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2003年11月20日
アジア経済研究所の酒井啓子さんにインタビュー
〜イラク問題を聞く〜

11月20日、木曜日の「現場にアタック」はアジア経済研究所の酒井啓子さんにスタジオに来て頂きました。

酒井さんは岩波新書「イラクとアメリカ」などで知られるイラク問題の第一人者で、1986年から3年間、日本大使館の専門調査員としてイラクに住んでいらしたこともあります。
泥沼化しているイラク問題や、イラクの人達の生活ぶりなどについてお話を伺いました。

イラクでは電気や電話など、生活の基本的なインフラが破壊され、道路も信号が機能せず、交通は大混乱。
また、アメリカ軍そのものが市民生活の障害になっているそうです。
アメリカ軍はバグダッド中心部のフセイン大統領宮殿を占領当時に使っているので、その周辺、しかも広い範囲に渡って「立ち入り禁止」になっています。
東京で言えば、皇居周辺が広範囲に立ち入り禁止になっているようなもので、首都の中心部を通りたくても、大きく迂回しなくてはならず、交通渋滞を悪化させています。
そのため、イラク国民のアメリカ軍に対する不満は、政治的なものよりも経済的・生活面のものが大きいのです。

実は、ほとんどの国民はフセイン政権が打倒されてホッとしているようなんです。
しかし、そのホッとしたのもつかの間、未だに戦争で悪化した生活水準が元に戻らないこと、職がなく収入が得られないなど、期待が裏切られた、という思いが強いのです。

戦闘終結後も、アメリカ軍を狙った攻撃がやまず、アメリカ軍の統治がなかなか上手くいかない中、アメリカはこれまでの方針を転換して、出来るだけ早くイラク人主体の政権に移譲する方針を打ち出しました。
しかし、これが上手くいくかどうかは、この政権が誰によって担われるか、ということが大きなポイントになってきます。
現在、統治評議会のメンバーの大半は海外に亡命していたイラク人達です。
国民の信頼が厚い穏健な宗教指導者たちと、実務能力のある官僚達を参加させなければ、本当に意味でのイラク人主体の政権にはなり得ないのではないでしょうか?

さて、日本では、自衛隊派遣の時期が問題となっていますが、イラク人が本当に望んでいることは自衛隊ではなく、 早く日本の民間企業が投資して、イラクの生活水準を引き上げてくれることです。
今は「いかにアメリカに貢献するか?」ばかりが議論されていますが、イラク国民に本当に望まれていることは何なのか、という視点が必要なのではないでしょうか?
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