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2005年08月09日

　『秋刀魚』のブランド競争、日本一の漁獲地区・道東で過熱

今朝は日本一のサンマの産地、北海道東部の道東地区で過熱している『サンマのブランド化競争』のお話。

道東地区とは歯舞・浜中・厚岸・釧路の４港。
全国のサンマの６割を漁獲していますが、この４港が各々、別のサンマ・ブランドを立ち上げて競っています。

厚岸『大黒サンマ』、根室・歯舞『舞サンマ』、浜中『日帰りサンマ』・釧路『青刀』の４ブランドです。

でもなぜ道東の港がサンマに力を入れているのか

道東地区が『サンマ』に力を入れている背景には、道東における漁業形態の変化があるようです。
最初に「舞さんま」としてブランド化に乗り出した歯舞漁業協同組合管理部の小関部長のお話です。

　　　　過去はサケ・マスがこちらの道東地区の主流漁業で、サンマは裏作と呼ばれていただが、サケ・マスは二百海里の規制になって、常にロシアとの交渉の結果に左右される。そして船も減っていて、沖獲りも禁止になっていますから小規模な漁業の形態に変わり、この７，８年はサンマが主力になっている。

　　　　年々、道東におけるサンマの重要性は増しているようです。
しかし、大衆魚としてのイメージが強いサンマは、あまり高値では売れず、一方で捕れ過ぎると価格が急落する漁業者泣かせの魚。そこで、サンマの価格の不安定さに対応すべく道東の各港が目を付けたのが「鮮度」を武器としたブランド化。

サンマ・ブランド化の背景は･･･

サンマのブランド化には次のような背景もあります。全国サンマ棒受網漁業共同組合・組合長の保田さんのお話です。

流通の機構が非常によくなりましたよね。クールで送れるようになったとか。
そういう事で、サンマの刺身の需要がすごく伸びてきているんですよ。
ネーミング・ブランド化というのは、生食、刺身でも食べられる鮮度のいいモノをそれぞれの市場が送ろうと努力している結果がブランド化につながって面もある。

鮮度で勝負すれば、価格下落の要因となる冷凍された前年の在庫や韓国・台湾などの輸入サンマにも影響されず価格を維持できるという利点もあり、道東のサンマ・ブランドがこだわるのは、とにかく鮮度。

例えば、歯舞のブランド「舞サンマ」では直径０・１ミリの氷粒を使った独自の鮮度を保つシステムを導入。水槽の水温の推移も記録し、プラス２度を上回れば、「舞サンマ」から除外するというこだわりよう。
また浜中のブランド「日帰りサンマ」は漁場が近いの利点を生かして、夜に出漁し、翌朝水揚げするとして鮮度のよさを売りとしている。

サンマ・ブランド化の現状

今のところ、うまくいっているのは釧路のブランド「青刀」のみ。
漁獲から水揚げ５時間以内、一匹１７０グラム以上などの規定を設けた「青刀」は競りを通さず相場の１･５倍の価格が設定されるという事ですが、他の３港のブランドはまだまだこれからという状況のようです。
今後の目指すところを「舞さんま」の歯舞漁協の小関部長に聞きました。

関サバってあるでしょ。サバは大衆魚だけどかなり高い価格で流通している。
サンマについてもこんなにおいしいものだったのかと、改めて認識してもらう為にいかに鮮度を保つかという努力をしている。

めざせ『大衆魚の星・関サバ』という感じのようです。
因みに今年のサンマですが、取材をした感じですと、きのうの水揚げは大きいサンマも捕れていたようでしたので今年は期待できそうでした。

けさの担当は泉貴子でした。