過去の放送
- 2012年5月20日放送
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- BS-TBS:5月24日よる11:00〜
- TBSニュースバード:5月26日よる9:00〜
ナレーター:坂口憲二
プロペラメーカーの研磨技術で国産の人工関節製造に挑む!
〜畑違いのスペシャリストが開発!一人一人に合った人工関節〜
- ドリームメーカー:
- 岡山県岡山市 ナカシマメディカル 常務/
藏本孝一 さん
『日本人の生活に馴染む人工関節で、関節痛に悩む患者さんを一人でも多く救いたい』
今、全国で膝の関節痛に悩む人は、1000万人にものぼると言われ、なかには歩行が困難になる人もいる。そこで最後の手段となるのが、人工関節だが、国内で使われている人工関節の実に87%が欧米のもの・・。そんな中、“メイド・イン・ジャパンの人工関節”作りに力を注ぐ会社が岡山にある。チームを率いたのは、ナカシマメディカルの藏本孝一、63歳。
もともとは、船舶用のプロペラを作る「ナカシマプロペラ」。世界で3割のシェアを誇るトップメーカーだが、25年前、工場を見学したある外科医が、0.01ミリの誤差をも判断するその研磨技術に目をつけた― 「プロペラを磨くこれだけの技術があれば、人工関節も作れるはず」。 この一言で、会社は人工関節製造に乗り出す。1994年には医療事業室が立ち上がり、藏本が6人の部下を率いるリーダーに指名された。しかし、まるで畑違いの「医療分野」、藏本たちの苦難は続く。そして、大きな課題も・・。人工関節のほとんどが欧米からの輸入品のため、“椅子生活”に適するように作られ、当時、“正座”など日本の畳生活にはフィットしない製品が多かった。『何とか、日本人向けの人工関節は作れないものか…』
少しでも歪みやキズがあれば、使えない。職人たちは、来る日も来る日も人工関節を磨いた。しかし、製品が出来上がっても、病院を回れば、「プロペラ屋がなぜ人工関節を作るのか」と医師に冷たく言い放たれる。製品が一つも売れない日々が続いた・・。
そんな藏本たちを支えたのは、整形外科医の勝呂(すぐろ)医師だった。「外国製では、ここまで精緻な作りをしていない」―勝呂氏のアドバイスを得て、藏本たちは、より膝を曲げることができる関節を完成させる。そして、藏本はさらなる挑戦に―。それは、人工関節の“寿命”。通常は、10〜15年程度で、年月が経つと、患者は取り替える手術を受けなければならなかった。果たして、藏本がたどり着いた人工関節の寿命を延ばす物質とは? そして、その性能は? プロペラから医療分野へ転身した藏本の、飽くなき夢を追う。
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