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2002年12月17日
世界進出は望遠鏡から始まった〜「三鷹光器」

会長の中村義一さん スペシャルウィークの今週は、好評企画「世界レベルの中小企業」第3弾!
2日目は東京・三鷹市の「三鷹光器」を取材しました。

担当はディレクターの矢田絵里奈です。

「三鷹光器」は、望遠鏡を主に作っていた会社でしたが、現在はその技術を利用して、脳外科手術に使われる顕微鏡や、1ナノまで測る三次元測定器に力を入れています。 ヨーロッパの一流企業と提携するなど、まさに世界レベルです。 年間売上高10億ですが、社員数34名という少数精鋭の会社です。

創業者は現在会長の中村義一さん、71歳。 今でも、青い作業服を着て、朝から晩まで若い技術者と一緒に働いていらっしゃいます。 三鷹出身の中村さんは17歳のとき、家の近くにあった国立東京天文台に就職します。 特に天文学に興味があったわけではありませんでしたが、手先が器用で、物作りが好きだったこともあり、望遠鏡作りに没頭することになりました。

三鷹市の「三鷹光器」 そして独立後、望遠鏡作りの技術を生かして、1976年にNASAのスペースシャトルに搭載された特殊カメラを作りました。 周りからは「優秀な技術者もいない、そんな小さな会社になぜそんな大きな仕事が出来るのか?」と言われたそうです。 その理由を中村さんは、「大手メーカーは立派な人が学問上で作っているけど、うちは天文少年が作っているから。」とおっしゃいます。 宇宙ってどうなっているんだろう、という想像力が働くかどうかが物作りには大切なんだそうです。

そんな天文少年が多くいるこの会社、入社試験がかなりユニーク! 自分の顔のデッサン、昼は近所の食堂でお魚などを出して、箸の使い方をから手先の器用さを見る、そして極めつけは模型飛行機を作り。 上手く飛んだらそれだけで80点です。

三鷹光器が現在、力を入れている一つが、脳神経外科手術用の顕微鏡です。 当初、日本国内で売ろう、と思ったそうですが、2000万円以上する医療機器を中小企業が売るのは、法律の壁や、中小企業に対する偏見などもあり、途方に暮れていたそうです。 そんな時、スイスの一流カメラメーカー「ライカ」の社長直々に熱烈なラブコールを送ってきて、提携することになりました。 また、携帯電話などの非常に細かい部品などを1ナノまで測定する「非接触三次元測定器」も高い技術を誇っています。こちらは1台5000万円!だそうです。

会長の中村義一さんと一緒に 中村さんの原点である「天体望遠鏡」は、現在1年に1台ほどの生産だそうですが、顕微鏡も三次元測定器も、全て原点と結びついていると言います。 「あんなに遠い宇宙を見ることが出来るんだったら、こんなに近くの脳を見るのは簡単でしょう。それに、星の距離を測ることが出来るんだったら、目の前のものを測るのは難しくないでしょう。」と。

なるほど。そう言われてみればそうだけど・・・・。普通それを思いつくことがなかなか出来ないんですよね。 それにしても、最先端の機器を作っているのに、「物作りの心」を大事にしていることに、温かさを感じてホッとしました。
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