大原麗子主演。プロデューサー石井ふく子の母で小唄の師匠・三升延さんをモデルに、その奔放で爽快な半生を名女優・高峰秀子が脚色した話題作。明治・大正・昭和を、粋に自由に生き抜いた上野下谷の名妓の生き様を描く。この作品が脚本家デビューとなった高峰秀子は、三升さんとは生前から親交が深く、石井プロデューサーのたっての希望でシナリオが執筆された。1994年作品。

【ストーリー】
大正15年、東京・下谷。売れっ子芸者の川本君鶴（大原麗子）は、大会社の社長の息子で恋人の浩（渡部篤郎）から急に「ドイツに行くので結婚を3年待ってほしい」と告げられた。このとき、君鶴は浩の子どもを身ごもっていた。浩は弁護士を連れて、君鶴の義母・たき（森光子）と会い、君鶴と結婚したいと申し出た。置屋の女将でもあるたきは、5歳の時から芸者として育て上げた君鶴をおいそれと嫁に出すわけにいかない、と浩に無謀な額の支度金をふっかけた。いくら親が金持ちでも、到底浩に払える金額ではなかった。そんなやりとりがあったことなど知らない君鶴は、子どもを育てながら浩の帰りを待つ決心をしていた…。

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