SPECIAL(スペシャルコンテンツ)|貴族と執事から学ぶ!覚えておきたい“マナー講座”

日曜劇場『IQ246〜華麗なる事件簿〜』日曜日よる9時から

SPECIAL(スペシャルコンテンツ)|貴族と執事から学ぶ!覚えておきたい“マナー講座”

やんごとなき貴族の流れを汲む法門寺沙羅駆。そして、その執事・賢正。
彼らを参考にエレガントで美しい立ち振る舞いをお勉強しましょう。
職場、恋人とのデート、女子会など様々な場所で、ぜひ活用してくださいませ。

森良子プロフィール 全日本空輸株式会社にて客室乗務員として10年間国内線、国際線の乗務にあたる。また組織内では乗務の傍らチームコーディネーターとして新人や班員の育成指導及び、他部署へのCS推進活動などを行う。
退職後、改めてマナーや接遇について学び日本サービスマナー協会認定講師資格を取得。
客室乗務員としての経験やスキルを活かし、企業の新入社員教育やビジネスマナー講座、電話応対、接遇講座など幅広い講座を担当。またエアラインスクールの講師として後輩の就職支援活動を行う。
「マナーは思いやりの気持ちを形にしたもの」をモットーに日々研修を行う。

第10回

『IQ246』をご覧のみなさま、マナー講師の森良子です。
「必要なのはあきらめずに続けること」沙羅駆の言葉が深い最終回でしたね。
みなさま、いかがでしたか?

早いものでマナー講座も最終回を迎えました。
ドラマの中でディーンフジオカさんのマナー指導をやってみないか」とお話をいただき「やります!やらせてください!!」と意気込んでお引き受けしたあの日から3か月。
初めてのテレビ業界、夜間のロケでの「おはようございます!」の世界にマナー講師でありながら、ご挨拶が返せず不審な行動を繰り返し、独特な現場の空気感になかなか馴染むことができませんでした。
それでも「やらなければならない!」という正体不明の使命感のようなものにとらわれ、現場では空回り、ロケを中断させたり、ディーンさんを困らせたのもワタクシです。

そんなワタクシを温かく受け入れてくださった出演者の皆さまスタッフの皆さま、そして、今回こちらの公式ホームページにてマナー講座のコーナーを持たせてくださったWEB担当のH様には感謝の気持ちでいっぱいです。この場をお借りして改めてお礼申し上げます。

もともと話すことがメインの仕事で、書くことはまったくの素人だったワタクシ。
内容自体はいつも講座でお話ししていることばかりなのですが、文章にして伝えるというのがこんなに難しいものとは思いもよりませんでした。どうやったらわかりやすく伝わるのか、マナーとは無縁の小学生の娘に読ませて実践させてみたり、とにかく書いては消し、書いては消しを繰り返し、勝手に締め切りに追われる作家さんの気持ちになって原稿を書いて参りました。

このようなつたない文章を毎回読んでくださった視聴者のみなさまにも心からお礼申し上げます。

たくさんのマナーに関するご質問もいただき、中にはとてもユニークなご質問もありワタクシもこちらを毎回とても楽しみに拝見しておりました。すべてにお答えできませんでしたことが、唯一の心残りです。

今回、このドラマを通じて、またこのマナー講座をご覧になった皆様がマナーに興味を持ち、日常生活の中でほんの少しでもお役に立っていれば嬉しく思います。
そして、さらにマナーについて勉強したい!!と思ってくださったなら……
ぜひワタクシに会いにきてください!文章ではなく言葉でお伝えしたいと思います。
皆様とお会いできることを楽しみにしていますね^^

最後になりましたが、
ディーンフジオカさんには強く美しい完璧な執事を演じていただき感激しております。ディーンさんはとても真面目な方で、今回もひとつひとつに真摯に向き合ってくださりお伝えしたことも瞬時に理解してすぐに「賢正」として役に入られ、本当に素晴らしい俳優さんだと改めて感じました。このような形でご一緒させていただくことができ本当に幸せです。ありがとうございました。

この貴重な経験をもとに、私自身も日々精進したいと思います。
短い間ではございましたが、マナー講座をご覧いただきありがとうございました。
またいつか皆様とお会いできますことを楽しみに。
ごきげんよう!

日本サービスマナー協会
森 良子

第9回

『IQ246』をご覧のみなさま。マナー講師の森良子です。
第9話、沙羅駆とマリア・Tの対峙シーン、とっても素敵でしたね。しかしながら、マリア・Tを狙った賢正に撃たれてしまった沙羅駆。怪我の具合も気になるところですが、射殺許可命令まで出てしまい……最終回、一体どうなるのでしょうか?

