2003年6月21日放送 ビールの泡はしばらく経っても消えないのに、どうして炭酸飲料（たとえばコーラなど）の泡は注ぐとすぐに消えるのですか？ ビールの泡は、タンパク質、炭水化物、ホップ成分でできている薄い膜に包まれた、炭酸ガスの泡がくっつきあって集まったものです。 麦芽から生れた泡タンパクを、ホップの苦味の本質である樹脂成分が網目状態に結合させます。これらの性質が合わさって、泡の表面がねばっこくなり、安定して長持ちするのです。 コーラやサイダーにはこれらの成分がありませんので、空気にさらされたとたんに、沢山溶け込まされていたガスが時間とともにどんどん失われていきます。 「濃縮果汁還元」という表示を見かけますが、どういう製法なのでしょうか？ 字の印象では濃縮した果汁を元に戻すなんて逆に手間がかかるように思うのですが。 濃縮還元は、果汁を濃縮保存し、容器に詰める段階で薄め、もとの果汁量に戻すことをいいます。 オレンジやグレープフルーツなど、ジュースの原料果実は四季を通じて収穫できるものではありません。 収穫期にはストレート果汁（絞った果汁をそのまま）が手に入りますが、それ以外の季節のために果汁の貯蔵が必要です。 果汁を濃縮し、マイナス20℃以下で冷凍保存、貯蔵し、使用する際に解凍希釈します。海外からの原料を運送するにも保存するにも固形の方が便利です。濃縮冷凍保存では、保存料なども不要です。安定した原料供給ができます。これが濃縮還元果汁の特徴です。 ストレート果汁は季節限定、地域オリジナルなど、特徴のあるものが多く、値段はメーカーや販売方法などの差もありますので一概には言えませんが、若干高いようです。 基本的成分はストレート果汁と大差はありませんが、香気成分は濃縮時に失われることが多く、繊維質も沈殿で取り除かれることもあり、あとから補うにしても、フレッシュ感やジューシー感はストレート果汁にかないません。

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