発売中の「アニメディア4月号」
(学研プラス刊)に
掲載されているインタビュー記事の中から、
未公開部分をご紹介!
—— それぞれの役について、どんな印象をお持ちですか?
竹達私はオーディションを受けるときに原作を読ませて頂いたのですが、読んだ段階で私の推しが二乃だったんです。それで「二乃をやりたい」と思っていたので、受かったときはすごくうれしかったです。
—— 二乃のキャラクターは“竹達さんらしい”と評判です。
竹達普段は、あんなにツンツンしていないですけど(笑)。
—— 伊藤さんは、五つ子のうち誰が気になっていましたか?
伊藤私も、最初から三玖でした。まず名前が「みく」で「私と一緒だ!」と思って気になって。原作を読んで、ますます三玖を演じてみたいと思っていたので、合格したときは運命みたいなものを感じました。「この子の役ができるんだ!」って、すごくうれしかったです。
—— 伊藤さんは、今まで演じられた役とは少し違ったタイプの役だと思いました。
伊藤確かにそうかもしれないです。けっこう元気な女の子を演じることが多いので、三玖のようにミステリアスでクールな子を演じるのは挑戦でした。それもあって1話はすごく緊張したんですけど、話数を重ねるにつれてどんどん五つ子の絆が深まっていくのが感じられて「今日も早く五つ子になりたい!」と、毎回アフレコ現場に行くのが楽しみでした。
—— “美来”と“三玖”で、混乱することはなかったですか?
伊藤現場では役名で呼ばれることが多いので、最初は「三玖」って呼ばれると名前で呼ばれているみたいで、不思議な感じがしましたけど……。逆にすごくシンプルでいいです。22年間呼ばれ続けている名前ですから、呼ばれたらすぐ反応できるので!
竹達条件反射だね(笑)。
—— そんなおふたりが共演するのは、久しぶりだそうですね。
竹達はい。個人的に美来ちゃんのことは10代のころから知っているので、久しぶりにご一緒できたのがすごくうれしかったです。前の作品でも一緒にキャラソンユニットをやったんだよね?
伊藤はい。そうでした。
竹達そのときもOPテーマを一緒に歌って、イベントで一緒にステージに立ったりもさせていただいたんです。だから今回も一緒にOPを歌って、すごく懐かしくてうれしかったです。そのときは、アイドルユニットだったんだよね。
伊藤はい。4年前くらいだと思うんですけど、そのときのことを覚えていてくださったのが本当にうれしかったです。またこうして共演させていただけて、それも今度は家族の役でご一緒できてすごくうれしかったです。
竹達私もうれしい!
—— 原作コミックを読まれているとのことで、作品としての魅力はどんなところにあると思いますか?
竹達とにかく五つ子の個性が、すごく豊かなところですね。それぞれに違った魅力があって、誰かひとりを選べと言われても選べないくらい、みんなかわいいです。それに謎解きと言うか……過去に風太郎と会ったことがあるという“零奈”ちゃんは誰なのか? 冒頭にも出てきた“未来の花嫁”は誰なのか? ストーリーが進んで行くごとにヒントが与えられ、徐々に真実へと近づいていくところがすごく面白いです。そこについつい引き込まれて、原作コミックを読んだときも「早く次が読みたい!」という気持ちになって、気づいたら一気に読んでしまっていました。
伊藤展開が進んでいくに連れてわかっていくことがある一方で、謎が余計に深まる部分もあって、私も原作を読んですごく引き込まれました。それに、風太郎が家庭教師としてどうやって五つ子を勉強させるかも見どころだし、五つ子それぞれのキャラクターの違いによって、風太郎との関係性が変わっていくところは、観ていてキュンとしたりハラハラしたりします。私としては、五つ子のなかでも一花と三玖のかけ合いがドキドキします。
—— あんな五つ子に囲まれて、風太郎がうらやましいです。
伊藤私も「風太郎になりたい!」って思いながら、アニメを観ています。でもあんなに頭がよくないから、私に家庭教師はできないけど(笑)。
—— 風太郎との関係性もどんどん変わってきていますが、三玖は序盤から風太郎に対して心を開いていましたね。
伊藤風太郎がいい人だといち早く気づくのが三玖で、アニメでは2話が三玖のお当番回でした。そのころはまだ現場に十分慣れていない時期だったし、三玖のセリフ量も多かったので、私としてはすごくドキドキして収録に向かった思い出があります。でも三玖がどんな子か、視聴者の方に知ってもらえると思って、演じていてすごく楽しかったです。
—— ボソッと話す感じですが、演じるうえで大変なことは?