さて、このマナー講座も残すところあと二回になりました。
今日はまもなく新しい年を迎えるにあたり、お節料理や和食を頂く機会も多くなるかと思いますので、和食の基本的な頂き方、マナーについてお話ししたいと思います。

その前に!

礼法の言葉に「共に和していただく」という言葉があります。
テーブルマナーで大切なことは、和食はもちろん洋食も、食を共にしていただくことです。
度々中座をすることは失礼にあたりますので、食事の前にはお手洗いを済ませておきましょう。

さて伝統的な日本料理には形式として本膳料理、懐石料理、会席料理,の三つがあげられます。本膳料理はとても格式が高く、日本料理の原点と言われる儀礼的な料理で室町時代に武家の作法から確立されました。現在ではほとんど見る機会はないようです。
では懐石料理と会席料理の違いはなんでしょうか?
「懐石料理」とは本来お茶を楽しむためのもの、「会席料理」はお酒を楽しむものと言われており、披露宴や宴会のコース料理として出される宴会料理です。

☆一般的なコース

(1)つき出し(先付、前菜)
(2)椀盛(汁)味が薄いお吸い物
(3)刺身(お造り)メイン料理のひとつ
(4)焼き物 魚やエビ、また肉類の場合もあり
(5)煮物
(6)強肴(揚げ物)天ぷら
(7)蒸し物 蓋をして蒸した料理で一般的には茶碗蒸し、またかぶら蒸しなど
(8)酢の物 口直しの意味
(9)ご飯、味噌汁、香の物 食事の締め
(10)水菓子、果物 お茶 食後のデザート

このような順番で出されます。

特に細かい決まりはありませんが、日本料理は「箸に始まり,箸に終わる」と言われるように箸遣いが基本となります。箸を美しくそして正しく扱うことが一番のお作法です。

箸の取り方

右手で静かに箸置きから箸を持ち上げる。(真ん中よりやや右)
すぐに左手は箸の下に添える。
右手を右に滑らせる。

箸の置き方

右手で箸を持ったまま左手を下に添える。
右手を横に滑らせて箸を上から持つ。
左手を話して、そのまま箸置きに置く。

箸と器は同時に持ち上げない

まず右手で器を手に取る。
器を左手に移し、右手で箸を取り上げる。
箸先を左手の薬指と小指の間に挟む。
右手を横に滑らせるようにして、静かに箸を持ち変える。

ポイント
大ぶりの器以外は手にもちます。特にお茶碗やお椀は必ず手で持ちましょう。
右にあるものは右手で、左にあるものは左手で。膳の上を覆うような反対の動きは「袖越し」といいマナー違反とされています。
料理は必ず一口大にして口に運びましょう。
一皿に数種類の料理が盛られている場合は左のものから順番に頂きます。

最後は「本当はNGだけどよくみかけること」

○手をお皿のようにして口元で受けて食べる「手皿」はNG
○お箸を逆さにして取り箸にするのはNG
○お椀の蓋は、食べ終わったら裏返しはNG 元通りに戻しましょう!

いかがでしたでしょうか?会席料理とまではいかなくても私たち日本人は毎日のように和食を頂きます。まずは正しくお箸を持つこと、箸の使い方を覚えること、これが和食のマナーの一番のポイントです!
ぜひこの機会にお箸遣いをマスターしてくださいね。
それではごきげんよう!

第8回

『IQ246』をご覧の皆さま、マナー講師の森良子です。
賢正と奏子のおかげで無事に釈放された沙羅駆。初めて名前を呼ばれた奏子の嬉しそうな表情も印象的でしたが、素直に謝辞をいえない沙羅駆もなんだか可愛かったですね(笑)
沙羅駆と牛田の対決はもっと見たい、と思いましたが……。

さて、早いものでもう12月、師走を迎え何かと気忙しい毎日ですね。
年末年始は仕事の上でもお世話になった取引先へのご挨拶は一年の節目としてとても重要なものです。また、プライベートでも親戚や友人、上司へのお年賀の挨拶などお宅を訪問する機会が多いのもこの季節です。

今日はその際にお持ちする手土産のマナーについてお話ししますね。

(1)手土産を渡すタイミング

仕事でもプライベートでも基本的には室内、会社であれば応接室や会議室に通され正式にご挨拶が済んだ直後が望ましいです。
初対面の会社訪問時などは名刺交換の後がベストタイミングです。

