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2014年08月07日(木)放送分 「糖尿病でも100歳まで生きられる」
今朝のテーマは、「糖尿病でも100歳まで生きられる」。AGE牧田クリニック院長の牧田善二先生にお話を伺いました。 糖尿病でも100歳まで生きることは可能なのでしょうか? 腎症、失明、壊疽の三大合併症は薬や手術で治る時代になった。合併症をチェックし、糖尿病の人がなりやすい、がん、心筋梗塞、脳卒中などを早期発見・早期治療すれば100歳まで生きることは可能です。 大切なことは、「今の血糖値で一喜一憂しない」こと。 合併症の発症は、今の血糖値より糖尿病になって何年経過したかという期間が深く関わっている。 過去に高かった血糖値のツケが後で出てくることがあるので、今の血糖値を下げても合併症が発生することはあり得る。 また血糖値を下げても、例えば腎臓や眼の合併症は治りません。 最新の糖尿病治療の考え方の主軸は、血糖コントロールから糖尿病合併症の早期発見・早期治療へと移ってきた。 早期発見のためにチェックするべきことは何でしょうか? 『尿アルブミン値』をチェックすること。 糖尿病が引き起こす合併症の中で、最も憂慮すべきものが「糖尿病腎症」。腎臓が本来の機能を果たすことができなくなり、最悪の場合は人工透析が必要となる。 「糖尿病腎症」の等級は、腎臓の機能レベルを測る「尿アルブミン値」で測る。正常値は「0〜18」。 「尿アルブミン値」が10を超えてからは3カ月ごとに検査することで、正常値を超えても腎症を早期に発見できる。正常値を超えたら腎症が発症したということになり、すぐに治療を開始する。 糖尿病の方が普段の生活で注意することはありますか? 「カロリーは気にしなくていいから、炭水化物を減らす」 糖尿病治療の考え方の主軸は、血糖コントロールから糖尿病合併症の早期発見・早期治療へと移ってきたと、言いましたが、各種糖尿病合併症の原因は、確かに「持続する高血糖」であることに変わりないので、そうならないように予防的に血糖値を下げた方がよいことは変わらない。 そこでご紹介するのが、 血糖値を高めないための食事法「カーボハイドレード・カウンティング」=「炭水化物を計算する」食事法 炭水化物だけを摂取制限対象にする食事法。 ただ、だからといって、炭水化物を絶対食べてはいけないとは言わない。 「5回に1回」くらいに割合で炭水化物の多い食事をしても何とかコントロールは可能。 食べたら食べっぱなしにするのではなく、食べた後にすぐ、少し体を動かせばいい。なぜ、食べた直後かというと、血糖値の上昇は想像するよりも早く始まる。上がった血糖値を下げるのではなく、早めの運動で血糖値を上げないようにする。 例えば、ラーメンを食べたいのであれば、近所のラーメン屋ではなく、片道20分の距離にある店に行くようにすれば、嫌でも食後に20分のウォーキングがついてくる。 他にも糖尿病患者の方が長寿のためにやるべきことはありますか? 4つの検査を定期的に実施する。 1.「胸部と腹部のCT検査」 →がんの検査のため。必ず首の下から下腹部まで全部、毎年。 2.「胃腸のカメラ」 →がんの検査のため。毎年。 3.「冠動脈CT検査」 →心筋梗塞予防の検査のため。3年ごと。 4.「脳MRI、MRA検査」 →脳卒中、がん、動脈瘤そしてアルツハイマー病の検査のため。2年ごと。 今朝、お話頂いたことは、牧田先生が「文春新書」から出している「糖尿病で死ぬ人、生きる人」にも詳しく紹介されています。 ぜひご一読ください。 |
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