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2014年07月10日(木)放送分 「昔話(むがすこ)について」
今朝は、皆さんに「昔話」と書いて「むがすこ」と読む歌集を紹介しました。この歌集「昔話」を出されている 仙台にお住まいの歌人、佐藤通雅さんにお話を伺いました。 まずは、この歌集の題名の元となった歌を紹介します。 「昔むがす、埒もねえごどあったづも 昔話となるときよ早来よ」 とんでもないこと(=東日本大震災)が起きた。 昔話として語られる日はいつのことだろう、 1000年先のことだろうか、その日に早くなってほしい・・・という祈りを託した歌です。 今回の佐藤さんの歌集「昔話」には、 東日本大震災直後の2011年、2012年の2年間の作品から426首、収録されています。 この歌集を今のこの時期にまとめたのはなぜなのかを佐藤さんに伺いました。 震災に遭遇した夜から、多作になった。 ライフライン全てを失って、低体温症すれすれの日々を送りながら、「この今を、言葉にしておかなければ」という衝動を覚え、 しばらくは1日10〜20首作り続けた。 以来、3年経とうして、やっと一冊にまとめる気持ちになってきた。 震災以来、被災圏にいるものとして、心に去来する問題はあまりにも多かった。 しかし、「世間から忘れ去られようとする頃から本当のたたかいは始まる」という思いが、はじめからあった。 現にそのとおりになり、瓦礫が消えていく頃から、多くの人の心身は病みはじめた。 歌に力があるとしたら、ここからのこと。 とのことでした。 まだまだ課題が山積している東日本大震災。 佐藤さんの歌が心に沁みますね。 今日ご紹介した歌は、「いりの舎」から出ている佐藤さんの本「歌集 昔話」に収録されています。 詳しくは、佐藤さんのホームページ「路上通信」をご覧ください。 |
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