STORY[あらすじ]

第10話 2010.6.20 ON AIR

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(写真)

重要参考人として警察に連行された清瀬直弘(三浦友和)。はたして、彼は本当に峯子(原田美枝子)を殺害したのであろうか…

清瀬のアリバイを崩した克哉(速水もこみち)だが、本人のアリバイが崩れつつあった。事件の起きた4月13日の行動をひた隠す克哉…。また、峯子に会ったのも息子が生まれた6年前が最後と言っていたが、実際には13日に会っていた。一体何を隠しているのだろうか?また14日には、清瀬から克哉に金銭の授受が行われている。この金銭は、峯子殺害の手助けの報酬なのだろうか。

克哉に任意同行を求める松宮(溝端淳平)加賀(阿部寛)がとめる。「克哉さん、あなたは犯人ではありません。」克哉の嘘を見破り、話をしたいという加賀。
そもそも克哉が14日に清瀬の元を訪れたのは、13日のイベントで車に描かれた、いたずら書きを消してもらうためだった。実は克哉は、お金に困っていた。加賀とランチをしたときに、カードが止められていることに気がついた加賀は、克哉がそこで清瀬からお金を借りて、「ダイヤマン」のフィギュアを買いに行ったと見抜いた。
克哉は投資に失敗したが、以前の贅沢な生活を変えられず、峯子の家を訪ねたのも、お金を借りるためだった。話を終え、息子にコマをまわすようにせがまれた克哉だが、やはり上手く回らない。加賀が新たに持ってきたコマを渡すと、それは鮮やかに回った。なぜ回らないのか?そのコマは、4月15日に克哉の父・岸田要作(笹野高史)が持ってきたものだった。

工芸店「ほおづき屋」の美咲(小泉深雪)から話を聞くと、4月15日にコマがひとつ売れているという。人形町の別の玩具店「ちどり屋」でもコマを扱っていたが、13日に万引きの被害にあっていた。この2軒のコマに関連があるのだろうか?

清瀬が克哉にお金を貸したことを認めたため、克哉のアリバイが証明され、容疑者として清瀬一人が残った。しかし、清掃会社の倉庫から見つかった紐は凶器ではない。それでも小嶋(木村祐一)はアリバイのない清瀬を容疑者と見ていた。
清掃会社の倉庫にあるダンボールを気にしていた加賀、それが何であるか気づいた松宮は、確認のために飛び出していった。残された加賀は、小嶋のポケットにある辞表に気づくが、それは自分のものではないという。小嶋は誰の辞表を持っているのだろうか?

弘毅(向井理)が読んでいるイギリス演劇論の本は、かつて峯子が贈ってくれたものだった。好きな演劇の本なら英語の勉強もしやすいだろうという峯子に、弘毅は「英語に興味ない」と読もうとしなかった。「人生に意味のないことなんてない」と語っていた峯子。今、本を読みながら、殺害された母親と、容疑者の父親のことを考える弘毅だった。
そんな弘毅を見ながら、亜美(黒木メイサ)は、やはり直弘は犯人ではないという気持ちを抱いていた。しかし、何も確証は得られない…加賀は「ペンのインクが切れるまで取材してみろ」と亜美の背中を押す。

松宮は、清瀬の会社をリストラされた長井が「6時半に清瀬が倉庫にいなかった」とした証言が嘘だったことを証明した。ふたを閉じてあるにも関わらず、音の違いから中身が空のダンボールがあることに気づいたからだ。
長井は6時15分に倉庫に業務用洗剤を盗みに入り、鍵が開いていることに気づいて様子を見に来た清瀬が洗剤をこぼし、ふき取る準備をしに倉庫を出た隙に逃げ出していた。そして清瀬のアリバイが証明された。それでは真犯人は一体誰なのだろうか?

岸田の持ってきた回らないコマに注目していた加賀が、ついに理由を突き止めた。それは、コマと紐が別々の商品だったからで、岸田が15日、克哉の息子に渡したのは「ほおづき屋」で買ったコマの「組み紐」だった。しかし、元のコマは「ちどり屋」で万引きしたコマで、ついていた紐は「撚り紐」だったのだ。
「ちどり屋」でコマを万引きした岸田は、公衆電話から峯子に電話をかけ、殺害に行った。しかし、帰りに立ち寄った克哉の家で、翔太にコマを見つかってしまい、凶器となった紐を渡すことが出来ず、買いなおしたのだ。
加賀の推理に反論出来ず、税理士の岸田は、峯子殺害の真犯人であることを認めた。

始まりは峯子から、祐理(マイコ)について「愛人ではないか」という相談を受けたことだった。もし離婚前から愛人関係にあったとしたら、慰謝料を請求できるのではないか。そのために峯子名義になっている別会社の口座がどうなっているかと問い詰められ、岸田はその会社のお金を横領していたために発覚するのを恐れ、殺害する決心をしたと語った。そのお金はギャンブルにつぎ込んだというが、それは嘘だと加賀は見抜いていた。

岸田に本当のことを語らせるのは、同じ「父親」である上杉(泉谷しげる)しかいない。実は小嶋は、上杉の辞表を受理してはいなかったのだ。「息子に対するけじめだ」と断る上杉だったが、息子の和博は、上杉のことを思い、暴走族を抜ける決心をしていたのだ。和博に言葉が届いていたと知った上杉は、「父親」としてどうするべきか、岸田に諭した。
岸田は、投資に失敗した克哉が会社のお金を使い込んでしまい、泣きつかれたために清瀬の会社のお金を横領したのだ。最後まで息子の克哉を守ろうと口を閉ざしていた岸田。しかし、本当に息子を思うならば嘘をついたままではなく、真実を話し、自分も克哉も罪を償うべきだと…
そして「息子・克哉のために」克哉の横領の事実を告白し、克哉も「息子・翔太のために」罪をつぐなうべく、警察に連行されていった。

峯子の部屋の掃除を請け負った清瀬たち。本棚から、弘毅に渡した演劇論の翻訳原稿が出てきた。あとがきには、翻訳家としての夢、直弘、弘毅への想いが綴られていた。ばらばらになって初めてわかる家族の大切さ。そして、直弘も家庭を省みなかったことで事件が起こってしまったと後悔していたが、この「あとがき」に救われ、直弘、弘毅それぞれが向き合って生きていくことを誓った。

三井峯子殺人事件は、こうして幕を閉じた。これまでもつれていた人と人の心がほぐれ、それぞれが前を向いて生きていく。この町の新参者・加賀恭一郎が解決したのは、事件だけではない。

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