「モダン・ベートーヴェンの極致」‐音楽評論家の舩木篤也氏は今公演をこう評する。2019年11月26日、サントリーホールで開催されたケルン放送交響楽団のコンサート。創立70年超、現代作品の世界初演で知られる名オーケストラを指揮するのは、ドイツの巨匠マレク・ヤノフスキ。プログラムはベートーヴェンの交響曲と協奏曲。ドイツの音楽家が結集し、ドイツが誇る楽聖の曲を奏でることから、クラシック音楽ファンには大きな関心の的となった。しかし不朽の名曲を現代の解釈で蘇らせるとは、一体どういうことなのか。1810年の発表時には革新的とされたピアノ協奏曲第5番「皇帝」を取り上げ、その問いに答えるのは、日本を代表する作曲家、千住明。音楽を究めたマエストロならでは、ベートーヴェンの芸術性からクラシック音楽の魅力にまで話は及ぶ。2020年の今年は折しもベートーヴェン生誕250年。数多くの記念公演に先駆け、是非とも番組を見て聴きどころをおさえておきたい。

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