シリーズ激動の昭和 総理の密使〜核密約42年目の真実〜

2011年2月21日(月)よる9:00から

「総理の密使〜核密約42年目の真実〜」の画像

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みどころ

沖縄返還を巡る「総理の密使」を三上博史が熱演!!

 昭和史のさまざまな局面をドラマとドキュメンタリーを融合させて番組化し、好評を博しているTBS「シリーズ激動の昭和」。今回その第4弾となる『シリーズ激動の昭和 総理の密使〜核密約42年目の真実〜』を2月21日(月)よる9:00〜11:09にお送りする。
 沖縄返還を巡るアメリカとの交渉に奔走した「総理の密使」若泉(わかいずみ)敬(けい)役を実力派俳優の三上博史が演じる。
昭和44(1969)年、日米首脳会談にて決定した沖縄返還。時の総理、佐藤榮作は「核兵器を作らず、持たず、持ち込ませず」という非核三原則をかかげ、「核抜き」での沖縄返還に成功し、のちにノーベル平和賞を受賞するなど世界的な評価を受ける。
 ところが、実は日米政府の間で、「有事に際しては、沖縄への核兵器の再持ち込みを認める」という秘密合意文書を交わしていたのだ!非核三原則の「持ち込ませず」に反するこの「密約」は通常の外交ルートではなく、総理の命を受けたひとりの「密使」、若泉敬という人物によって結ばれたものだった。
 若泉は、新進気鋭の国際政治学者だったが、「戦争によって失った領土を、武力によらず取り戻す」という史上類のない難しい仕事に情熱を注ぎ、人脈を駆使して、交渉を妥結へと持ち込む。そして、秘密交渉を担った若泉と、彼の結んだ"密約"の存在は、人知れず歴史の中に消えていくはずだった。しかし、返還から22年後、若泉は沖縄返還交渉の裏舞台と「密約」について書いた著書「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」を出版し、返還の「闇の歴史」を明らかにする。墓場まで持っていくはずだった秘密を、彼はなぜ暴露したのか?
 この番組では、沖縄返還の秘密交渉の裏に隠された「若泉敬」という人物の高揚と苦悩、彼が背負っていた時代をドラマとドキュメンタリーで丁寧に描いていく。戦後の「闇の歴史」を明らかにする『総理の密使〜核密約42年目の真実〜』に乞うご期待!!

内容

【ドラマのあらすじ】
 昭和42年(1967)、自民党・佐藤政権は「沖縄返還」を公約に掲げ、国内世論はこの問題で沸騰していた。「戦争に負けても、外交で勝つ」。国際政治学者・若泉敬(三上博史)は、尊敬する吉田茂元総理の言葉を引き、東大の後輩でのちに外務官僚となる谷内正太郎(眞島秀和)に、沖縄返還で日本外交の力が試されると説く。

 若泉は親交のあった自民党幹事長・福田赳夫を介して、佐藤榮作総理(津川雅彦)と密会。返還交渉について、秘密の特使=密使の仕事を依頼される。
間近に迫った日米首脳会談で、返還時期のメドだけでもつけたい佐藤総理。彼は、「ベトナム戦争の最中に、その前線基地となっている沖縄をアメリカが返すはずがない」と動きの鈍い外務省ルートとは別の突破口を求めていたのだ。

 単身ワシントンに向かった若泉は、時のジョンソン大統領の側近に働きかけ、「2〜3年以内に返還時期のメドを付ける」との合意に成功する。しかし、肝心のジョンソン大統領が次期大統領選に不出馬。交渉は振り出しに戻ってしまった。2年後、後継のニクソン大統領との首脳会談を前に、再び若泉は、佐藤総理から密使の仕事を依頼される。今回は、「国際政治の怪物」と呼ばれたキッシンジャー補佐官が相手だ。

ホワイトハウスに乗り込んだ若泉は、キッシンジャーと二人だけの秘密交渉を開始。「核抜き、1972年の返還」と引き替えに、キッシンジャーが突きつけてきたのは、「有事の際の沖縄への核再持ち込み」と「繊維交渉での日本側の譲歩」というふたつの秘密の合意=密約だった。
ばれたら政権が吹っ飛びかねない「爆弾」であったが、「沖縄を取り戻すためには、やむを得ない代償」と思い定めた若泉は、佐藤総理を説得し続けた。昭和44年(1969)11月、ついに沖縄返還が決まった日米首脳会談。ホワイトハウスの小部屋で、密かに合意文書が取り交わされる。それは、若泉、佐藤、ニクソン、キッシンジャーの4人しか知らないものだった。
役目を終えた若泉は、佐藤総理に「私のことはすべて忘れてください」と語り、交渉における自らと"密約"の存在を封印する。

昭和47年(1972)5月15日、沖縄の本土復帰、そして、昭和49年(1974)年、佐藤榮作がノーベル平和賞を受賞する。
しかし、一方、繊維交渉は進まず、日米関係は最悪の状態に。専門外の経済交渉に巻き込まれ、板ばさみとなった若泉は心身共に疲弊していく。さらに、返還後も変わらない沖縄の基地負担の現実に、自らの「結果責任」を痛感した若泉は、50歳にして故郷・福井への隠棲を決意。沖縄返還交渉の真実を明かすため、長い執筆活動に入った。
そんな若泉を支え続けたのが、弁護士の妻・ひなを(加藤貴子)。だが、5年後、ひなをは急死。さらに若泉本人もすい臓がんであることを告知される。そんな中、若泉は太平洋戦争での遺骨収集のため沖縄へ向かった。
そして1994年の沖縄本土復帰記念日に、ついに著書「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」が出版される。600ページ以上もある分厚い本は、沖縄返還交渉の裏舞台と"密約"について詳細を究めたものだった。

「長く密約の存在を否定し続けてきた日本政府は、どう対応するのか」、マスコミは騒然となった。
国会への証人喚問も覚悟していた若泉敬。公の場で語り、沖縄への「結果責任」をとると同時に、外交戦略なきニッポンへ警鐘を鳴らす意図があったのだが・・・・・・

【ドキュメンタリーパート】
・1996年に死去した若泉について、内外の関係者多数に取材し、貴重な証言をもとに、秘密交渉の軌跡とその人物と想いを描く。
・返還前、沖縄に配備されていた1200発以上の核兵器。ベールに包まれていた「核抜き前のオキナワ」の姿を、米軍関係者の証言を元に追跡し、「核の時代に、核なき日本はどう向き合えばいいのか」という若泉が持ち続けた危機意識と、その行動を読み解く。

ひとこと

制作プロデューサー・島田喜広
 アメリカや中国との関係をめぐり日本の安全保障が真剣に問われている今だからこそ、およそ40年前、命がけでこの問題に取り組んだ若泉氏の生き様を多くの視聴者に知ってもらいたいと思い、この番組を制作しました。
 三上さんのシャープでストイックなイメージがそのまま若泉氏のイメージに重なり主演をお願いしましたが、三上さんは番組の趣旨に賛同し、資料も読み込んで役に向かい、結果、生前の若泉氏を知る関係者が「本人のようだ」と驚くくらい、生き生きと演じてくれました。

出演者

若泉敬:三上博史
若泉ひなを:加藤貴子
谷内正太郎:眞島秀和
佐藤榮作:津川雅彦

スタッフ

制作プロデューサー:島田喜広
番組プロデューサー:堤慶太
総合演出:金富隆
脚本:渡邉睦月
ドラマプロデューサー:三城真一
ドラマ演出:北川雅一


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