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出演が決まった際の、率直な感想をお聞かせください

福田沙紀（以下、福）：まず、 “ 楽しみ！ ” と思いました。こういった不思議な内容の作品に出演したことがないので、どういう感じになるかすごく楽しみでした。
安田顕（以下、安）：キター！ ケイゾク！ 堤さん！ っていう感じでした（笑）

演じる人物はどんなキャラクターですか？

福：私が演じる志村美鈴は瀬文さんの同僚・優作の妹です。ごく普通の兄妹だったんですけど、ある事件でお兄ちゃんが植物人間状態になってしまい、それをきっかけに人間として成長していくのかなと。初めて監督とお話したときに「美鈴ちゃんはすごく地味な子だから」と言われたので、楽しく探りながら演じています。
安：僕は海野亮太という、警察病院のお医者さんです。美鈴ちゃんのお兄さんの担当をしています。それと…、今後どうなっていくかは聞いていませんねぇ。

このドラマで挑戦していることはありますか？

安：お医者さんの役は初めてなので、首から聴診器をぶらさげて、自分の心臓の音を聞くところから始めています（笑）。
福：私は、この作品自体が挑戦です。まだキャラクターが見えていないので、そんな中で役を作り上げていく、今までとは違う探り方をしています。 “ 地味 ” と念を押されたのも初めてですし、その他にも初めてづくしなので、初めてを楽しんでやっていこうと思っています。

撮影は始まっていますが、いかがですか？

福：私は、前半はメインの話に絡まずに瀬文さんや海野先生との掛け合いが多いので…美鈴のキャラを少しずつ感じながら撮影しています。ですよね？
安：台本をね、読み進めてはいるんだけど、イマイチ掴みきれないんだよね。
福：どこにも着地しない二人が会話しているので、お互い不思議な気持ちで演じている気がしています。この先どうなるかも、聞いてないので…。
安：最後までいるかどうかもわからないし…。
福：どうなるのか、教えてほしいです！
安：24（トゥエンティーフォー）が、そうだったらしいですよ。
福：そうなんですか！このドラマも、掴めないというか、あえて掴めない感じにしているのかなーと。だから、あえてキャラクターを定めないで演じています。
安：ま、実際に分からないですもんね！先読みすることが視聴者のみなさんにとっていいことなのか？と、演じていても釈然としないんですけど…先を知って演じることがいいことなのかも分からないですしね。
福：こんなにモヤモヤするのは、初めての体験です。後半には、前半で蒔かれた種が花を開くように、何かに結びついていくんでしょうけど…。
安：これで結びつかなかったら大変でしょ!?
福：最悪、結びつかなくても面白いのかなと（笑）。
安：斬新だよね！
福：もう、何でも来い状態です（笑）
安：でも、楽しいですよね。難しいものにトライするのは、それ自体おもしろいから。
福：はい。

お二人はスペックが欲しいですか？

福：スペックを持っていたら疲れちゃいそうで、私はいらないです。スペックを持つということに怖いイメージがありますし、普通の人とは違ってしまうわけで元に戻れないでしょうし…。「スペックをあげるよ」と言われても「結構です」って言っちゃいそうだなと、台本を読めば読むほどに思います。
安：僕は欲しいですね。
福：えー、どんなスペックですか？
安：映画の『レインマン』みたいなやつ！すごく記憶力がよくて、カジノで大儲けするやつね。あとはなんだろう…、多分、スペックを持っている人って、淘汰されにくいと思うな。
福：得することはあるでしょうね。
安：今の自分とは違っちゃうだろうけど。
福：う〜ん、どっちを選ぶかでしょうね…。
安：台本を一瞬で覚えることができるスペックはいいね！
福：いいですねー！

このドラマに期待することはありますか？

安：いい意味で視聴者の皆さんが置いてけぼり的な感じというか…「えっ、こうなっちゃうの!? でもなんか新しいことがありそうだから、もうちょっと観てみよう」みたいな感じになればいいなと。
福：今、ドラマを観てくださっている方って、すごく目が肥えてらっしゃる方が多いと思うんです。前半で先の展開が読めちゃうことってあるじゃないですか。でも、このドラマは演じている側も読めないし（笑）、予測不可能な方向へ転がっていくので、ドラマ好きの方には『SPEC』のようなドラマが求められているんじゃないかなと。普段はあまりドラマを観ないという人でも、怪しい人がとにかくたくさん出てきますが（笑）、堤監督の世界観・映像・ストーリーに気持ちをわしづかみにされると思います。そんなドラマになればいいなと期待しています。

堤監督の撮影や手法はいかがですか？

安：監督が座っているベースはスゴイですよ！
福：秘密基地みたいですよね！だから、ちょっと近寄りづらいんですよね。覗いてみたいんですけど…。
安：大丈夫でしょ、今度、覗いてみればいいじゃない？
福：ですかね？
安：スタジオのブースみたいだもんね。堤さんはもちろん、周りのスタッフさんの意気込みや熱が伝わってきます。
福：伝わりますね。
安：それと…何を撮っているか分からないよね（笑）。例えば、カメラを4台並べて「次、タイムスライスいきます。まばたきしないで立っていてください」と言われて、「ん、タイムスライス？ 何を撮っているんだろ…」という感じで。
福：そうなんですよね。他のドラマだと“こういう画（え）が撮りたいのだろうな…”と想像出来るじゃないですか。でも『SPEC』は全然分からないので、どんな映像になっているか早く見てみたいです。
安：どんな風に撮れているか、ベースのモニターを覗いたりするんですけどね。
福：えっ！？ベースに行ったことあるんですか！
安：そりゃ、気になるじゃん！
福：だったら、今度、一緒に行ってください（笑）

気になる共演者はいますか？

安：僕は、初めてご一緒する方ばかりなので、皆さんとお芝居ができるというだけで光栄です。福田さんは、すごくタフですよね。この間も朝まで撮影があったのですが、そのまま次の仕事に行かれましたからね。若さと根性がすごいです。
福：私は、初めてお仕事する方に緊張しちゃうんですけど、安田さんはフレンドリーに話しかけていただいたこともあってリラックスして演じられています。美鈴ちゃんと海野先生とのシーンも独特の空気感があって、一緒にお芝居をさせていただけて楽しいです。
安：うれしいなぁ〜。

『SPEC』のみどころを教えてください。

安：このドラマは、非常に挑戦している気がするので、どうか脱落することなく観ていただければと思います。
福：このドラマは挑戦…あ、それって今いいましたね!? ドラマ『SPEC』は…独特の世界観で観る人を魅了させるドラマだと思います。何も考えずに観ていただいて、そのまま最後までご覧いただければと思います。キャスト、スタッフの皆さんも物すごく楽しんで作品を創っているので、みなさんもその世界観を楽しんでいただけたらと思います。って、100点ですか？
安：もう120点！ すごいっ、大したもんだよ（笑）
福：ぜひご覧ください（笑）