インタビュー

→インタビューの目次へ戻る

vol.16:香川照之さん

(photo)

台本を読んだときの感想をお聞かせください。

お風呂に浸かりながら読んだのですが、寒くて寒くてしょうがない撮影になるだろうなと、スケールが大きいので大変な撮影になるだろうなと思いました。

北海道の寒さはいかがでしたか?

今思うと、そんなに寒くなかったですね。越冬用の服を着用していましたから、むしろ暑くて汗をかいていました。それよりも、東京に戻ってからの暑さの方が大変でした。

寒い中、暑い中でも、チームワークの良い現場でしたね。

チームワークは良かったですね。越冬隊11人+柴田恭平さん演じる白崎隊長、合計12人が行動を共にしていたので、それをまとめ上げた木村さんの力は想像に難くないなと。柴田さんに関しましても、ピュアで、真っ直ぐで、深い人間性が見られ、越冬隊の11人全員が柴田さんの新たな一面を感じていたと思います。予想以上の大きさで12人を包んでくれた木村さんと、それを生々しい情熱でまとめあげた柴田さんに感謝しています。僕らは、衣裳を着てセリフを話すフィクションを撮影しているわけですが、その奥にある役者の空気感は映像に反映され、視聴者のみなさんに届くと思っています。『 南極大陸 』 に関しては、固い絆で結ばれた熱い12人の男の姿をお届けできると思います。

スケールの大きな作品と感じた部分はどこですか?

撮影期間ですね。1話から全てを福澤さんがお一人で監督するというスタイルも、異例中の異例だと思います。福澤監督の要望で、本番だけでなくリハーサルからテープを回していました。スタッフには負担がかかるでしょうけど、役者の全ての演技を汲み取るスタイルに、スケールの大きさを感じました。演じる側としてはリハーサルと本番で変化をつけているわけではないのですが、いい緊張感を保てましたし、襟を正して現場へ入ることが出来ました。撮影はドキュメンタリのようでしたね。

演じられている星野英太郎はどのような人物ですか?

(photo)

演じていて気づいたのですが、畑正憲先生のような人物ですね。ライオンに指を噛まれても笑っている畑先生のように、星野も何があっても 「 大丈夫!大丈夫!」 と笑っている。『 剱岳 』 という映画の撮影でお世話になった山岳ガイドの多賀谷さんも星野を演じる上で参考にさせていただきました。多賀谷さんもどんなことが起ころうと笑っていて、“こういう場合、多賀谷さんならどんな表情をするかな?” と想像しながら演じました。畑先生も多賀谷さんも、経験値が高く、人間としての器が大きいので、大抵のことは自身のキャパシティより下の出来事なんです。あとは、星野の興味を持ったことに関して子供のように突き進む部分は、福澤監督にも似ているなと感じたので、福澤監督の無邪気さも加えさせていただきました。福澤監督が味のあるキャラクターに育ててくださったので、僕自身も演じていて面白かったです。

北海道ロケはいかがでしたか?

北海道ロケは、男12人の距離感を確かめ合うことができた期間でした。当然ながら、震災を同じ場所で経験したことも大きな出来事のひとつです。このドラマは “日本の復興” をテーマのひとつに掲げているのですが、実は “大地が揺れる” というシーンを撮影している際に、先の震災が起こりました。越冬隊を演じる11人が同じ場所で震災を経験したことは、この作品に関わる上での原点になっていると思います。南極で一年間越冬するということは、想像を出来ないほどの出来事が起こったと思います。震災を経験し、「 南極にいるということは、こういうことかもしれない 」 と一瞬にして感じましたし、お互いの思いを確かめ合うことが出来ました。我々はフィクションを演じていますが、常にノンフィクションでありたいと思いながら演じました。

(photo)

『 南極大陸 』 のテーマのひとつ、夢を追う男たちについてどう思いますか?

誰もが嫌がること・背けたくなること・誰もやっていないことに踏み込んで引っ張っていくこと。それは男のやるべきことだと思っています。そして、それを次の世代に渡すことが男の使命。このドラマが掲げているメッセージは、男なら誰しもが備わっている感情だと思いますので、現代は草食系男子などと言いますが、男性が女性的になる時代は終わりであって欲しいなと。前に進まなければならないと思います。

最後に、視聴者のみなさまへメッセージをお願いします。

星野英太郎という名の京大教授を演じている香川と申します。『 南極大陸 』 は、初めて南極に1年間越冬した男たち、それを支えた家族たち、友人たちを描いた、実話に基づいた物語です。
先の震災で日本がこういう状況にあり、『 南極大陸 』 がよりメッセージ性を持つものとなりました。
3月11日よりも前から、僕らは『 南極大陸 』 にむけて出航していたわけですが、“日本の復興” というテーマが偶然にも重なりました。人々が頑張る姿、助け合う姿、今後の日本のあるべき姿を一人でも多くの方に見ていただき、何かヒントを与えられたら幸いです。フィクションを越え、ドキュメンタリ作品のような映像になっています。キャスト・スタッフの全員が、本当に真剣に作品に向かい合いました。ぜひご覧ください。


↑このページの一番上へ