarunouchi Prize(丸の内賞)に。



と、日本勢も堂々3作がアジアの舞台で気を吐きました。
『OASIA』と『知らないなんて〜』はSDGsの文脈でも注目されました。

最多16の地域が参加した今大会。終わってみれば、香港、韓国、インドネシアと実績ある地域の映像リテラシーの高さが強く印象付けられました。しかし、アジアの映像界の進歩のスピードは想像以上。いつどこからまったく新しい才能や斬新な手法が飛び出してくるか全く目が離せません。

次回はコロナも収束し、また日本中からまたアジア各国から受賞者が東京に集まれることを願いつつ、また来年をお楽しみに!

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