☆心のこもった一言を添えましょう!
以前は「つまらないものですが」と添えてお渡しする風潮がありましたが、最近はあまり好んでは使われなくなっているようです。というのも本来「つまらないもの」にはもともと謙遜の意味があり「精一杯選びましたが、素晴らしいあなた様の前ではつまらないものに思えます」といった相手をへりくだる表現として使われていました。ですが、この本来の意味がきちんと浸透していないため「つまらないものを寄こすなんて失礼だ!」「へりくだりすぎておかしい」などの理由から最近では「あなた様のために良いものを選びました」という素直な言葉を添えてお渡しするようになってきています。
「心ばかりのものですが」「お口に合うとよろしいのですが」また「評判のお菓子と聞きましたので」など控えめでソフトな言い回しが好まれます。

(2)渡し方のポイント

お店で購入すると必ず紙袋に入れてくれますよね。こちらは本来、購入したお品がほこりにまみれないよう持ち帰ってもらうためのもので、紙袋は大事な手土産を汚さないためのほこりよけの役割を果たしています。お渡しする際は持参した紙袋から出してお渡しするのがマナーです。風呂敷も同様です。
品物を紙袋(風呂敷)から取り出しいったん正面を自分の方に向けておく。
時計回りに90度、さらに90度回して相手に正面をむける。
アイコンタクトをしっかりとり、一言添えてお渡しする。

☆不要になった紙袋は持ち帰るのが基本ですが、親しい間柄なら処分をおねがいしても大丈夫です!ここは臨機応変に。
また外出先や会食の場で相手にもお渡しした手土産を持ち帰ってもらう場合には、紙袋の取っ手と下に手を添えて「紙袋のまま失礼いたします」と言ってお渡ししましょう。

(3)誰が誰に渡すの?

ビジネスの場合、基本は上司が先方の上席の方に渡します。
もし、一人で訪問した場合でもその中で最も地位が高い方に渡します。上席に座っている方、と考えればよいのですがわからない場合には名刺を見て判断しましょう。
ではご夫婦で訪問した場合はどうでしょうか?
こちらに明確な決まりはありませんが「夫を立てる」という意味合いで訪問の際に手土産は奥様が持ち、ご挨拶をすませたあとに手土産をご主人に袋から取り出して渡し、ご主人が「一家の主」としてお渡しするのがよいかもしれませんね。

いかがでしたでしょうか?手土産は人とのお付き合いをスムーズにする潤滑油のようなものです。決して高価である必要はなく、大切なのは相手のことを考え、相手のために時間を使えることだと思います。
時間がなくて、慌てて相手の会社や自宅周辺で購入…(^^;
なんてことがないようにしたいですね!!
年末年始、ぜひこちらの手土産のマナーをご活用くださいね。
それではごきげんよう!

第7回

『IQ246』をご覧の皆さま。マナー講師の森良子です。
第7話、マリアTが逮捕されるという予想外の展開で終わりましたね……。
みなさん、いかがでしたか?

マナー講座にもたくさんのご質問をいただきありがとうございます!
毎回とても楽しく拝見しております。
今日はその中でも特に多かった「アフタヌーンティ」についてお話ししたいと思います。

(1)アフタヌーンティとは?

19世紀半ばに中、上流階級の貴婦人の間で社交を目的として始まった生活習慣で、午後四時から六時ぐらいに観劇やオペラなどに行く前の軽い腹ごしらえのための軽食として定着しました。
もともとは純粋な意味で「午後にとる軽食」を意味していたそうです。

(2)アフタヌーンティの定番メニューは?

紅茶と皿を三段置ける専用のスタンドにケーキ、クッキー、サンドイッチ、スコーン、ペイストリーがメインとされています。
特にジャムやクロテッドクリーム(コーニッシュクリームとも言われるイギリスの伝統的な乳製品)を添えたスコーンは欠かせないもの、と言われています。またサンドイッチは「ティーサンドイッチ」と呼ばれる3〜4㎝角くらいに小さく薄く作ったものが主流。

一番下の段
☆サンドイッチ(スモークドサーモン、ハム、きゅうり、ゆで卵など)
真ん中
☆スコーン ジャム&クリーム (小麦粉を練って焼いたお菓子)
一番上
☆ペイストリー(ビクトリアスポンジ、フルーツケーキなど)焼き菓子やフルーツ

これらが用意されたアフタヌーンティを「フルティー」、それに簡単なサラダや肉、魚料理が添えられたものを「ハイティー」といいます。

(3)さあティーフーズを頂きましょう!

ティーフーズは「サンドイッチ→スコーン→スイーツ」の順序で頂きます。
三段プレートの一番下段から頂く、ということですね。上から食べたり、またスイーツを食べてからまたサンドイッチに戻る、、、というのはマナーとしてはNGです!

