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2005年12月24日放送
質問1 今週は、デザートワインについてのお話です。
答え
答え1 デザートワインとは、ワインそのものが“デザート”として楽しむことのできる、甘みの強いワインのことです。 食事の最後のデザートコースには甘いお菓子やコーヒーが出されることが多いですね。 お菓子ではなく、食後酒として甘口のワインを選んでみるのもちょっと大人っぽくおしゃれではないでしょうか。
食後酒は「ディジェスティフ」。消化を助ける、という意味で、食後の口直し、 あるいは消化の促進のために飲まれる幾分アルコール度数の高いものがお勧めですが、甘口に仕上げたものということでは、甘口の白ワインやシェリー、ポート、マルサラ、それから最高級の甘いワイン、貴腐(きふ)ワイン、 アイスワインなどがデザートワインとして選ばれます。
シェリーはスペインの、ポートはポルトガル、マルサラはイタリアの、酒精強化ワインといわれるもので、 ワインをつくる途中、あるいはつくってから、ブランデーなどを添加し、アルコール度数を高めて発酵を止め、 味にコクを持たせると共に、日持ちするようにつくりあげたものです。 シェリーなどは辛口のものは食前酒として人気がありますが、甘口は食後によく飲まれます。
貴腐ワインというのはその年の天候、気候の変化など、複雑な条件がそろった時に、 完熟した房にボトリティス・シネレア菌という特殊な菌がぶどうについて、葡萄の果皮のロウ質がこわされ、 果汁中の水分が蒸発し、糖分が濃縮され、貴腐葡萄が発生します。 ここから作られた芳醇で類稀なブーケと複雑で深みのあるコクをもったワインが貴腐ワインです。
アイスワインというのは遅摘みのぶどうを冬の凍てつく寒さの中で、凍りついたぶどうのみを絞って熟成・醗酵させたワインです。葡萄の水分が凍っているので、搾った果汁には氷の分だけ水分が少なく結果的に、 甘味や酸味などが濃縮された果汁となり、濃厚な甘味のワインとなるのです。
デザートワインによく合うチーズは塩味の強いブルーチーズ、ロックフォ-ルやゴルゴンゾーラ、 ワインとチーズの相反するような味わいが相乗効果でお互いを引き立てて、よりいっそう美味しくなります。 特に貴腐ワインとは、カビによる同じような味わいがあり、お互いを引き立てます。 ぜひお試しください。デザートはケーキが無くっちゃ、という方には、干しぶどうやオレンジピール、ナッツなどが たっぷり入った、しっとりタイプのフルーツケーキをお勧めしたいと思います。
もちろん食後酒としてだけでなく、夕暮れのティータイムに楽しむのもいいですし、 一日の締めくくりに小さなグラスで親しい人ともう一度乾杯するのも素敵ですね。
答え
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