陳さんの消防ルック解説講座

ドラマ用にオレンジ色で制作したとはいえ、生地も性能も本物の防火服とま〜ったく変りないのね。
ひとつだけ異なるのは、俳優の動きやすさを考えて、分厚い裏生地を付けていないこと。
裏生地さえ付いていれば、横浜消防に正式採用される可能性も有りだったのよ。

防火服は、フラッシュオーバー (1,000度) なら15秒まで、輻射熱 (700〜800度) なら54秒まで耐えるのね。
首を保護するために付けているおかっぱ頭みたいな布は 「しころ」。
防火服と同じ素材でできているよ。
同じく防火ズボンは、フラッシュオーバーに9秒、輻射熱に11秒まで耐える。
つまりあくまでも 『耐火』 であって、けっして 『不燃』 ではないのね。
だから防火服は限度を超えたら燃えてしまうのだ―― ちょっと意外よね？
ガッチリとした防火靴は、100kg の落下物の重さにも耐え、かつ靴底は耐火ゴムで耐熱性抜群。
灼熱の床の上でも動き回れるのよ。

ちなみに防火服一式だけで、6kg 以上。
これに空気ボンベや面体、無線やライトなど各種装備をつけると総重量は20kgにもなるのよ。