☆サンドイッチ
まずはサンドイッチです。基本的にフォークやナイフを使わなくてもよい一口サイズのものが用意されていますので、手で食べてもマナー違反ではありません。

☆スコーン
次はスコーンを頂きます。ここでナイフとフォークを使います。
スコーンを真ん中あたりから上下半分にカットしましょう。そして手に取り一口分を手で割って食べるのがスマートです。
添えてあるクロテッドクリームやジャムをたっぷりつけて頂くとスコーンがよりおいしくなります。クリームやジャムを塗るときも全面ではなく、一口分に塗りましょう。

☆フルーツ、焼き菓子
最後に頂くのが上段のデザートにあたるケーキやマドレーヌ、タルトなどのペイストリーです。こちらも一口サイズであれば手で頂いても大丈夫です。

「ケーキの食べ方」について
三角形のケーキは尖った方から一口ずつ切って食べます。
シュークリームも最初に半分に切ってから、端から食べやすい大きさに切って食べます。
ミルフィーユなどばらけやすいものは、寝かせてからカットします。

いかがでしたでしょうか?
フレンチのフルコースなどに比べてリーズナブルで気軽に楽しめることから、女性にとても人気の高いアフタヌーンティ。最近では本格的な英式スタイルを取り入れたり、茶葉にこだわったり、と様々な趣向を凝らしたアフタヌーンティを提供しているホテルも増えています。

みなさんもこれを機会にとっておきのアフタヌーンティで贅沢で優雅なひと時を大切な方と過ごしてみるのもよいかもしれませんね。
私も久しぶりにアフタヌーンティを楽しみたくなりました。
沙羅駆さんのような物知りでダンディな男性?
賢正さんのようなクールで理知的な男性?
それとも奏子さんのような元気でかわいいお嬢さんとの女子会?
想像するだけで楽しめますね^^

第6回

『IQ246』をご覧のみなさま。マナー講師の森良子です。
第6話では、遂に犯罪の黒幕・マリアTが姿を現しましたね。
謎のウィルス(?)を浴びた沙羅駆は一体どうなってしまうのか?!
かなり気になるところで終わってしまったので、次週が待ちきれないのは私だけではないはず……。

さて、マナー講座にもたくさんのご質問を頂き、皆様のお声や疑問を楽しく拝見させて頂いております。
その中でも「〜しなければいけないのでしょうか?」といったご質問が多く感じましたので、今日は皆様にもう一度「マナーとは?」というお話をさせて頂きますね。

国語辞典などで調べると「態度、礼儀作法」と出てきます。つまりはエチケットや「〜マナー」というようにそれぞれの作法を指します。
ではルールとは?同じく「規則、主に文章によって規定されたもの」とあります。

マナーは相対的なもの⇒他との関係において成り立つもの、よってその場によってかわるもの
ルールは絶対的なもの⇒物事がぜったいであるさま、つまりいかなる場合においてもかわらないこと

つまりマナーは時と場合によっても臨機応変に変化することがある、ということです。
では、ここでわかりやすい例をひとつあげてみますね。

19世紀イギリ女王のお話です。
晩餐会に招かれていたある国の王様がフィンガーボウルの使い方を知らずに、誤って中の水を飲んでしまったそうです。もちろんこれはマナーとしては間違いです。でも女王陛下は来客で、しかも一国の王様である彼に恥をかかせないために、それが指を洗うものであることを知りながら、フィンガーボウルの水を飲みました。その女王陛下の行動によってその王様はもちろんみなが気持ちの良い食事会を終えることができた、という有名なお話があります。ステキなお話しですね。
このお話を踏まえて、皆様からのご質問にお答えしていきます!

