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2004年06月28日
 「出会い系」から「知り合い系」へ!?〜注目のSNSについて

今日の話題は、最近注目を集めているインターネットの新しいサービス「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」略して「SNS」についてです。
これは日本語では「知り合い系サイト」とも言われているサービスで、ネット上に自分のプロフィールなどを掲載して、メールや掲示板を通じて知り合いを作ったり、交流を深めたりするためのサイトです。

というと、いわゆる出会い系サイトじゃないかと思われそうですが、SNSは「出会い系」とは違う画期的な特徴があり、注目を集めているんです。

どんな特徴があるのか、日本初の、そして最大のSNSサイト「GREE」を開発、運営している田中良和さんに伺いました。

「友だちの紹介がなければ入れないのが特徴。不特定多数の見ず知らずの人が対象ではなく、どういう人なのかがわかっていることが特徴なんです」

すでに登録している知り合いから、招待状のメールをもらって初めて新規登録できる仕組みになっています。一般の「出会い系サイト」の場合、見ず知らずの人との交流になるので、リスクがあるし、いかがわしいメールなども来やすいのですが、SNSは紹介制なので安心感があるというわけ。会員制のクラブのようなものですね。

その信頼感が人気を呼び、「グリー」は2月末に田中さんが自分の4人の友だちに紹介したところから始まって、紹介だけですでに5万数千人。
国内第2位のSNSサイト「ミクシィ」も開始4ヶ月で3万5千人のメンバーを獲得。ともにここ最近は1日に500人〜1000人くらいのペースで増加しています。

「GREE」を開発した田中良和さんは某大手IT関連企業の社員なんですが、「GREE」は全く個人的に運営しています。その動機を伺いました。

「現実の世の中のルールをネットの世界に持ち込みたかった。現実の世の中で簡単には悪いことをしないのは、親や友人など、人との信頼関係を壊したくないから。匿名のネットの世界にはその歯止めがなかった。」

匿名で自由に話せることにはポジティブな面もありますが、それが暴走して気持ちのいいコミュニケーションが妨げられている面もありますよね。ネットにも現実の世の中と同じ程度に抑制されたコミュニケーションの場があってもいいのでは、という発想です。もちろん、現実の世の中でもケンカや行き違いはあるので、これで完全に防げるわけではありませんが、ネット特有の匿名性ゆえの暴走は起こりにくいようです。

基本的には友だちづきあいを深める、また、友だちの友だちは友だちだという形で、友人関係が広げるといった使い方が多いのですが、最近はビジネスの場面でも重要なツールになりつつあるようなんです。その点について、IT関連企業に勤める伊藤直也さんに伺いました。

「イベントなどで大勢と名刺交換をするが、しばらくすると相手を忘れてしまいがち。しかし、会った相手とお互い『GREE』のリストに入れておけば、忘れずにすむので大変便利です。」

26歳でIT関連の仕事をしている伊藤さんの周辺では、GREEに登録しているのはもはや当たり前。あとはお互いのページをリンクするだけとのこと。会う相手がわかっている場合には、事前にグリーでチェックすることもあるそうです。

友人を紹介していくので、同じような属性の人に広がりやすい傾向があるのは確かで、GREEの場合、今ところITベンチャーや通信関連、外資系企業に勤める若い人や、有名大学の学生さんが多いようです。実際、運営している田中さんも、活用している伊藤さんも20代にして実績のあるネットベンチャー業界では有名な方たちなんです。

基本的には無料サービスであるSNSですが、運営する側にはどんなメリットがあるのでしょうか?その点を、国内第2位のSNSサイト「mixi」を運営するイー・マキュリーの笠原健治社長に伺いました。

「ユーザー数が爆発的に伸びる可能性があると読んでいます。人が集まるサイトを持っていることは何をするにも有利。自社のサイトに誘導することにも使えます。」

ということで、副次的な効果はあるもののまだSNS自体で儲かっているというわけではないようです。アメリカでは700万人のメンバーを獲得しているSNSサービスもあり、日本でも100万人〜500万人ぐらいまで伸びるという予想もあります。そうなれば広告収入も期待されますが、本格的なビジネスモデルの構築はまだこれからの課題という段階のようです。

しかし、それでかまわないというのがGREEの田中さんのご意見。

「わからないというのはチャンス。わかってたらみんなやるんです。わからないことが上手くいったら最初にやった人が一番得をするんだから、わからないということもビジネスにとっては価値がある」

あまりコストをかけずに新しいことが出来るのがネットベンチャーのいいところ。とにかくやってみて、普及していけばビジネスチャンスは後から着いてくる。「あのヤフーだって学生2人が始めたんだから」とのことでした。

未知数の部分も多いSNSですが、成熟したインターネットのコミュニケーションのあり方みたいなものが、若い世代の中から生まれつつあるのかもしれませんね。

レポーターは徳武樹里でした。
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