伊藤大変というのはなかったです。一見ミステリアスでクールな印象の三玖ですけど、内面はすごく感情豊かでいろんな気配りもできるやさしい子です。その部分を声で、どうやってキャラをブレさせずに演じるか考えるのも楽しかったです。
—— 竹達さんが演じる二乃は、だいぶツンデレですね。
竹達演じている自分ですら、「そんなに冷たい反応をしなくてもいいんじゃない?」って思うときもあります(笑)。最初は飲み物に薬を盛ってタクシーで帰そうとするとか、風太郎に対して思い切り敵意むき出しですけど、それでもだんだん二乃なりに風太郎のことを認めて、柔らかい表情も見えるようになりました。そういうちょっとずつ変わる気持ちの変化を段階的に演じられて、すごく楽しかったです。
伊藤もう本当に竹達さんの声とツンデレキャラが合いすぎて、私も原作を読んでいるいち読者として最初に声を聞いたときは「二乃がいる!」と感動しました。
—— スタジオはどんな雰囲気ですか?
竹達けっこうのんびりした空気ですよ。みんなマイペースに過ごしていて、話すときは話すし、差し入れを食べたいときには食べるし(笑)。みんなすごくフラットで、スイッチを入れなきゃいけないような、変な気負いもないです。私はそういう感じだけど、きっとみんなもそうじゃないかな?
伊藤私もそう感じています。お互いに気を使っているようでは、自然な五つ子感も出せないと思うんですよね。みんなが自然体でいられて、しゃべりたいときにしゃべって、食べたいときに食べるみたいなのが家族だと思うし、そういう空気が自然とあるので、私はこの現場がすごく好きです!
竹達差し入れをいただいて、「食べる?」「私はあとで食べるからいいや」というようなやりとりがあって、そういうのがすごく家族っぽいですよね。私も、そういう気を使わない空気が好きだな。
—— まさしく五つ子なんですね。
竹達自然とそういう空気になっていました。
—— ただ、終わったときが寂しくなりそうですね。
伊藤五つ子ロスになりそうで怖いです(笑)。そのぶん一緒にいるときは、しっかり楽しもうと思っています。
—— 作品を録っていて、いちばん楽しいと思える瞬間は?
伊藤マイク前に5人で並んでかけ合いをしているときは、すごくワチャワチャしていて楽しいです。それこそ予告で「五つ子豆知識!」って、5人揃って声を合わせている瞬間は、五つ子感があってすごくうれしくて楽しい瞬間です。
竹達私は、アドリブを入れるときが楽しいです。決まったセリフはないのに、パッと出てくる言葉がすでに五つ子なんです。どんな返事が返ってくるかわからない面白さもありますし、自然に五つ子の会話ができあがっていて、そのときはすごく楽しいです。1話は、すごくわかりやすくアドリブが入っていたんじゃないかな。
伊藤二乃ちゃんが「ストーカー」って言うところとか。
竹達そうそう。エレベーター前で、二乃が「さっきのストーカー超気持ち悪かったね~」って話していたところは、ほとんどアドリブでしたよ。お祭りのシーンも、けっこうアドリブがあったよね?
伊藤お祭りにみんなで行くシーンの、「花火何時までだっけ?」みたいな会話とか。
竹達そういう自然な会話が、けっこうアドリブだったりするんです。この現場は、アドリブがけっこう多いよね。
伊藤すごく多いですね。
竹達打ち合わせなしのほぼ一発ですけど、誰かが言葉に詰まっちゃうところも見たことがないです。だからアドリブで困るとか、違和感があったとか、そういうことはまったくなくて。
伊藤だいたい二乃か四葉が、最初にしゃべりだすんですよ。
竹達うん。二乃と四葉が率先してしゃべって、ツッコミを入れたりとかね。観てくださる方も、どこがアドリブか考えながら観てもらっても面白いかもしれませんね。
—— 9話まで放送済みで、佳境ですね。
伊藤9話で一花に片思いする前田が出てきて、林間学校が楽しみだという話になって……ラストスパートです。
竹達10話からは、ストーリー的にみんなの関係性が一気に変わる、転換期に入るきっかけのお話になります。みんなで旅館に泊まって、一花が風太郎の寝顔を観ていて、それを五月が見てしまって「え!」ってなったり……。五つ子の関係性も少し変わり始めるので、ぜひ注目してほしいです。
伊藤林間学校では、だいぶ急展開がありますね。楽しみにしていてほしいです。
—— 最終話に向けての見どころは?
伊藤三玖の気持ちとしては、風太郎や一花とどう接したらいいんだろうと悩み始めます。三玖のなかでは、五つ子は全部平等でなければいけないと思っていて、そこで自分だけ一歩踏み出していいのか葛藤します。10話以降、そんな三玖が風太郎に対して、どんな風に想いを形にしていくのかが見どころになると思います。
竹達二乃ちゃんとしては、タイプの男子である金太郎くんとの出会いでラブな感じの展開もありつつ、ツンだけではないかわいい部分もたくさん見えてきます。気持ちの揺れ動きがすごく大きい展開になってくるので、そこを大事に演じました。ぜひツンじゃない部分での、二乃ちゃんのかわいさをみなさんにも楽しんでいただきたいです。
—— 今後を楽しむ上でのキーワードは?