Q. 「食事がおわったあとのナプキンは整えない、と言いますが、わたしは畳まないで置いておくと申し訳ない気持ちになり、つい畳んでしまいます。お店の方にも畳んであったほうが片付けやすいでは?と思うのですが、絶対に畳んではいけないのでしょうか?」

A. これも先ほどのお話と似た例ですね。もちろんテーブルマナーとしてはナプキンは整えない、となっていますが絶対畳んではいけない、というものでもありません。整えないことに抵抗があるようでしたら軽く畳む程度にされてはいかがでしょうか?

Q. 「ディーン・フジオカさんがインタビューで執事は動作と言葉が一緒にならない方がよい、というようなことをおっしゃっていましたが、これは女性の場合も同じでしょうか?もしくは執事という立場だからですか?」

A. これはディーンさんが執事役をされるにあたり、優雅に見える所作について最初にお話しさせていただいたことです。ディーンさんが共感してくださりドラマの中でも取り入れてくださっています。
例えば「おはようございます」と言いながら同時にお辞儀をする同時礼よりも「おはようございます」と言ってから素早くお辞儀をする分離礼の方が正式でより優雅にみえます。
これは執事だから、でも男性だからでもなく、みなさんに当てはまります。
女性の方でも最初にお客様をお迎えしたり、またお見送りする際にも、この言葉と動作を別々に行う「分離礼」をぜひ実践してみてください。とても美しく優雅に見えます。
もちろん、同時礼でも気持ちを込めて行えば失礼にはあたりませんので、その場の状況に応じて実践してみてください。

Q. 沙羅駆さんは外食が多いようですが、普段はカバンを持ち歩いていませんね。
私たちが披露宴やパーティ、食事の際のバッグの大きさや、バッグの置き場所は?また大きなバッグはどうすればいいのでしょうか?

A. 披露宴では一般的にご祝儀袋(袱紗)が入る大きさがよいとされています。女性の場合はそのバッグの大きさにあわせて、お財布を小さいものに変えたりするお化粧品もメイク直し程度のものを厳選するなど配慮が必要です。
男性もできれば小さなものが適していますが、用意がない場合はスーツの内ポケットにご祝儀袋が入るようであれば、手ぶらでもかまいません。普段ビジネスで使っているようなビジネスバッグやリュックサックはマナー的にNGです。

手持ちのバッグは膝の上ではなく、自分の背中と椅子の背もたれの間に置きましょう。場合によってはレストラン側が荷物を置くように椅子を用意してくださることもあります。
大きなバッグはクロークに預けましょう。クロークがない場合は入店の際にお店の方に一言声をかけるのもよいと思います。キャスター付きなど大きなものは預かってもらえることもあります。

Q. 第4話でプロのピアニストが登場しましたが、ピアノやクラシックのコンサートに行く際の服装のマナーを教えてください。

A. こちらも明確なルールはありません。もっと言えばジーンズでも入れるといえば入れます。ですが、演奏される方、また周りの方への最低限のエチケットとして常識的な服装が望ましいですね。具体的にはスマートカジュアルといった感じでしょうか?
スマートカジュアルというのはセミフォーマルとカジュアルの間のドレスコードでちょっとおしゃれな普段着、といったところです。

いかがでしたでしょうか?
このように、マナーというのは必ずしもこうしなければいけない、と言った絶対的なものではい、ということがおわかり頂けたでしょうか?
私自身、「マナーは思いやりの気持ちを形にしたもの」と思っております。
もし、みなさんが「こんな時どうしたらいいの?」と思うことがあったら、
ぜひ、みなさんの思いを形にしてみてください!きっと相手にも伝わるはずですよ!
それではまた来週お会いしましょう。ごきげんよう!

第5回

『IQ246』をご覧のみなさま。マナー講師の森良子です。
ドラマもいよいよ中盤戦に入り、ますます目が離せなくなってきましたね。
最先端技術を用いたトリックとは……「友達を信じられなかったのはあなたです」という沙羅駆の言葉には切ない想いが込められていましたね。

さて、皆様からたくさんのマナーに関するご質問を頂いております。
第3話で、観月ありささん演じる美晴が賢正に名刺を渡すシーンから名刺の受け渡しについてのご質問がたくさん寄せられましたので、今日のマナー講座は「名刺交換」についてお話ししたいと思います。

ポイント.1 正しい名刺の持ち方

名刺はその方の分身ともいえる大切な存在です。両手でしっかりと持ち胸の高さでキープしましょう。
名刺をお持ちであれば、名刺入れは必ず用意しましょう。財布や手帳などから名刺を出すのはマナー違反です。また名刺入れには「名刺の受け皿」としての役割もありますのでシンプルなものを用意しましょう。
名刺入れは人差し指と中指の間、名刺は人差し指と親指の間で持ちます。

ポイント.2 名刺交換の仕方

名刺交換は起立してテーブルなどの隔たりがないところで行います。
テーブルなどがある場合は回り込んで相手の正面に立ってから行いましょう。

名刺交換の基本的マナー
 目下の人  →  目上の方
 社内の人  →  社外の方

名刺を相手側に向け、会釈の姿勢(第二回のマナー講座で勉強しました!)で名乗りながら両手で相手に差し出します。相手の名刺も両手で受け取ります。
その時、会社のロゴやお名前など大切な情報に手がかからないよう注意しましょう。
これが名刺交換の基本的なマナーですが、時間が限られたビジネスシーンでは同時交換が主流になっています。その場に合わせて行ってください。

☆同時交換の場合
あらかじめ人数分の名刺を名刺入れの蓋の内側に準備しておくとスムーズです。
左手に名刺入れ、右手に名刺を持ちそのまま右手で相手の名刺入れの上にそっと差し出します。同時に相手からの名刺を自分の名刺入れの上に置いて頂きます。
複数の方と交換する場合は、頂いた名刺をいったん名刺入れの下に控えておくと、蓋の内側の自分の名刺と混ざることなくスマートです。

ポイント.3 アイコンタクトをしっかり取りましょう!

