INTERVIEW[インタビュー]

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阿部寛(加賀恭一郎役)

(写真) ―― 連続ドラマで、刑事を演じるのが初めてとは意外でした。
実は、刑事ドラマは多くのパターンやキャラクターが出来上がっている部分が多くて、嵌ってしまう怖さから、これまで避けていたんです。これまで多くの役柄をやらせていただいて、やっと「刑事役をやってもいいんじゃないか」と自分で思える年齢になったところで、この役をいただきました。
「加賀恭一郎」は、原作者の東野先生にとって、想い入れが強いキャラクターです。ぼくが初めて連続ドラマの刑事ものを主演でやらせていただく、その第1作目が、原作者が大切にしている「加賀恭一郎」というのは、本当に役者冥利に尽きると感じています。この役を演じるには、今ぐらいの年齢がいいタイミングだったのかもしれません。
原作のイメージを崩さないよう、なおかつテレビドラマとして魅せるための人間味など、プラスαをしっかり出して、自分なりの刑事ドラマを作っていきたいです。
俳優の仕事は、作品がかわるたびにいつも「新参者」です。毎回毎回新鮮な気持ちで取り組んでいます。

―― 原作をお読みになって、どのように「加賀恭一郎」を作り上げていますか?
実は、原作には「加賀恭一郎」という人物作りのヒントが意外と少ないんです。雰囲気はわかるけれど、具体的な動きなどは分からないんですよね。ぼくはドラマとして、見ている方に「加賀恭一郎」という人物を届けるための役作りをしなければいけません。例えば、ドラマにはセットや物で状況説明ができるので、それに触る動き一つとっても、ポーカーフェイスの加賀ですから、意味が生じます。最初のうちに、加賀のクセとか決めてしまうとそれが最大限になってしまう怖さがありますし、とらわれて固くなると失敗してしまうので、概念から飛び出して、自分なりの人間臭い「加賀恭一郎」を欲張りに作り上げていきたいです。

(写真) ―― 共演者とは、どのように接していらっしゃいますか?
自分本位にならずに、共演者の演技を引き出していく役目だと思っています。
いい芝居は、相手と一対一でぶつかりあって出来上がっていくものだと思うので、事前に芝居の作りこみは、今回していません。刑事ものは毎回の捜査対象が主役になってくることが多いですから、向き合う相手が変わっていくことで雰囲気、演じ方も変わってくると思うので、そこは楽しんでいきたいと思います。
今回のドラマは、若手の共演者もいれば、ベテランの方もいらっしゃいます。年上の方に対する芝居と、年下に対する演技とで違ってくると思いますから、加賀のいろんな顔を出して、遊びの芝居も本気の芝居もいろいろやっていきます。
若手の共演者や、初めて会った方もいるのですが、ぼくは相手の感性を信じてまかせるだけです。役作りで悩んでいるときには「こうすればいいんじゃないか」と軽いアドバイスをしていますが、それが正解なのかはわかりませんし(笑)。

―― 「人形町」という舞台で、どんなドラマを作り上げていきたいですか?
人形町は、古くからのもの、新しいものが凝縮された町です。そこに「加賀恭一郎」という、まったく異質の人物が舞い降りて、この町の人間模様を解きほぐしていくんですが、1話1話の見せ方が難しいですね。その分、決してありきたりではない、見たこともない新しいものを作れると思っています。

―― 「加賀恭一郎」の見どころは、どこでしょうか?
加賀は基本的にポーカーフェイスですが、木村さんや溝端くん、ほかの皆さんが、そんな加賀をどんどん壊しにくるので、ポーカーフェイスを保ちながらの加賀との、コミカルな絡み方を楽しんで欲しいですね。

―― 見ている方に、メッセージをお願いします。
日曜よる9時は、家族で楽しんでいただける時間です。春、新生活も始まった方も多いと思います。そんな皆さんに、さわやかで、明るい気持ちになって「今週もまた頑張ろう」と思ってもらえるようなドラマにしたいですね。

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