竹達キャンプファイアーでしょうね。
伊藤そうですね。キャンプファイアーの話は前から出ていましたけど、二乃ちゃんや三玖だけでなく、みんながドキドキしてそのときを待っているという感じです。
竹達それに温泉回もあります。タオルで隠すのか謎の光なのか、そこは私たちもまだ知らないのでドキドキです。ぜひ楽しみにしていてください!
—— 中野家の五つ子として、おふたりも歌っているOPテーマ「五等分の気持ち」は、それぞれのキャラクターのかわいさが爆発していて好評です。今後5人で歌う予定もあるそうですね。
竹達はい! 私たち五つ子の誕生日である5月5日にイベントを行う予定で、そこで歌います!
伊藤歌詞の内容にも五つ子の個性が表れていますし、ライブではどんな感じになるのか今から楽しみですね。
—— イントロのセリフも生でやるんですか?
伊藤あれを生でやるのは、タイミングをとるのが難しそうですけど。
竹達大変そうなので、ちょっと考えさせてください(笑)。
—— 3月6日には、ソロ曲も収録したミニアルバムが発売されます。
竹達このミニアルバムは、1枚を通して聴いてみても、あまりキャラクターソングぽくないよね?
伊藤すごくおしゃれな作品です。きっといろんな方に楽しんでいただける作品だと思います。
—— 二乃が歌う「アイツとキミ~二度とない運命~」は、アップテンポのロックサウンド。最初に聴いたときの印象は?
竹達すごく二乃ちゃんっぽい歌だなって思いました。歌詞は、1番が風太郎に向けて歌っていて、2番は金太郎に向けたものになっています。レコーディングしたときは、1番は「本当に目障りだわ~」という気持ちで、2番は目をハートマークにして歌ったので、その違いを楽しんでほしいですね。作詞の結城アイラさんがディレクションをしてくださったんですけど、一緒に楽しみながらレコーディングしていたら、あっと言う間に終わってしまったという感じです。かけ声の部分とか、アイラさんから「今のいい!」って、何度も言っていただいて。「今のめっちゃよかった! 面白い!」「それ、いただきます!」って(笑)。
伊藤言いそうですね(笑)。
—— ロックっぽい曲調については?
竹達歌詞が二乃ちゃんらしいものだったし、曲としては力強かったりするような部分もあるんですけど、それも二乃ちゃんのツンツン度合いにすごく合っていると思ったし。曲としても、感情を込めて歌いやすかったですね。
—— 三玖は、ポップな曲調の「Lovely music ~三週間前までは白かった~」です。
伊藤歌詞は三玖の風太郎に対する気持ちがどんどん変化していく様子を繊細に表れていました。サブタイトルは「どういう意味かな?」って考えてしまうと思いますけど……たとえば試験問題に「好きな人は?」という質問があったら、3週間前までは回答欄は真っ白だったんですけど、今はそこにアナタの名前を書いちゃうよ! という意味です。三玖が一生懸命自分で決めて、ちょっと大胆に想いを伝えようとしている様子が伝わってくる歌詞なので、私自身も三玖と同じようにドキドキして歌いました。
—— それは風太郎が目の前に風太郎がいるような気持ちで、ということですか?
伊藤そうですね。“その耳で感じてほしい”というワードもあるので、できるだけ距離間は近くに感じられるようなイメージで歌いました。曲中に“ヘッドフォン”というワードも出てきたり、三玖のキャラクターのイメージが詰まっていて、お気に入りの曲です。
—— お互いの曲も聴かれましたか?
竹達全曲聴きました。全員そのキャラクターにぴったりの曲になっていて、三玖ちゃんの曲は、“La La La…”と歌っているところが、すごくかわいいですね。それこそヘッドフォンで聴きたいなって思いました。耳元で聴きたい! みたいな感じです。
伊藤私も全曲聴いて、二乃ちゃんの曲は、ツンとデレを一気に楽しめる曲だなって思います。二乃ちゃんというキャラクターの要素が盛りだくさんで、ぜいたくな感じもあります。アップテンポでかっこいいところは、曲としてテンションがあがるし、盛り上がれる曲だなって思いました。
—— では最後にアニメディア読者に向けて、メッセージをお願いします。
伊藤ミニアルバムは、キャラクターたちの個性豊かな楽曲が揃っていて、曲を聴くだけでどんなキャラクターかわかるようなものになっています。とてもおしゃれな楽曲ばかりなので、インストバージョンも含めて楽しんでいただけたらうれしいです。アニメもクライマックスに向けて、いろんなことが起こりますので目が離せません。最後まで五つ子の応援をよろしくお願いします。
竹達五つ子ちゃんは個性豊かで、ミニアルバムの楽曲もバラエティに富んだものになっています。歌詞も風太郎くんへの気持ちが繊細に描かれているので、歌詞カードを読みながら楽しんでいただけたらうれしいです。アニメも佳境ですのでぜひ最後まで、二乃、三玖と言わず全員を、中野家の五つ子を箱推しで応援していただけたらと思います。
インタビュー・文/榑林史章