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2007年1月06日放送
質問1 ウイスキーには何年ものというのがありますが、何年から飲み頃になるのですか?
答え
答え1 ラベルに表示されている年数は、その製品に使用したモルトウイスキー、グレーンウイスキーの中でも貯蔵年数の最も短い原酒の酒齢を示しています。 ですからラベルに「12年」と年数表示されていれば、その製品に使われているすべての原酒の貯蔵期間が最低でも12年以上であることを意味します。12年もの、と言っても、中には17年ものも、20年物も入っているのです。1つの製品に、時には数十種類の原酒が組み合わされてあの味わいが作り出されていくのですが、一般には、少なくとも4、5年は寝かせないと一人前の原酒にはならない、と言われています。
ウイスキーやブランデーのような蒸留酒は、蒸留直後は無色の荒々しいアルコールです。これはまだウイスキーとはいえません。それが樽で何年も貯蔵される間にあの色、香り、味わいが育まれてくるのです。 一般に貯蔵期間に比例して熟成は進み、まろやかさや深みは増していきます。 しかしながら、ウイスキーの品質は熟成年数だけで決まるのではなく、製法、貯蔵の樽、貯蔵する場所や管理方法などで熟成の頂点を迎える時期は違います。絶妙なコクとまろやかさを生むには17年から20年くらいがひとつのピークのようです。 あまり永く樽で熟成させると木の香りが強くつきすぎたり、香味から生気が失われたりすることもあります。
ウイスキーを育てるには貯蔵しておく樽が非常に大事なのです。 樽の容量、新旧、チヤー(=内側を焦がす)等の内面処理条件、材質などが影響するでしょう。 当然、新しい樽ほど、また容量の小さいものほど飲み頃になるのは早いでしょう。 ブレンダーが貯蔵されている何百もの全ての樽を、きめ細かくチェックしなければならないというのも、この組み合わせの多さによります。
ところで、樽の中の原酒は毎年2〜3%は蒸散していきます。 もし同一の樽で貯蔵し続けたら、30年ものにもなると大部分は失われてしまうことになります。 樽は何年ごとに何回入れ替えるというマニュアルがあるわけではないのですが、ブレンダーの研ぎ澄まされた技術によって熟成途中で細かく品質チェックを行い、良樽へ詰め替えるという大変な手間をかけています。 ウイスキーには50年ものも稀にありますが、ここまでになると希少価値の意味合いが強いかもしれません。 ある意味では偶然の組み合わせにより生き残ったという感じで、奇跡に近いといってもよいかもしれません。
答え
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