インタビュー

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vol.05:吉沢悠さん

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出演が決まったときの率直なお気持ち、台本を読んだ感想をお聞かせください。

タロとジロのことは誰もが知っている有名なお話ですし、僕自身も過去に映画 『 南極物語 』 を見たことがありましたので、史実を原案に据えたドラマで “越冬隊のひとりを演じることができる” と聞いて、とても興奮しました。台本に目を通してみると、そのスケール感はやはり別格で、「 これは俳優業を続ける中で “一生に一度出会えるか出会えないか” の大作になるんじゃないか 」 と強く感じました。これだけ “男の生き様” にスポットを当てた物語というのも珍しいので、撮影が始まるのが楽しみでした。

実際に撮影へ参加されて、感じたことを教えてください。

北海道で撮影を行ったのですが、ビルなど背景に何も映り込むものがない広大な土地で、“南極” という場所をリアルに感じながら撮影に没頭できたのは貴重な体験でした。北海道で撮影された映像に、VFX (特殊効果) を用いて山を足したり雪を増やしたりする加工を施すそうなので、最終的にどのような映像に仕上がっているのか、僕自身もオンエアをチェックするのが楽しみです。自然に囲まれたとてもいいロケ地でしたが、それに VFX が加わり、スケール感の増した映像をお楽しみいただけると思うので、期待していてほしいです。

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北海道ロケはいかがでしたか?

冬に撮影を行っていたので、やっぱり寒かったです (笑)。特に、早朝は身体がすぐに動かなくて、メイクが終わって出番を待っている間に、みんなで集まってストレッチをしていました。たしか最初は、寺島 (進) さんが 「 こうかなぁ、こうかなぁ 」 なんて言いながら身体を動かし始めたところに、木村 (拓哉) さんがやって来て、「 この方が効きますよ 」 と、いくつかストレッチ法を教えてくれたんです。それをみんなで真似してみたのですが、これが結構ハードで… 「 イタイイタイ 」 なんてね (笑)。ロケ中は、気が付くと誰かがストレッチを行っていて… そんな光景が結構面白かったです。

今回、初共演の方も多かったそうですね。

主演の木村さんを含め、初めてご一緒させていただく方が多かったので、最初はちょっと緊張しました。けれど、誰よりもセリフも出番も多い木村さんが、北海道でもスタジオでも楽屋や車に籠もることなく、みんなと同じ場所にいてくださったんです。木村さんのオープンなスタンスが、ご一緒させていただいている僕自身もすごく心地良くて、「 こういう現場もあるんだな 」 と新鮮に感じました。共演のみなさんと飲みに行った際に、木村さんが 「 僕の理想の現場というのは、みんながいる場所に僕がいて、そこにみんなもいてくれて… という形。そんな現場の雰囲気が、絶対に作品へ反映されると思うから。そういうやり方にみんながついて来てくれることがすごく嬉しい 」 と話していらっしゃったのですが、そんなふうに現場を大事に考えて振る舞うことができる木村さんを本当にかっこいいなと思いましたし、頼もしく感じました。木村さんを含め共演者のみなさんから、本当にたくさんのことを勉強させていただきました。

共演者のみなさんとのエピソードをお聞かせください。

男ばかりが集まっているのでマジメな話をしたり、時には下ネタで盛り上がったり、翌日の朝飯を賭けて勝負をしたり… (笑)。30歳を過ぎてから、学生のような日々を過ごせるとは思っていませんでした。そういう男同士のつながりが出来たのは嬉しかったですし、いい思い出がたくさん出来ました。

地元の方たちとの交流はありましたか?

北海道ロケではお弁当よりもケータリングが多かったですね。撮影現場では、現地の方が手料理を作ってくださいました。どの料理もとてもおいしかったです。また、ボランティアエキストラとして地元の方たちが参加してくださったのですが、その元気に非常に励まされました。その他にも、大勢の方々にエキストラとしてご協力をいただきましたが、どのシーンでも気持ちをこめてお芝居していただいたことを役者陣はみな感謝していると思います。

演じられている横峰新吉はどのような人物ですか?

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(物語の舞台となっている) 戦後まもない昭和30年代というのは、みんなが復興に向けて頑張っていて、とりわけ男性にとっては “家庭を顧みる” ことよりも “世の中のために何ができるのか” ということのほうが重要と考えられていた時代だったと思うんです。でも僕の演じる横峰という人物は、ふとした時に奥さんのことを考えてしまう、非常に家族想いで、心優しいキャラクターです。“家族がどうしたら笑顔でいられるか” ということを常に考えて物事を判断するような男です。越冬隊にも何人か家庭を持っている登場人物がいるのですが、その中で一番、家族関係がフューチャーされて描かれている人物なので、責任ある役どころだなと思いながら懸命に演じました。

南極に挑む男たちの姿を演じていてどのように感じましたか?

清々しい気持ちになりました。僕自身、激動の昭和を駆け抜けた男たちの生き様を演じることができて非常に楽しかったです。でも、彼らだって簡単に夢へ辿り着けたわけじゃない。『 夢 』 や 『 ロマン 』 には必ず、失敗や挫折といった “人間ドラマ” がつきものだと思うんです。誰かが夢に向かってがむしゃらに突き進んだり、自分なりの信念を貫き通したりすることで、不本意ながらも他人に迷惑をかけてしまうこともあるでしょうし…。そういう意味で、この作品には “偽りのないリアルな人間ドラマ” がつまっていますし、心を揺さぶられるようなシーンがたくさん描かれています。そんな内容に惹かれましたし、いい脚本に恵まれたなと感じています。

復興へ向けて立ち上がる… という時代背景は、どこか今の日本と重なってみえますね。

本当にそう思います。先の震災に見舞われたことで、現在の日本はかつて体験したことのないような状況に置かれ、人々が手を取り合い立ち上がっていますが、そういった点で現代社会とこの物語は、どこかリンクしていると感じます。『 南極大陸 』 は、誰もが 「 できるはずがない 」 と思っていたことに果敢に挑んだ男達の話なので、きっとご覧になった方も、どこか勇気付けられるような作品になっているのではないでしょうか。

最後に、視聴者のみなさまへメッセージをお願いします。

毎週日曜日よる9時、『 南極大陸 』 をぜひご覧ください。回を追うごとに、南極へ挑む男達の想いが強くなってきますし、役者一人ひとりの目や表情から絆が深まっていく過程を感じていただけるはずです。そして視聴者の皆さんの心に、熱い想いやメッセージを届けられると思います。


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