INTERVIEW[インタビュー]

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溝端淳平(松宮脩平役)

(写真)―― 演じられる「松宮脩平」について教えてください。
加賀恭一郎ほどじゃないにしても、松宮も頭が切れる、まっすぐな刑事です。ぼくの演じる松宮脩平という役は、原作では別の作品(『赤い指』)に登場していますが、そこでの加賀との確執は、一つの解決を見ていると思うし、年齢設定も違うのであまり意識しないようにしています。

―― 加賀と松宮の距離感とはどのようなものでしょうか?
探りさぐりですね。刑事としては「負けたくない」という気持ちを強く持っていると思います。松宮は、加賀恭一郎はヘンな人だしまわりを振り回すし、困った人だなあと思っていても、刑事としての鋭さや能力は認めているんです。一緒にいれば勉強になるところはたくさんあるから、圧倒されながらも尊敬しているんだろうと思って演じています。

―― 刑事役を演じる上で、気をつけていることなどありましたら教えてください。
段使わない言葉や言い回しが多くて苦労しています(笑)。
刑事というのは威圧感を感じる職業ですよね。一見優しそうな人でも、その奥にあるのは「犯人を逃がさないぞ」という執念というか、強さがあります。その雰囲気を出すには、芝居の厚さとかが必要だと思うのですが、ぼくではまだ人生経験も浅くて、少しでも年上に見られるように意識して演じています。
松宮は、加賀に負けないようにと背伸びをしています。基本的にまじめな人なので、そういう奴がちょっと失敗したりすると面白いかな、とかコメディっぽいシーンでは、素の26歳の「松宮脩平」を出せればいいな、とメリハリをつけるようにしています。

(写真) ―― 警察は上下関係が厳しい世界だと思いますが、俳優業ではどうですか?
俳優という仕事は、芸歴がとても大事ですから、長年第一線で活躍されている先輩たちとご一緒させていただくときは緊張しますし、恐縮しています。警察の世界というのは、ぼくには想像しか出来ませんが、警視庁にいる松宮と所轄の加賀とでは、自分の方が上の立場になるので、警視庁のプライドが邪魔して、更に確執があったから、そこまで素直にはなれないんでしょうね。
でも、ぼくだったらもっと素直に「加賀さんってやっぱりすごいな」と更に尊敬しますね。

―― 共演者の皆さんとの現場での雰囲気を教えてください。
同じ警視庁の刑事として、泉谷しげるさん、木村祐一さんとご一緒させていただいていますが、お二人ともとても温かく、おおらかに接してくださいます。
ぼくがセリフを間違えても「普段言わないような言葉なんだから、そんな言葉使ってる刑事が悪いんだよ!」って励ましてくれるんです。泉谷さんは「覚えてくると飽きちゃうから、台本なんて読んできてない」と口ではおっしゃいますが、とてもまじめに役に取り組んでらっしゃるのがわかりますね。「芝居は技術じゃない、内側から出てくるものだ」という言葉は重みがありました。
木村さんは感覚が若くて、実はいろいろな共通点があることが分かりました。とても物知りですし、監督もされているので、監督目線での芝居の見方とか、話していてとても勉強になります。
阿部さんはじめ、見習うべきことの多い素晴らしい方々ばかりで、現場に行くのが毎回楽しみです。

―― 人形町の印象はいかがですか?
このドラマの撮影で初めて行ったのですが、とてもいきいきしている町ですよね。人も温かくて、食事に入ったお店でも気さくに声をかけて、応援してくださって嬉しいです。歴史ある町で、その町のことをとても誇りに思っていることがわかります。この先も撮影が進んでいくと、いろいろなところにお邪魔することになりますので、楽しみにしています。

――松宮脩平の、どんなところに注目してほしいですか?
テレビを見てくださってる方と同じ目線の松宮が「加賀さん、また勝手なことやって!」と困っているところを楽しんでほしいです。阿部さんは、ポーカーフェイスでリアルに面白いことをなさるので、飲み込まれないようにぶつかっていって、そのポーカーフェイスを崩していきたいです。
やる気や正義感はとても強いですが、松宮修平は普通の青年です。その松宮が、加賀恭一郎とともにいることで、どう成長し、二人の関係性がどうなっていくのか、事件とは別の視点でも楽しんでください。

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