2011年2月11日(金)あさ9:55から
山形発の映画が世界を席巻!
山形県の庄内がいま、映画の都に生まれ変わろうとしている
夢はでっかく目指すは日本のハリウッド!
山形県の西側、日本海側に面した庄内地方が全国から注目を集めている。米国アカデミー賞外国語映画賞を受賞した映画「おくりびと」をはじめ、「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」や「山桜」、「ICHI」、「山形スクリーム」、「スノープリンス」、「座頭市 THE LAST」、「必死剣 鳥刺し」、「十三人の刺客」と、4年間で9作品もの映画がこの地域で撮影され、一躍"映画の都"になったからである。
山形県の一地方に過ぎなかった庄内に一体何が起きたのか?そこには二人の仕掛け人と彼らが作った庄内映画村の存在があった。いま、庄内映画村が地域の人々と共に動き出す!目指すは日本のハリウッド!
『王様のブランチ』で映画コメンテーターとして活躍中のLiLiCoが、昨今映画の町として注目されている山形県の庄内地方を訪ね地域の思いを取材した。
庄内での映画撮影にはある二人の男の存在が欠かせない。一人は2006年7月に映画「蝉しぐれ」のプロデューサーとしてはじめて庄内を訪れた宇生雅明(うじょうまさあき)。そしてもう一人は、地元の市役所に勤めていた丸山典由喜(まるやまのりゆき)。この二人の男の出会いが、撮影誘致の核となる庄内映画村誕生へとつながった。庄内映画村という舞台を通して描く二人の夢は「庄内を日本のハリウッドに」だ。
順調なスタートを切ったかに見えた2010年、ロケ地の変更や撮影の延期で、予定されていた映画の撮影がなくなるというピンチに。そこから見えてきたのは地方というハンディだった。果たしてその課題は克服できたのか?
今年秋公開予定の映画「のぼうの城」が、昨年9月に山梨県北杜市の風林火山館で撮影され、主演の野村萬斎らキャストと、延べ300人のエキストラによる撮影が行われた。この時も庄内映画村での撮影は見送りとなったものの、オファーをきっかけに山梨の風林火山館の解体情報をキャッチ。地方のハンディ克服のため今以上に魅力ある撮影環境を模索していた宇生と丸山は映画村への移築に向けて動き出した。
一方「おくりびと」が米国アカデミー賞外国語映画賞を受賞したことを機に、日本全国から大勢の観光客が庄内を訪れるようになった。「おくりびと」のNKエージェントのシーンは、今は使われていない庄内の割烹の建物で撮影。外観のみの撮影だったが、撮影を支えた地元商店街のメンバーがロケ地として残そうと考え、「おくりびと」の美術監督と市民の協力を得て見事に再現。ロケ地としての付加価値が増したのはもちろんのこと、映画の人気スポットとして観光客が絶えず訪れるようになったのだ。
そして10月、待ちに待った新しい映画の撮影がついに決まった。老婆50人が主役というこの意欲作は庄内映画村設立以来10本目の記念すべき映画。地元からも多数のエキストラが参加する予定とあって、撮影を心待ちにしていた庄内の人々は一気にヒートアップ!
継続的な映画誘致を目指す庄内映画村、そして映画に思いを寄せる人々。「地元を元気に」と走り続ける庄内から映画による地域づくりのヒントが見えてきた。
番組レポーター:LiLiCo
ナレーション:本木雅弘
制作:テレビユー山形
プロデューサー:齋藤清一
ディレクター:佐藤義亀