[ 千の証言・投稿 ]
東京都渋谷区・青山三千子さん(84)
「何で生命が惜しかろう」。小学生だった私は、この言葉を歌う少国民であった。しかし、出征する伯父が、万歳の声に送られながら、後に残す妻や子を案じながら肩を落としていた後ろ姿や、ハンサムな従兄が見送りに出かけた私たちにニコリともせず、見たことのない悲しい目をして出兵したことは、子供心に深く突きささった。
伯父は帰還したが無口な人になり、従兄は密林の泥沼で戦死したという。あの戦争について日本は「東洋平和の為(ため)」といった。敗戦、平和になって69年後、安倍晋三首相は集団的自衛権などの政策実現のため、「世界平和の為の協力」を要求。私たちは又、あのかつての戦争の「協力」と同じ道を歩んでいるのではないだろうか。