檀れい 今日の1ページ

女優の檀れいが毎回、その日にまつわる話題や風物詩などを交えてお届けします。忙しい朝のひとときを是非、番組と共にお過ごしください。

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出演者

檀れい

檀れい
1992年、宝塚歌劇団に入団。
月組、星組のトップ娘役をそれぞれ務める。
2005年に退団。
2006年、山田洋次監督作品「武士の一分」でスクリーンデビュー。
映画・TV・CMなど活動の場を広げ、2015年4月からTBS火曜ドラマ「マザー・ゲーム」にも出演。

こたつのおはなし

2014年11月24日
今年はきょう24日が「こたつ開き」の日です。

旧暦10月の亥の日。
江戸時代には、亥は水を司る気とされていて
火事を遠ざけるという縁起があったので
この日にこたつを使い始めたのだそうです。
当時は勿論電気ゴタツなどありませんでしたから、
火事にならないように縁起をかついだのですね。

旧暦10月の最初の「亥の日」に、
まずお武家さまがこたつを開き、
二番目の亥の日、つまり今日、
町民がこたつを開いたのだそうです。

亥の日は「酉の市」の酉の日と一緒で、
12日に一度めぐるので
今年最初の亥の日は12日でした。

なので「オレはお武家さまだ!」と言い張る方は、
12日にもうこたつを開いたのかもしれませんね。
そんな人いないか…。

コタツと言えば皆さんは何を思い浮かべますか?
やはり「みかん」でしょうか。     
あるアンケートによれば、
「こたつで食べたいもの」のダントツ1位が
やはり「みかん」。

みかんにはビタミンCが多く含まれているので
風邪の予防にも効果的。
さらに美白、美容効果もあって、
クエン酸は疲労回復を手助けします。

こたつの良き相棒のみかん。こたつの上には絶やさずに。



あすは「油団」についてです。

油団のおはなし

2014年11月25日
去年の「和食」に続いて今年は「和紙」が
ユネスコの無形文化遺産に仲間入りすることになりました。


住宅にも使われる和紙。
襖や障子…もう一つ、油団(ゆとん)をご存知でしょうか。
和紙を使った日本の伝統的な敷物で
熱がこもらず、座るとひんやりと感じられてクーラーいらず。
敷くだけで涼しい優れものなのです。
     
江戸時代の終わりまでは日本各地で作られていましたが、
現在この油団を作っているのは一軒だけ。
福井県鯖江市にある表具店、「紅屋紅陽堂」さんです。

油団作りには大量の良質な和紙と大変な手間と
高い技術が必要とされます。
注文を受けてから作り始めて完成するのはおよそ1年後。
時間がかかる作業です。


越前和紙を職人さんが熟練の技で
畳の広さにあわせて張り合わせ、
そして厚みを出すため重ねてゆきます。
一枚貼るごとに重しのある刷毛で叩いて
和紙の繊維を絡み合わる、
和紙を重ねてはこの作業を繰り返すこと十数回。
重ね上がったら裏面には虫除けの柿渋を吹きつけ、
表面には熱した荏胡麻油を布で2度手塗りをして
屋根の上で天日干し。
さらに表面の仕上げにはつぶした豆腐を木綿の布で刷り込んで、
乾いた布で磨きこめば完成です。

手入れや保管をきちんとすれば
なんと百年は使えるという逸品。
夏場、寝転がって頬を当てると
ひんやりして気持ちいいのだそうです。
老舗の料亭や旅館などから注文があるそうですよ。



あすは「スポーツオノマトペ」についてです。

スポーツオノマトペのおなはし

2014年11月26日
スポーツオノマトペ、という言葉が
この頃注目されています。
オノマトペというのは日本語でいう擬音語や擬態語のこと。
雨がシトシト降る。雪がシンシンと積もる。
このシトシトやシンシンもオノマトペです。

では「スポーツオノマトペ」とは?
大きく2種類に分かれるそうです。

その1。
スポーツの指導などで感覚的に分かりやすく
表現する際の言葉。
あの長嶋茂雄さんが監督時代、
選手にバッティングを指導するとき
「ボールがビューッときたらバシンと打つんだ!」
というようなアドバイスをしたと言われていますが
長嶋さんはスポーツオノマトペの達人だったのかもしれません。
     