自分が名乗っているとき、また相手が名乗っているときも名刺をみるのではなく、しっかりと相手の目を見ましょう。

ポイント.4 お名前や社名の確認は名刺を頂いたこのときに!

ひととおりお話ししたあとに「お名前をもう一度お聞かせ願えますか」
と聞かれたことはありませんか?がっかりしますよね。
難しいお名前や読みにくいお名前、また聞き取れなかった時なども名刺を頂いたこの時に確認しておきましょう!

いかがでしたでしょうか?文章にするとなんだか難しそうですよね。

名刺交換は慣れることも大事です。ビジネスの場だけではなく、美晴のように昔の彼とばったり!!の時に備えて練習してみるのもよいかもしれませんね^^

それではまた来週、ごきげんよう!

第4回

『IQ246』をご覧のみなさま。マナー講師の森良子です。
第4話では犯人である由里に対して優しさをみせていた沙羅駆。美しい音楽とともに終わるのかと思いきや……Mに向けてのメッセージにゾクっとした方もいるのでは?
様々な表情をみせてくれる沙羅駆……気になる存在です。

さて、今日は視聴者のみなさまから頂いたご質問の中から「正しい靴の脱ぎ方」についてお話ししたいと思います。

第二話で、沙羅駆が塾講師の前川の部屋に、靴のまま入ろうとするシーンがあったのを覚えていらっしゃいますか?
あれは普段、靴を脱がない生活をしている貴族の沙羅駆が、それを咎められてわざとお行儀悪く靴を脱ぐという、茶目っ気たっぷりな沙羅駆を見事に織田裕二さんが演じてらっしゃいましたね!
では訪問先での正しい靴の脱ぎ方とは、どんな脱ぎ方でしょうか?

ポイント.1 入室したらそのままの向きで靴を脱ぎましょう。

後ろを向いて脱ぐのは、相手の方にお尻を向けることが失礼にあたるので、わざわざ後ろは向かず、そのままの向きで靴を脱ぎましょう。

ポイント.2 一度入室してから靴を揃えましょう。

靴を脱いで、いったん家に上がります。そのときにスリッパの準備があればスリッパを履きます。
そして玄関側に向き直りますが、その時も相手の方にお尻を全部向けてしまわないよう、少し斜め向きで膝をつけると失礼になりません。
そこで靴のかかとを入った向きとは反対側に向け直して、中央よりやや端(下駄箱側がよいでしょう)の方へ寄せて置きます。

ポイント.3 靴を脱ぐときに手は使う?使わない?

これには明確な決まりはありません。
手を使わずに、すっと脱げるようでしたらそのまま脱ぐのが自然ですが、男性の革靴などはそのまま脱ぐのは難しいかと思います。その場合、右足は右手でかかとに手をかけて左足は左手を使うのが望ましいでしょう。
特に男性は、足と足のかかとをつかって脱いでらっしゃる場面をよく見かけますが、本来は手をかかとに添えた方がスマートです。また靴が傷む原因にもなりますね。

ポイント.4 二人で訪問した場合は?

これはご夫婦や男女の場合と想定します。夫、または男性が先に前を向いた上体で靴を脱いで上がります。そのあと女性がその靴の向きを変えて、下座側に揃えてから入室します。正式な場では一緒にいる男性を立てるのがマナーです。
沙羅駆と賢正のような場合でも同じですね。

普段何気なくしている動作も、ひとつひとつに意味があり、それが所作へと繋がっています。
これから年末年始に向けて、お呼ばれの機会やお座敷での接待なども増えることと思います。ぜひ今日のマナー講座を参考に美しい所作を身につけてくださいね。

マナー講座では皆様からの「こんな時どうするの?」といったちょっとした疑問やマナーに関するご質問を受けつけております。
この機会にぜひみなさんでマナーの勉強をしましょう!
それではまた来週、ごきげんよう!

