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2005年05月16日
 パソコンで無料電話?〜話題の未来型電話「Skype(スカイプ)」

今朝のリポートは宮脇花織が担当しました。

宮脇リポーター パソコンで電話?
最近、電話業界では値下げ合戦が熱くなっていますが、そんな各電話会社のバトルを尻目に「Skype(スカイプ)」 という新しいタイプの電話(のようなもの)が注目を集めています。
もはやネットをやる人たちの間では常識になりつつある 「Skype」ですが、これはヨーロッパのルクセンブルグにあるベンチャー企業「スカイプ・テクノロジーズ」が開発したもので、簡単に言うと インターネットを使ってパソコンを電話にしてしまおうというもの。

まずソフトをダウンロードして、パソコンにヘッドセットを つないで通話する(最近はマイクとスピーカーが内蔵されているPCも多いですよね)のですが、2003年6月のスタート以来、 口コミを中心に世界中で急激にユーザーが増えていて、現在すでに3900万人(!)もの人が利用しています。



live door ホリエモンも注目!
日本ではあのホリエモンのライブドアがスカイプ社と提携、昨年10月からライブドアのサイトで日本語版の提供を開始(http://skype.livedoor.com/)、 国内でもすでに130万人が利用しており、ユーザー数は右肩上がりの状況です。


Skype同士なら通話は無料
人気の理由は、まず手軽で簡単なこと。 パソコンとインターネット環境さえあれば、無料でソフトをダウンロードでき、Skype同士なら何時間でも無料で通話することができます (相手が外国にいても無料!)。かかるのはインターネットの接続料金だけですが、今は使い放題の定額制の方が多いですよね。 また、スカイプから固定電話や携帯電話など、一般の電話にかけることもできるのですが(Skypeout)、これも割安。特に国際電話については アメリカなら1分間に2.3円程度と圧倒的に格安です(相手にもSkypeに入ってもらえば、これさえも無料になるわけですが)。


Skypeは電話を超えたか?
人気の理由は価格だけではありません。まず音質がいい。これまでも似たようなシステムはあったのですが、このSkypeの音の良さはこれまでのものとは レベルが違います。インターネット回線の状況などによってバラつきはありますが、相手の鼻息まで聞き取れるほどの音質です。
また、電話にはない多彩な機能も魅力です。通話と同時に、チャット機能を使って文字でやりとりしたり(例えばメールアドレスやサイトのURLを伝える 時には、口頭よりも文字で伝えた方がいいですよね。他人に聞かれたくないこともあるでしょうし)、デジカメの写真のデータを送ることもできるんです。 他にも、最大5人まで同時に通話できる会議機能などもあって(世界各国に散らばった5人がスカイプで打ち合わせ、なんてことも可能)、 「Skype」は「電話の代用品」ではなく、まったく新しいコミュニケーション・ツールと考えた方が良さそうです。

例えばこのTBSラジオの社内にもSkype愛用者が少なくないのですが、例えばこんな使い方をしているようです。

「小学生の娘がひとりで留守番をするときに、家のパソコンのスカイプと会社に持参したPDAのスカイプをつないで、娘の様子を音でモニターしている。 娘の方からもパソコンに向かって呼びかければ僕が応えるので安心。つなぎっぱなしにできるからこそ出来ることですね。」

「最近、大阪の父がパソコンを買ったのですが、わからないことがあるとすぐに電話してくる。電話でパソコンのことを伝えるのは難しいし、電話代もバカにならない。そこで、お互いにスカイプを導入して画面を見ながら説明すると話が早い。何より電話代が助かりますね。」



宮脇リポーター、、、、、、何だか家族思いのイイ人が多いみたいですね、この会社。それはさておき、工夫しだいで電話とはちがう新しい使い方がいろいろ出来そうです。

さて、このSkypeですが、操作も難しくないのである程度インターネットに慣れた方なら問題なく使えると思います。ただ、このSkype基本的に無料サービスですから、ある程度自己責任でやらなければなりません。初心者の方は詳しい人と一緒にはじめた方が安心でしょうね。


なぜ無料で出来るのか?
それにしても、なぜこんなサービスを無料で提供できるのでしょう?ポイントはP2P(Peer To Peer)という技術です。 ものすごく大ざっぱにいえば、中央のサーバーで制御しないで個々のパソコンを直接つなぐシステムです、たぶん。すみません、あまり詳しくないのでhttp://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NCC/denwa/20050427/1/(日経BPのサイト)などをご覧いただくとよくわかると思います。とにかく、ユーザーのパソコンが自律的に システムを作るので、利用者が増えてもサーバーを増設するなどの設備投資が必要がないようです。そのうえスカイプ・テクノロジーズは、3900万人のユーザーを抱えながら (「抱えながら」という表現はちょっと違うな。もっと緩やかな感じですね)、社員数はわずかに100人程度。スカイプアウトなどの追加的機能で利益が上がれば十分にやっていけるというわけです。


skype 目的は“Change The World”
また、日経ビジネス副編集長の山中浩之さんに聞いた話によると、ニコラス・センストロム社長は「スカイプ社の目的は、金儲けよりも"Change The World"だ」 と言っているそうです。"Change The World"ですよ、「世界を変える」ですよ。カッコイイですね、言ってみたいセリフですね。もちろん、事業を続けていくためにある程度の利益は必要ですが、お金を得るために事業を展開しているのではなく、自分たちが開発したシステムで世の中のコミュニケーションがもっと豊かになることが嬉しい、ということのようです。この考え方は、先月ゲストに お招きした「株式会社はてな」の近藤淳也社長にも似ています。近藤さんも「はてな」が展開する新しいサービス(「人力検索」「はてなダイアリー」など)を通じて世の中がもっと便利に豊かになって、自分が死ぬ時「あれは僕たちが作ったんだよ」と言えれば満足だ、とおっしゃっていました。数十万人のユーザーに対し、社員が10人程度しかいないのもスカイプ社と似ていますね。何か新しい価値観、新しい論理で動く起業家たち出てきたなあ、という思いを強くします。


ビジネスの常識が覆る?
それにしても、スカイプ社のような新しい発想の会社が出てくると従来の会社にとっては相当脅威になるのではないでしょうか?かつて通信事業といえばNTTのような巨大企業が巨額のインフラ投資をした上で、それを回収していくというスタイルでした。大量の人員で大きなインフラを支える企業は高い利潤を追求せざるをえませんが、そういう会社にとって、「あまり儲けなくてもいい」なんていう会社は非常にやりにくい相手でしょう。普通、「金にならないからやらない」ことを、「金にならなくてもやれちゃう」会社というのは強いはずです。ガツガツ稼ぐ気のない会社が青臭い理想主義のまんま学生気分でやってる(←とオジサンたちには見える)まんま、何気なく巨大企業を倒していまう。もしかしたら、そんなことも起こりつつあるのかもしれません。

、、、と他人事のように書いてますが、われわれ放送局の人間にとってはまったく他人事ではありません。テレビもラジオも電話もインターネットで出来てしまうということですから。スカイプがあれば、大げさなスタジオなんかなくたって、簡単にお金もかけずに討論番組が作れるし(しかも世界中の人を集めて)、それをネットで配信することも可能でしょう。さて、、、。

担当ディレクター 長谷川裕
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