その2
競技中のかけ声や気合い、応援のオノマトペ。
これには自分をリラックスさせたり
リズムやタイミングを整えたり
「自分は負けない」という自己暗示の効果もあります。
選手が円陣を組んで試合前に声を上げたりするのがこれですね。
フレーフレーのかけ声も、応援のオノマトペと言えます。

そして選手がポイントを取ったときに上げる雄叫びも
まさにスポーツオノマトペなのです。
卓球の福原愛選手は試合中に何度も
「サー」という声を発していますし
ハンマー投げの室伏広治選手も
投げた直後に「ンガーッ!」っと。
「ンガー」にはリミッターを外して
筋肉の限界値まで力を発揮する効果があり
実際この声が出たときの方が
記録が伸びていましたそうですよ。

今日のお話は藤野良孝さんのご本、
『スポーツオノマトペ なぜ一流選手は「声」を出すのか』
を参考にご紹介させていただきました。
スポーツするときは声を出した方がいいみたいですね。


あすは「鴨と寝た博士」についてです。

鴨と寝た博士のおなし

2014年11月27日
鴨の赤ちゃんがお母さんの後を一列になって
お行儀よく歩く姿、
公園の池のほとりなどで目にしたことがあると思います。

ヨチヨチとお尻を振って可愛いですよね。
親鳥の後を追ってゆく習性を
生物学的には「すりこみ」と言います。
カモのヒナたちは卵を割って出てきたときに
初めて見たもので、動くもので、
そして声を出すものを自分の親だと
思う習性があります。
これが「すりこみ」です。

鳥のヒナ全部に「すりこみ」の習性がある訳ではありません。
カモやニワトリ、アヒルなど、一部の鳥の特徴です。
この習性に気づいたのは、オーストリアの医師で
動物行動学者のコンラート・ローレンツという人物。

この方1973年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
ローレンツさんはカモ科のハイイロガンの卵を人工ふ化して
ガチョウに育てさせる、そんな実験を行っていました。

ガチョウの親鳥の目の前でふ化する卵。
出てきたハイイロガンのヒナは、
ガチョウを親と思ってふるまいました。
ところがです。

ローレンツさん、最後に残った一個の卵だけを、
自分の目の前でふ化させてしまったのです。すると…
その最後のヒナだけが
ローレンツさんを追いかけるようになったのです。

ガンの仲間のヒナは
親の後ろを追いかけて歩く習性があります。
この行動は生まれついてのもので
「本能行動」だと考えられます。
でも何を親だと思うかは、
生まれた瞬間に目の前にいたもので決まる。
まるでヒナの頭に一瞬の出来事が
「印刷」されたようだという意味で、
「刷り込み」、英語で「インプリンティング」と
名付けられたのでした。

気になるのはローレンツさんを親だと
刷り込まれたヒナのその後です。
資料によれば、ローレンツ博士、
自分の後を追いかけてくるヒナと
同じ寝室で寝て育て、庭で散歩もさせて、
なんと一緒に池に入って泳ぎも覚えさせたのだそうですよ。



あすは「役割語」についてです。

役割語のおはなし

2014年11月28日
『〈役割語〉小辞典』という本が
今年9月に発売されました。


「わしは知っておるんじゃ」
「わたくし、存じておりますわ」
「さよう、拙者は存じておる」


どれも同じ意味。でも耳にした瞬間に、
この言葉を口にしている人の人物像が想像できる言い回し。
こんなふうに特定のキャラクターに
密接に結びついた言葉遣いを
「役割語」と呼ぶのだそうです。
     
大阪大学教授の金水敏さんがまとめた「役割語小辞典」。
辞典というと堅苦しい印象ですが
具体例が色々載っていて楽しく読めます。
例えば「老人語」「お嬢様語」「武士ことば」などを定義して
実際のマンガ作品に登場する例などが紹介されているんです。

あらためて考えてみると
舞台やお芝居のセリフは日常生活ではあまり使わない
「役割語」が多いですね。

子どもの頃見た、日本むかしばなし」で交わされていた会話。
「婆さんや、寒うなってきたのう」
「あんれま爺さん、真っ裸で何言うとるかの〜」
こんな言葉遣いの老夫婦、
日本のどこにでもいたわけではありませんよね。
これも物語の中の「おじいさんとおばあさん」の
「役割語」だったんですね。


言い方ひとつでコレだけのニュアンスを伝える日本語。
面白いし、豊かだなと思います。


次回は「師走」についてです。