第3回

『IQ246』をご覧のみなさま。マナー講師の森良子です。
第3話では、美晴のために、賢正は沙羅駆と決別したのかとおもいきや……実は全てが演技。「私が若様を裏切ることなど、絶対にありません」と言い切った賢正の忠誠心に驚かされた方もいるのではないでしょうか?

さて、スーパー執事がまさにハマリ役となったディーン・フジオカさん。
今回、執事役をされるにあたっては、立ち居振る舞いや所作にもとても気を遣って役作りをされていました。今日のマナー講座はそんな賢正にちなんで美しい所作、お辞儀の仕方についてお話ししたいと思います。

☆美しい姿勢

1)足
かかとをそろえてまっすぐに立ちます。
つま先は15℃程度(こぶし一つ分くらい)開きます。
男性は10時10分、女性は11時05分をイメージするとよいでしょう。

2)腰・背筋
腰から背筋、首筋、頭まで一直線になるようにまっすぐ立ちます。
上から引っ張られるようなイメージで立つとよいでしょう。

3)手
女性は自然に前で組みます。一般的には左手が上で右手指先を隠します。
男性は手を真横にまっすぐおろすか前で組みます。

4)肩
力を抜いて、どちらかに傾きがないようまっすぐにします。

美しい姿勢ができたら、そのままお辞儀の練習をしてみましょう!

☆お辞儀の種類

会釈
人とすれ違った時にするお辞儀。上体を約15度傾ける。

敬礼
最もよく用いられるお辞儀でお客様をお出迎え、お見送りする時、また目上の方への挨拶、改まった挨拶など一般的なお辞儀。上体を約30度傾ける

最敬礼
お詫びや感謝など深い意を伝えるときにする最も丁寧なお辞儀。上体を約45度傾ける。

[ポイント]
1)どのお辞儀に入る前にもしっかりアイコンタクトを取りましょう。
2)腰から背中、首筋まで一直線になるようなイメージで上体を倒しましょう。
3)それぞれの角度でピタっととめ、ゆっくり上体をおこしましょう
4)言葉と動作を分けるとより丁寧です。(分離礼)
5)相手よりも先に頭を下げ、相手より遅く頭を上げる気持ち⇒ファストインスローアウト
6)動作はキビキビとスマートに!

TPOに合わせて、ぜひ実践してみてください。
全身が映る鏡の真横に立って姿勢をチェックしてみると、ご自身の姿勢がどうかよくわかります。
「立ち居振る舞いは目から入る言葉」と称されその人の思いや気持ちが所作や立ち居振る舞いといった形となって表れる、と言われます。

ドラマの中でよく見かける賢正が沙羅駆のために車のドアを開けるシーンを思い浮かべてください。
このように賢正はその都度、ドアのフレームに手をかけて沙羅駆の頭が当たらないよう気を配っていますね。
これは、まさに賢正が沙羅駆を敬い、大切に思う気持ちが動作に表れた自然な所作です。
マナーは「思いやりの気持ちを形にしたもの」
みなさんもぜひ、賢正のように大切な方への思いを形にして伝えていきしょう。きっとその気持ちが美しい所作へと繋がります。

それではまた来週お目にかかれることを楽しみに、ごきげんよう!

第2回

『IQ246』をご覧のみなさま。マナー講師の森良子です。
第二話もお楽しみ頂けましたでしょうか?
沙羅駆と前川の対峙シーンは緊張感があり、賢正のアクションも思わず息を呑む美しさでしたね。

さて、皆さんもお気づきかもしれませんが、沙羅駆が紅茶を飲んでいるシーンがとても多いですよね。そう!沙羅駆は紅茶の茶葉にもこだわりを持つ、大の紅茶好きなのです。
そこで今日は「紅茶の頂き方」についてお話ししたいと思います。

ポイント.1 カップの持ち方

カップは片手で持ちます。
親指、人差し指、中指を中心にカップのハンドルを持ちます。ティーカップのハンドルには指を通さないでハンドル(持ち手)をつまむように持ちます。不安定になるようであれば薬指で支えます。
力が弱い女性は、慣れないうちは持ちにくく、不安定と感じるかもしれません。
そんな時はハンドルに少し指を入れてもよいでしょう。ひとつ注意したいのは、ハンドルの上に親指が出ないようにすることです。
持ちにくいからと言って、両手で湯呑茶碗のように手を添えて持つのはNGです。
これは西洋では「冷めている」ということを表します。

