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原作者インタビュー第2回

――ベタを使ってのコントラストの表現がスタイリッシュで印象的なんですが、その辺は作品のテイストに合わせて考えられたんですか?
光永:これも企画段階に担当の増田さんと話しあって、どういう画面にしようか、と。
僕的には、入れ込んでいたので、作風とか何でも、作品が良くなるなら、変えることに抵抗はなかったですし。
ドンドンやっちゃおう、みたいな。 あと、単純に女の子を描くのは、そんなに得意ではないので(苦笑)
なるべくそういうベタの使い方や背景とかで作品の雰囲気が作れるなら、そこの力も借りようと。
――こういう作画は大変ですか? 明暗のバランスを取るのが難しいように思えるんですが……。
光永:いや、慣れてしまえば、意外と大丈夫ですね。あんまりビビらずに、ドンドン塗りつぶす。
とにかく……。最初の頃はやっぱり意識して、黒く!黒く!黒く!黒く!って。
今は割と、慣れてしまったので、そういう感じでもないですけど(笑)。
アシスタントさんにも、とにかく「黒くして! 黒くして!」と。

第1話は野犬だけヘルプの方に描いて頂いて、後は大体、自分一人で描いたんですけど、
アシスタントの人にお願いするにしても、ベースが無いとお願いしようが無いもので。
とりあえず第1話は、自分なりに、こういう画面かなと、ほぼ全部一人で描いてみました。
――描いていて描きやすいキャラは誰ですか?
光永:まずは、リザですね。次は、令裡です。 絵にしてもキャラクターにしても、割とはっきりしてるんですよね。
特にリザは動かしやすいです。やっぱり、話に勢いをつけてくれるので。
令裡は、初めてヒロに事情を語ってくれるキャラクターとして登場してくれたので。説明キャラ的な面もあります。
それまでは、誰もヒロに事情を教えてくれませんでしたからね。
――全体像の隠し方も上手いですよね。
光永:そういう風に読んで頂けると、こちらとしても大変ありがたいです。
キャラクターのお芝居の方を、限られたページ数の中では優先してしまうんです。
そうすると必然的に、ほんとだったら言ってなきゃいけない事でも言えない事とかが
いっぱい出てくるんですけど……「まぁ、イイか!」と(笑)。

増田:今回は後回しにしよう、みたいな結論が割と多いですよね(笑)。
光永:第1話でしなきゃいけない説明とかが、2巻3巻でようやく小出しに出てきたみたいな展開になっていると思います。
――逆に、作品的な広がりが感じられました。
光永:そう思って頂けると、有難いですよね……。
『怪物王女』には、王族の入り組んだ設定みたいなものも色々あるんですけど、
姫を初めとするキャラクターをまず見せたい、っていうマンガですから、自然、そうなっていきましたね。
――洋画のテイストを感じるんですが、お好きですか?
光永:そうですね。あと、海外ドラマが好きです。
『スター○レック』全般と、あとは、『ホミ○イド殺人捜査課』、『CSI:○学捜査班』、 『OZ/オ○』……それと『L○ST』! 
今、メチャクチャはまってるんです。
――モンスターも洋画のホラーっぽい感じがするのは、その辺りの影響ですか?
光永:ええ、影響は強いですね。でも、デザインワークは得意じゃないので、その辺はちょっと探り探りな感じでやっています。
コンセプト的なネタとしては、ハマー・フィルムのモンスターを、80年代以降の悪役が使うような武器で倒す。
古典ホラーネタと現代ホラーネタのぶつかりあい。チェーンソー対吸血鬼ドラキュラ……ノリはそんな感じです。
増田:病院の回(1巻第4話『電撃王女』)も、サム・ライミ監督の映画「XYZ○ーダーズ」で、電気を使った殺し屋がいたから、そこから何かやれないか?と。
光永:初期はそうでしたよね。新旧ホラー対決!でもそれは、速攻でネタ尽きるんですよね!(笑)。
基本的に1話完結ですから、その辺は腹を決めて、もう、毎月ネタを思いつくしかないです。
――連載が続いていく部分で、作品の世界観もドンドン広がりつつありますが……
光永:とにかくいたずらに広がり過ぎないようには、気を付けています。あんまり大きい話は、手に負えなくなっちゃうので……。
大河ドラマみたいに、毎週たっぷり尺があれば、相手サイドの描写とかもドンドン入れられたりできるんだけど、
月刊ペースだとなかなかやっぱり、そういう展開は難しいんじゃないかな、と。
元々は、多人数の多視点で回していくドラマが、僕は視聴者の立場では好きなので、 そっちを凄くやりたくなっちゃうんだけど、むしろそうさせないように自分で抑えてやってるといいますか……。
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2007.03.23