INTERVIEW[インタビュー]
木村祐一(小嶋一道役)
(写真)―― 演じられる「小嶋一道」という役柄について、どんな役か教えてください。
視聴者の皆さんは、ぼく目線で見ていただければいいと思うんです。
だって、ぼくの演じる小嶋刑事というのは、現場では何もわかっていない人なんですから。
警視庁の主任刑事という役ですから、立場は所轄の加賀たちより上ですので指示を出すだけだしてますけど、実際は振り回されているんです。言葉は悪いですけれど、ちょっと馬鹿にされているんですね。でも、それも仕方ないんです。
ちょっと個人的な話なんですけれど、刑事役のオファーを頂くたびに、出世しています。今回はついに警視庁捜査一課・殺人班主任ですからね!
現場の細かい捜査なんてしなくなっていますよ。捜査本部で大きく構えているつもりです。
―― 原作をお読みになりましたか?
東野圭吾さんの原作はとても好きなので、新刊が出たときにすぐに買って読んでいました。加賀恭一郎シリーズも大好きで、「そういえば、このシリーズは映像化がほとんどされていないな」と思っていたところにお話があって、とても嬉しかったです。
加賀恭一郎はクールで、それでいて心優しいというキャラクターです。現実のぼくは加賀タイプですけれど、ちょっと年齢が越えてしまっているから、実際に演じるのは難しいかな(笑)。だから、阿部さんが演じるのはとてもいいと思うし、イメージにあっていると思います。
この「新参者」は人間関係がとても深くて、見ごたえがあると思いますよ。派手なアクションはないけれど、IQを駆使した、頭脳派のドラマです。この町に住んでいる人、それぞれに事情があるので、そこをどうやって加賀恭一郎が解いていくのか、とても楽しみですよね。
(写真)
―― 原作にはない役を演じることについてはどうお考えですか?
演じる上では気が楽です。加賀恭一郎の登場する作品は人気シリーズですし、読んでらっしゃる方はそれぞれイメージを持っていると思いますが、ぼくの演じる「小嶋一道」はドラマのオリジナルですので、皆さんも難しく考えず、そのまま見ていただけると思います。
ぼくの役回りは、先にもいったように、視聴者の方が「ここが捜査のポイントなのか?」と思うことを、かわりに加賀に聞いて、しかも報告を受ける役ですから、ぼくの出ているところをきちんと見てくだされば、ストーリーがわかります!
―― 主演の阿部寛さんとは、どう絡んでいきたいですか?
阿部さんとは、数年前にスペシャルドラマでご一緒して以来で、こうして連続ドラマのレギュラーとして一緒に演じるのは初めてなので、楽しみです。
警視庁で上の立場だけれど、ちょっと抜けてる主任と、現場の優秀な刑事との、いい意味での違和感が出せればいいなと考えています。
ぼくの場合、阿部さんと並んだだけで違和感を感じてもらえると思うので、あまり余計なことはしないで、ストレートにいきたいです。
ぼくの出演するシーンは少しコミカルな部分でもあるので、状況になじみながら、うまく遊んでいければいいですね。
ぼくは京都の生まれなので、人形町のように歴史の香りを残している町は大好きです。休みの日とか、ふらりと来たりしていますよ。人形焼もおみやげに買ったりしています。
このドラマは人形焼ひとつにしても、いったい何故ここにあるのか、どんな意味があるのかわからないところが楽しさのひとつです。
ミステリーというのは、手法がいくつかありますけれど、これは二つの方法論が同時に楽しめるドラマです。
まず事件が起こっていますけれど、「どんな謎なんだろう」という楽しみと、「ここでも別の謎がある」という別の角度と、一度に双方向からアプローチできるんです。
そこにある謎も不思議だし、加賀恭一郎の捜査も楽しみ。餡も皮もおいしい人形焼のようなドラマです。皮だけでは物足りない、餡だけではちょっとしつこい、どちらもバランスよくマッチして初めて更なるおいしさにたどり着く。そんなドラマですから、どうか最後まで味わってください。
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