森本毅郎スタンバイ! WEBラジオ ラジオトップ TBSトップ サイトマップ
現場にアタック
今朝のスタンバイ
現場にアタック
トークパレット
ハワイにおいでよ!
映画情報
ものだめし
ブックナビ
世論調査
 ご意見はこちら
----------------
デジタル教室
お知らせ
ポッドキャスティング
番組紹介
出演者紹介
番組への御意見・
ご感想お待ちしております。
 メールアドレス
stand-by@tbs.co.jp

番組放送中(6:30〜8:30)は電話・FAXでも受け付けております。
電話 03-3584-0954
FAX  03-5562-9540
2005年07月12日
 最近のカブトムシ・クワガタ事情〜外国産急増で国内産ピンチ!?

けさの担当は泉貴子です。
今日は夏休みも間近という事で、カブトムシとクワガタのお話。

今、小学生の間で大ブームのカブトムシやクワガタ。
とはいっても、私が知っているあのカブト虫やクワガタとはちょっと違います。
彼らが好きなのは「外国産」。

カブトムシやクワガタの最新トレンドとは…
中野区のむし社という専門店に行ってきました。店長・飯島さんのお話です。

一日に売れる時は100匹ぐらい売れる。
土日の昼間はお店に2、30人はいて、家族連れで賑わっている。
人気があるのは、手ごろな値段の虫。手ごろ値段とは2000〜3000円。
あと幼虫は値段が安いので人気。ヘラクレスやオオクワガタの幼虫でも千円ちょっとで 手に入る。店内のおよそ7割は『外国産』。


数がよく出るのは手頃な価格の国産が多いものの、子供達の人気は大きくて強そうな「外国産」。
コーカサスオオカブトやギラファノコギリなどなど…

外国産カブトムシやクワガタの輸入解禁
1999年末に外国産カブトムシやクワガタの輸入が解禁になった。
かつては図鑑などでしか見られなかったヘラクレスオオカブトムシという世界最大のカブト虫(最大16センチを超えるそうです)も、今や成虫で買うと2,3万円から買えます。しかも、幼虫で買うとなんとたった1380円。(育てるのにおよそ2年間かかるという事ですが)
農林水産省の調べでは、輸入解禁後、4万匹だったカブトムシの輸入量は昨年56万匹、3万匹だったクワガタは49万匹へと急増したそうです。

『外国産』の輸入急増、その背景には…
小学生の『外国産』人気の背景には、『ムシキング』と呼ばれるカードゲームがあります。
世界のカブトムシなどをキャラクター化したカードで対戦するゲームで2年前に登場して以来、特に小学生の間で大ヒットを続けています。
『むし社』の店長のお話では、『ムシキング』仕込みの豊富な知識をもった子供たちはカード持参でやってきて、「やっぱヘラクレスはいないのか」とか「うちの方が大きな」などとワイワイと虫達を見学して行くそうです。

輸入急増に関する問題点
子供達が身近にいろいろな昆虫に触れられ興味を持つのはいい事なのですが、急激な外国産昆虫市場の拡大には不安な要素もあります。国立環境研究所の五箇研究官にお話を伺いました。

ここまで市場が拡大していくとは予想外だった。一番大事なのは、実際に飼育している大半が子供たちだということ外国産の生き物を飼うという事がどういうことかということの教育、啓発が必要になってくるだろう。要は一端、飼った者は絶対逃がさないようにするという事です。

今や世界各地の昆虫が、街の専門店のみならず、スーパーマーケットやインターネット上でも売買されるようになりました。しかし、身近に手に入るようになったからといっても外国の生き物はあくまで外国の生き物。飼えなくなった時に国内産と同じように「かわいそうだから自然に帰してあげよう。」などと『外国産』を自然に放ってしまうとたいへんな事になります。

どういった事が起こるのか。すでに、その影響が出始めているという事なので、国立科学博物館昆虫第2研究室の野村主任研究官にお話を伺いました。

実際にヒラタクワガタの飼育個体に外国産の病原体が広まって、たくさんの個体が死んだケースが報告されている、また野外でも日本のいくつかの地域で、個体に外国産の遺伝子をもったものが見つかっている。

野村さんによると『外国産』が自然に放たれる事によって心配される事は主に3つあります。
・住みかや食料を奪う事で在来種を圧迫する
・外国産のもつダニ(寄生虫など)は病原菌を媒介するケースもある。在来種は外国の病原 菌などに耐性がないので、いっぺんにそういうものが広がる恐れがある。
・在来種に近い外国産もいるが混雑して子供を作ってしまう。そういうものが増えると日本に元々あった遺伝子系が失われてしまう。


取材を終えて
先月一日、在来種を脅かす危険がある外国の生物飼育を制限する外来生物法が施行されたが、すでにカブト虫やクワガタのように日本中に広まっている生物の場合、飼い主の規制を厳しくすると、罰則を恐れて虫を逃がしてしまう可能性もありなかなか対応に苦慮している状況のようです。
世界各国の生き物が、手頃な値段でいろいろな場所で手に入るようになりました。
この事に関してはいろいろな意見もあるかと思いますが、飼い主にとっての責任や知らなくて はいけない事は確実に増えているようです。
バンクナンバーはこちら
 Copyright(C) 1995-2024 TBS RADIO,Inc. All Rights Reserved.