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2004年02月20日
ユネスコの「世界無形遺産の傑作」に選ばれた、
日本の伝統芸能「文楽」

スペシャルウィークの今週、「現場にアタック」では、「クール・ジャパン、世界が認め始めた日本の格好良さ」と題しまして、世界でカッコイイ、と認められた日本人を番組独自の切り口で紹介しています。

文楽金曜日は、日本の伝統芸能、「文楽」についてお伝えしました。
この「文楽」、ユネスコの「世界無形遺産の傑作」に認定され、先月末に授与式が行わるなど、世界が注目する日本の伝統芸能なんです。

9歳から大夫として活躍し、去年「国立劇場文楽大賞」を受賞された「豊竹咲大夫」さんは、世界無形遺産に選ばれたことについて、世界に類を見ない人形劇ということで評価されたのでは、とおっしゃいます。
人形劇というとお子様向けと思われがちで、まさか文楽で「心中もの」などの演目を行うとは思われないそうです。
また、外国の人形劇が1人使いに対し、文楽は3人。
その点が世界的に認められ、数年前から海外での「文楽熱」が高まったそうなんです。
フランスでは、近松門左衛門の「曽根崎心中」が行われ、絶賛されています。



文楽この「文楽人気」、海外だけではなく国内でも高まっていて、現在公演中の「曽根崎心中」は前売り券が完売という状況です。

しかし、多くの伝統芸能にあるように、文楽にも辛い時代がありました。
特に高度成長期は、「文楽」の本場大阪では経済ばかりで、文楽は見向きをされず興業が打てなかったそうです。
また、文楽自体も2つの団体に分裂、さらに当時文楽の営業を行っていた「松竹」が経営が立ち行かなくなり、手を引いてしまうなど、受難の時期が続きました。

この非常事態に、国・大阪府などが共同で文楽協会を設立し、国立劇場が文楽の三業(大夫・三味線・人形)の育成に力を入れ始めました。
実はこの研修制度が設立されたのは、今からおよそ30年前ですが、長い修行期間が必要なため、成果が出てきたのは最近のことだそうです。



咲大夫さんと 危機を脱し、人気を取り戻した文楽ですが、咲大夫さんは、伝統芸能の「長い修行」について嫌いな言葉あります。
それは「一生修行」というもの。
確かにうぬぼれだけでは芸が向上しませんが、謙虚だけでもダメ。
何より、楽しむ所もないと、何の商売もやっていけないのでは、とおっしゃいます。

咲大夫さんは、やりたいことをやろうと「咲大夫の会」という企画公演を始め、あまりなじみのない演目を80年ぶりに復活させるなど、取り組み続けています。
この咲大夫さんの独自の取り組みが文楽の幅を広げ、活気を取り戻し、また世界無形遺産の認定にも繋がりました。

アニメ、映画など、海外で評価される日本文化が増えつつある中、「文楽」など伝統文化にも注目が集まっています。
日本の「カッコ良さ」の原点は、ここにあるのかも知れませんね。

レポーター近堂かおり
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