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2014年07月31日(木)放送分 「老後も働く」
「いきいき老活塾」今朝のテーマは、「老後も働く」政府の年金記録回復委員会の委員を務めた、 特定社会保険労務士の稲毛由佳さんにお話を伺いました。 60代で働いている方も多くいますが・・・。 「60歳で定年退職。その後は、年金と退職金とのんびり過ごす・・・」 かつては、このような60歳のハッピーリタイアメントが一般的でした。しかし、今は、そうではない。 現在、高齢者およそ3200万人のうち、5人1人が働いていると言われています。 また、男性だけを見てみると・・・ 2009年版の高齢社会白書によれば、60歳から64歳は73.1%、65歳から69歳は50.1%が働いています。 定年を60歳としている企業は多いですが・・・。 実は「高年齢者雇用安定法」という法律により、65歳までの雇用が義務づけられている。ただし、必ず65歳まで働き続けられるというわけではない。 法律では、 ●「定年制度を廃止する」 ●「定年を65歳まで延長する」 ●「65歳までの継続雇用制度の導入」の3つの選択肢が設けられていて、9割を超える企業が65歳までの継続雇用制度を選んでいる。 継続雇用制度では、原則として、希望者全員を雇用することになっています。しかし、ほとんどの会社が半年、あるいは1年契約を更新するというスタイルをとっていて、 老後の年金の支給が始まっている人を対象に例えば ●「直近の健康診断における検査数値が正常値」 ●「過去3年間の人事考課が平均以上」 ●「特定の資格の保有者」などと、 一定の基準に該当する人だけを契約更新の対象とする制度設計が可能となっている。 したがって、働き続けることを希望したからといって、必ずしも願いが叶うわけではない。 今年度、定年を迎える人は、61歳から年金の支給が始まります。61歳までは、希望者全員、継続して働くことができますが、61歳以降は先の基準に該当しなければ、働き続けることができない。 次の年度、2015年度に定年を迎える人の老後の年金は62歳からです。62歳までは希望者全員、働くことができますが、62歳以降働き続けるには基準に該当しなければ、働き続けることができない。 このように、希望者全員が働き続けることができる年齢が、段階的に引き上がっていきます。 とはいえ、積極的に継続雇用を推進する企業は年々、増えている。ちなみに、60歳以降の給料は定年前の6割から5割程度に下がるのが一般的です。 そこで、収入を維持しようと、再就職にチャレンジする人も多いですが・・・。 まず、60代の中途採用の門戸の狭さといったら、大変なものです。そして、60代のシニア人材を求めているのは、ほとんどが中小・零細企業。営業のエキスパートであるとか、何かしらの専門的知識や技量を持っているといった「強み」がなければ、 平社員、あるいは3ヶ月、半年といった契約社員からのスタート。20代、30代の頃の年収に逆戻りなんていうことも、よくある話です。 好きなときに少しだけ働きたいという人は、どうすればいいのでしょうか? 「シルバー人材センター」を利用する。利用者は原則「60歳以上」で、「健康」と「やる気」があり、さまざまな請負・委任仕事を個人で受注できる。仕事内容は「経理事務」や「パソコン教室講師」といった専門的な仕事から、「講演の清掃作業」や「公民館の受付」などの軽作業、「処方薬の受け取り」や「保育園のお迎え」の家事援助と、多岐にわたる。 労働時間は、「毎日3時間から4時間程度」や「ひと月で2日から3日」といった具合に選択肢も多い。 また、最近では高齢者をアルバイトで雇う企業も増えています。 最後に、現状についてお話すると、60歳以上の就業者の仕事内容は、「清掃」「自動車運転」「保安」が全体の3分の1を占めると言われています。 と稲毛さんは仰っていました。 この機会に、老後の働き方を考えてみてはいかがでしょうか。 |
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