ポイント.2 ハイテーブルとローテーブルでの持ち方

紅茶を頂くときのカップとソーサーの持ち方はテーブルの高さによって変わります。
ダイニングテーブルのような高さのあるテーブルの時は、ソーサーは持ち上げず、カップのみを持って紅茶を頂きます。
ローテーブルのソファで頂く時は、左手でソーサーを持ち胸元あたりまで運んでからカップを口に運びます。
立食の場合も同じです。

ポイント.3 混ぜ方

お砂糖やミルクを入れた際、スプーンはカップに触れないように混ぜます。
かちゃかちゃ音を立てないよう気を付けましょう。
スプーンは縦に動かします。くるくるかき混ぜるのはNGです。
スプーンはカップの奥に置きます。使わなかった場合も奥に置くといいですね。
砂糖、ミルクの順番で入れましょう。

いかがでしたか?
紅茶を頂くシーンは日常でも多いもの、紅茶のマナーは西洋ではテーブルマナーの一部です。この機会に基本のマナーを覚えておくといいですね。
フレンチのフルコースを頂く際にもお話ししましたが、マナーにとらわれすぎず、楽しんでいただくことがとても大切です。合わせて紅茶の香り、色、そしてティーカップなどにも目を向けて、沙羅駆のように優雅なティータイムをお過ごしください。
ではごきげんよう!

第1回

IQ246をご覧のみなさま。はじめまして!
織田裕二さん演じる名門法門寺家の当主、沙羅駆。そしてその沙羅駆に仕えるディーンフジオカさん演じるスーパー執事 賢正はいかがでしたでしょうか?
織田裕二さんはさすがの存在感で当主としての貫録と風格が素晴らしかったですね。そしてディーンフジオカさんも凛とした佇まいと優雅な身のこなしで、とても素敵なスーパー執事でした。
今回、このドラマの中でそういった立ち居振る舞いや、マナー全般の指導、監修をさせていただくことになりました、日本サービスマナー協会の森良子と申します。
このホームページの中で皆さんのお役に立つようなちょっとしたミニマナー講座を開きますので、ドラマと合わせてご覧いただけましたら幸いです。

さて、第一話では沙羅駆がお客様をお招きして、フレンチのフルコースを食べる、というシーンがありましたが、とてもスマートにお食事されていましたね。
皆さんにもデートやまた記念日、披露宴の席などでフレンチをいただく機会があるかと思います。ナイフやフォークは外側にセッティングしてあるものから使えばいいのよね?
ぐらいのなんとなーく知識はあるけど、実は苦手意識がある方も多いのではないでしょうか?
今日はその中でも意外に知らないナプキンの使い方、スープの飲み方についてお話ししたいと思います。

ポイント.1 ナプキンはいつ膝に?

意外とタイミングが難しいナプキン。一般的にはお食事と飲み物のオーダーが終わった時点で手に取り膝にかけます。ただし、お皿にナプキンが載せられている場合は着席後すぐにかけましょう。これはオーダーの時にメニューブックとプレートがぶつかるのを避けるためです。
披露宴では着席から食事開始までの時間が長いので、飲み物の乾杯が終わったあとで膝にかけます。

ポイント.2 ナプキンはどう使う?

膝にかける際には長方形のナプキンを二つ折りにして折り目を手前にして置きます。
口をぬぐう時は、折った方の内側でそっとふきましょう。

ポイント.3 中座するときは?

基本的には椅子の上に置きましょう。ナプキンの真ん中を持ち三角形にして置くと「食事が続いている」という合図になります。

ポイント.4 食事が終わったら。

時折きれいにたたんで置いてあるのをみかけますが、本来はNG!
「たたむのも忘れるぐらい美味しかった!」という意思表示をするため、たたまないのがマナーです。
デザート皿の右上に置きましょう。

さて、次にスープの飲み方についてお話しします。

ポイント.1 スプーンの使い方

大きく分けてイギリス式とフランス式がありますが、フレンチではお皿の奥から手前に向かってスープをすくいます。そして口に入れるときはスプーンの先を自分に対して直角にします。つまりスプーンの先から口に入れます。

ポイント.2 大原則!

音を立てて飲まない!
パンをスープに浸さない!
少なくなってもお皿をかたむけて集めない。すくえなくなったらおしまいです。

いかがでしたでしょうか?
知っていればすぐに実践できることばかりですよね。
これはご自身や周囲が気持ちよく過ごすために大切にされているルールです。とは言えルールやマナーにとらわれすぎたらせっかくのお食事も楽しめなくなってしまいます。
大切なことは食事を楽しく美味しくいただくこと、その場の雰囲気や相手に合わせて、スマートに美しく食事ができる知識だけ頭の片隅にでもお持ちいただければ、と思います。
次回もお楽しみに!

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