広末涼子の映画デビュー作。映画の撮影を通して心を交わしていく高校生の男女のひと夏を描いた青春ファンタジー。終わりゆく20世紀への想いを胸に成長していく姿を瑞々しくセンシティブに綴る。待望のスクリーンデビューを果たした広末が、ピュアなまなざしと純粋な心を持つヒロインをとびきりの輝きで演じる。彼女のきらめく歌声が響きわたるシーンは見どころ。本作で広末は第21回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。原将人監督、1997年作品。

【ストーリー】
高校2年生の遠山杏（広末涼子）は、ある日橋の上でビデオカメラを持った自称“宇宙人”の少年に声をかけられる。少年は風変わりな転校生として評判の片岡徹（圓島努）。徹からの申し出は、自分の体に宿った宇宙人が分裂しかかっているので、杏の体を貸してほしいという突拍子のないものだった。あっけにとられる杏だったが、徹の手慣れたカメラさばきに魅了される。
短い夏、2人は滅びてしまった地球人の記憶を拾い集め、カメラに収め続ける。幾何学模様を織り成す高層ビル、高速道路、電飾された橋、東京タワー。それは、イルミネーションに彩られた20世紀の「遺跡」だ。こうして徹と杏の“滅亡に向かう地球人”を映す、シナリオのない映画が始まった。

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